このところの「町で見つけたオモシロごはん」は、娘とお散歩のネタばかりが続いている。いっそ「娘とお散歩・ランチ&おやつ」とカテゴリーを新設しようか、と思うほど。登場人物である当の娘はまだ幼稚園、ブログなどもちろん読めないが、大きくなったときにパパとの思い出としてバックナンバーを読んでくれれば… と、何とも親バカで恐縮しきり(苦笑)。
そんな訳でゴールデンウィークの中日、娘と二人ぶらり散歩した街は町田。家内の仕事の合間に、小1時間ほど娘を預かるといったシチュエーションである。大学時代に小田急線で通学していたため、町田にはたまに途中下車したことがある。イメージとしては着るものを安く、大量に買える町。金もなければファッションに無頓着だった当時、ジーンズメイトやマルカワといった店で買いだめしていたことを思い出す。トレンドとは無縁の、庶民的で雑然とした町という印象だったが、10数年ぶりに行ってみると東急ハンズや109の周辺に、カフェ風の店や無国籍料理、和風ダイニングなど、いい感じの店も結構見かける。めったに行かない町で、あまり食べることがないものを選ぼう、と、この日のランチは思い切って、タイ料理である。
店頭のカラフルな写真入りメニューにひかれて選んだのは、『タイ屋台料理パッタイ』という店。JR町田駅からすぐのところにあり、ビルの薄暗い階段を登って扉を開くと、店内はいきなりオリエンタルなテイスト。壁には水上マーケットやリクシャなどタイの風景画が描かれ、店内には猫の人形など雑貨があふれ、娘はいつもと違ったムードの店に興味津々といった感じだ。店頭にはグリーンカレーペーストやチリペーストといった調味料や雑貨、さらにタイ式ボクシングのムエタイのTシャツも売っている。
ここはタイの家庭料理をベースに、あまりアレンジせず現地の味わいで出しているのが特徴で、店名のとおり本場・タイの屋台で修業した料理人による豊富なメニューが揃っている。辛さは控えめ、好みに合わせてくれる上に野菜やハーブを多様するため、ヘルシー志向なのが人気を呼んでいるという。だから店内はほとんどが女性客で、中には買い物帰りらしい雰囲気の家族連れの姿も。休日の家族での外食にタイ料理、というのも何だか面白いが、考えてみれば自分たちも同じようなものか。
デザートつきの週替わりのランチを期待していたのだが、あいにく休日はやっておらず、写真がたくさん載った品書きを見ながら何にするか検討する。原色の彩が鮮やかな、いかにもエスニックなメニューがズラリと並んでいて、辛い料理は唐辛子マークが付いています、と店の人。子どもと一緒なので辛くないもの、そしてお昼だから麺かご飯もので手軽に済ますことにして、娘にはエビ入りタイ風チャーハンの「カオパットクン」、自分はタイ風焼きビーフンの「パッタイ」を注文した。五月晴れで暑い中を歩いてきたため、アルミのコップに入ったお冷やがありがたい。
「どうぞ、どちらもお子さんと取り分けて食べられますよ」と、料理を運んできた店の人によると、コショウを抜いてくれたとのことでなかなか親切だ。自分の焼きビーフンはニラやモヤシがたっぷり、麺は名古屋のきしめんの厚さと幅をそれぞれ3分の1ぐらいにしたような細い薄い平麺で、さっそく頂くとケチャップのような味付けで甘酸っぱい味がする。やわやわの麺にシャッキリ野菜が対照的な食感で、辛さはないがニラのツンとした香りが何ともエスニック。プリプリの生エビに加え、干しエビも使っているからエビの香ばしさがグッと引き立っている。もちろんまったく辛くないので、娘にすこしおすそ分け。エビをいっぱいもらって、うれしそうである。
食べ進めていると、「味は子どもに合わせているので、刺激が足りなければどうぞ」と、さっきの店の人が今度は薬味をひと揃え運んできてくれた。唐辛子酢とタイ醤油、粉唐辛子の3種で、タイ料理ならではの辛さを演出するにはこれらが不可欠だ。ひと通り使ってみると、それぞれ辛さのタイプが異なるのが面白い。粉唐辛子はマイルドだが後で劇的な辛みがビシッ、タイ醤油はコクのあるしょっぱさ、唐辛子酢は鋭い辛みとしっとりした酸味が広がってくる。これでようやくタイ料理らしくなってきたな、と食べ進めるにつれ、次第に額から汗が流れてきた。
娘が食べているチャーハンは、たっぷりのエビに卵とタマネギと具はシンプルで、ひと口頂くと薄味でしっとり。これなら子供でも好んで食べられる、やさしい味わいだ。大人用の一人前なので食べきれないだろうと思い、少し分けてもらおうとしたら「ひとりで食べる!」と怒られてしまった。トマトやキュウリなどサラダと一緒に、ほとんど食べきったのには驚き。いつもは頼んだものを食べきれないのを見越して、こちらも軽めの焼きビーフンにしておいたのだが、焼きビーフンも結構あげたため、自分が少々満腹に足りないぐらい。よほどこの店流のタイ料理が気に入ったようである。
デザートにはタイ風焼きプリンなどもあり、店で頂いてもいいけれど、娘のご所望はおそらく、アイス。さっき通りで、行列のできている生乳ソフトクリームのショップを見かけたのを思い出し、そちらへ行ってみようか。エスニックでランチの後はスイーツでひと息と、今日も娘とお散歩のメニューは盛りだくさん。結婚前、家内とのデートではこんなにがんばっていたっけかな? (2006年5月3日食記)
