日本各地にある中華街の中でも、随一の規模を誇るのが横浜中華街。週末ともなれば観光客が押し寄せ、歩くのに苦労するほどものすごい人混みとなる。立ち並ぶ料理屋ではどこでも、本場直伝の中華料理が食べられる、と言いたいところだが、料理の手間や食材の費用を削るような儲け主義の店や、中国人独特の気質もあるが応対も接客業にしてはぶっきらぼうなところも。中華街は飲食店街である以上に、横浜で有数の「観光地」。本格的な中華料理への期待ももっともだが、チャイナムードの町をぶらぶら歩いたり、オリエンタルな雑貨屋を覗いたり、を主目的にしたほうが、ある意味無難な気がする。
自分もたまには中華街へ食事に行くことはあるが、店選びは行き当たりばったりの適当。うちから近いし、安めのコースで紹興酒を飲んで、という程度で楽しむことにしている。この日も夜になってから思い立って、家内と中華街へとクルマで食事に行くことにした。元町近くにクルマを停めて、南門シルクロードから関帝廟通り、そして市場通りと歩いて、思いついた店に入るのがお決まりの店探しコースだ。市場通りの上海料理店「四五六菜館」を候補に、その先の中華街大通りまで足を運ぶと、2000円を切る飲茶のコースがある小さな店を見つけた。「激辛メニュー」など、店頭にある一品料理もなかなかよさそう。相談の上、この福建料理の『龍門』を試してみることにしたのだが…。
すでに23時近いのに連休のせいか、まるでテーブルをぎゅうぎゅうに押し込んだような狭い店内にはびっしりとお客が入っている。「ここへ」と通された席はトイレの前の二人席で、そこしか空いていないのでまあ仕方ない。自分がトイレが近い側になって席に着いたら、飲茶コースをふたり分と紹興酒のボトルを頼み、さっそく紹興酒で乾杯。奥では店の人が4人テーブルをひとりで占拠して、調味料の詰め替えをやっている。空いているのならあっちの席へ移りたいのだが、と、お姉さんを呼び止めて頼もうとしたところ、「あれは4人席!」と通りすがりに足もとめず一喝。
飲茶のコースはチャーシューと蒸し鶏の前菜の後、フカヒレスープ、五目焼きそば、蒸籠入りの点心が4品に中華ちまき、デザートには杏仁豆腐といった流れで、値段からするとかなり充実した内容だ。狭いテーブルに、食べ進めるテンポとはまったく無関係にじゃんじゃん運ばれてくるので、こちらもじゃんじゃんとり分けて皿を空にして、と忙しい。飲茶コースだけに点心がなかなかで、シュウマイと蒸し餃子、小龍包を頂いて、合間に紹興酒をグッ。どれも肉汁がたっぷりなのがうれしい。調味料はほとんど隙間のない隣の席と共用で、醤油をとろうとして見つけた黒酢を焼きそばにかけてみる。長崎の皿うどん風で、柔らかな酸味が食欲をそそる。
ほっこり蒸しあがった中華ちまきを平らげた後に、そういえば、と思い出して店頭の激辛メニューを頼もうとしたら、ラストオーダーは0時半だからまだ大丈夫なはずなのに、「もう飲み物以外は受け付けない」とのこと。杏仁豆腐と点心の桃まんで締めくくり、食後のお茶を頼んだところ運ばれてきたのが水だったので、近くのコンビニでジャスミン茶を買うことにして飲まずに店を後にする。
中国には行ったことないけれど、現地の場末の店はこんな感じなのかな、と、ある意味本場風? の接客を思い返してつい苦笑。料理の味と値段はまずまずで、ただ期待の激辛メニューを頼めなかったため、お互いまだ少々食べ足りない。夜遅くなったのをいいことに、昼間なら行列の家系ラーメンの「杉田家」へ行ってみようか。こんな日は地元へ戻って、ハズレのないお気に入りの店で締めくくろう。(2006年5月5日食記)
自分もたまには中華街へ食事に行くことはあるが、店選びは行き当たりばったりの適当。うちから近いし、安めのコースで紹興酒を飲んで、という程度で楽しむことにしている。この日も夜になってから思い立って、家内と中華街へとクルマで食事に行くことにした。元町近くにクルマを停めて、南門シルクロードから関帝廟通り、そして市場通りと歩いて、思いついた店に入るのがお決まりの店探しコースだ。市場通りの上海料理店「四五六菜館」を候補に、その先の中華街大通りまで足を運ぶと、2000円を切る飲茶のコースがある小さな店を見つけた。「激辛メニュー」など、店頭にある一品料理もなかなかよさそう。相談の上、この福建料理の『龍門』を試してみることにしたのだが…。
すでに23時近いのに連休のせいか、まるでテーブルをぎゅうぎゅうに押し込んだような狭い店内にはびっしりとお客が入っている。「ここへ」と通された席はトイレの前の二人席で、そこしか空いていないのでまあ仕方ない。自分がトイレが近い側になって席に着いたら、飲茶コースをふたり分と紹興酒のボトルを頼み、さっそく紹興酒で乾杯。奥では店の人が4人テーブルをひとりで占拠して、調味料の詰め替えをやっている。空いているのならあっちの席へ移りたいのだが、と、お姉さんを呼び止めて頼もうとしたところ、「あれは4人席!」と通りすがりに足もとめず一喝。
飲茶のコースはチャーシューと蒸し鶏の前菜の後、フカヒレスープ、五目焼きそば、蒸籠入りの点心が4品に中華ちまき、デザートには杏仁豆腐といった流れで、値段からするとかなり充実した内容だ。狭いテーブルに、食べ進めるテンポとはまったく無関係にじゃんじゃん運ばれてくるので、こちらもじゃんじゃんとり分けて皿を空にして、と忙しい。飲茶コースだけに点心がなかなかで、シュウマイと蒸し餃子、小龍包を頂いて、合間に紹興酒をグッ。どれも肉汁がたっぷりなのがうれしい。調味料はほとんど隙間のない隣の席と共用で、醤油をとろうとして見つけた黒酢を焼きそばにかけてみる。長崎の皿うどん風で、柔らかな酸味が食欲をそそる。
ほっこり蒸しあがった中華ちまきを平らげた後に、そういえば、と思い出して店頭の激辛メニューを頼もうとしたら、ラストオーダーは0時半だからまだ大丈夫なはずなのに、「もう飲み物以外は受け付けない」とのこと。杏仁豆腐