そんな訳でゴールデンウィークの中日、娘と二人ぶらり散歩した街は町田。家内の仕事の合間に、小1時間ほど娘を預かるといったシチュエーションである。大学時代に小田急線で通学していたため、町田にはたまに途中下車したことがある。イメージとしては着るものを安く、大量に買える町。金もなければファッションに無頓着だった当時、ジーンズメイトやマルカワといった店で買いだめしていたことを思い出す。トレンドとは無縁の、庶民的で雑然とした町という印象だったが、10数年ぶりに行ってみると東急ハンズや109の周辺に、カフェ風の店や無国籍料理、和風ダイニングなど、いい感じの店も結構見かける。めったに行かない町で、あまり食べることがないものを選ぼう、と、この日のランチは思い切って、タイ料理である。
店頭のカラフルな写真入りメニューにひかれて選んだのは、『タイ屋台料理パッタイ』という店。JR町田駅からすぐのところにあり、ビルの薄暗い階段を登って扉を開くと、店内はいきなりオリエンタルなテイスト。壁には水上マーケットやリクシャなどタイの風景画が描かれ、店内には猫の人形など雑貨があふれ、娘はいつもと違ったムードの店に興味津々といった感じだ。店頭にはグリーンカレーペーストやチリペーストといった調味料や雑貨、さらにタイ式ボクシングのムエタイのTシャツも売っている。
ここはタイの家庭料理をベースに、あまりアレンジせず現地の味わいで出しているのが特徴で、店名のとおり本場・タイの屋台で修業した料理人による豊富なメニューが揃っている。辛さは控えめ、好みに合わせてくれる上に野菜やハーブを多様するため、ヘルシー志向なのが人気を呼んでいるという。だから店内はほとんどが女性客で、中には買い物帰りらしい雰囲気の家族連れの姿も。休日の家族での外食にタイ料理、というのも何だか面白いが、考えてみれば自分たちも同じようなものか。
デザートつきの週替わりのランチを期待していたのだが、あいにく休日はやっておらず、写真がたくさん載った品書きを見ながら何にするか検討する。原色の彩が鮮やかな、いかにもエスニックなメニューがズラリと並んでいて、辛い料理は唐辛子マークが付いています、と店の人。子どもと一緒なので辛くないもの、そしてお昼だから麺かご飯もので手軽に済ますことにして、娘にはエビ入りタイ風チャーハンの「カオパットクン」、自分はタイ風焼きビーフンの「パッタイ」を注文した。五月晴れで暑い中を歩いてきたため、アルミのコップに入ったお冷やがありがたい。
「どうぞ、どちらもお子さんと取り分けて食べられますよ」と、料理を運んできた店の人によると、コショウを抜いてくれたとのことでなかなか親切だ。自分の焼きビーフンはニラやモヤシがたっぷり、麺は名古屋のきしめんの厚さと幅をそれぞれ3分の1ぐらいにしたような細い薄い平麺で、さっそく頂くとケチャップのような味付けで甘酸っぱい味がする。やわやわの麺にシャッキリ野菜が対照的な食感で、辛さはないがニラのツンとした香りが何ともエスニック。プリプリの生エビに加え、干しエビも使っているからエビの香ばしさがグッと引き立っている。もちろんまったく辛くないので、娘にすこしおすそ分け。エビをいっぱいもらって、うれしそうである。
食べ進めていると、「味は子どもに合わせているので、刺激が足りなければどうぞ」と、さっきの店の人が今度は薬味をひと揃え運んできてくれた。唐辛子酢とタイ醤油、粉唐辛子の3種で、タイ料理ならではの辛さを演出するにはこれらが不可欠だ。ひと通り使ってみると、それぞれ辛さのタイプが異なるのが面白い。粉唐辛子はマイルドだが後で劇的な辛みがビシッ、タイ醤油はコクのあるしょっぱさ、唐辛子酢は鋭い辛みとしっとりした酸味が広がってくる。これでようやくタイ料理らしくなってきたな、と食べ進めるにつれ、次第に額から汗が流れてきた。
娘が食べているチャーハンは、たっぷりのエビに卵とタマネギと具はシンプルで、ひと口頂くと薄味でしっとり。これなら子供でも好んで食べられる、やさしい味わいだ。大人用の一人前なので食べきれないだろうと思い、少し分けてもらおうとしたら「ひとりで食べる!」と怒られてしまった。トマトやキュウリなどサラダと一緒に、ほとんど食べきったのには驚き。いつもは頼んだものを食べきれないのを見越して、こちらも軽めの焼きビーフンにしておいたのだが、焼きビーフンも結構あげたため、自分が少々満腹に足りないぐらい。よほどこの店流のタイ料理が気に入ったようである。
デザートにはタイ風焼きプリンなどもあり、店で頂いてもいいけれど、娘のご所望はおそらく、アイス。さっき通りで、行列のできている生乳ソフトクリームのショップを見かけたのを思い出し、そちらへ行ってみようか。エスニックでランチの後はスイーツでひと息と、今日も娘とお散歩のメニューは盛りだくさん。結婚前、家内とのデートではこんなにがんばっていたっけかな? (2006年5月3日食記)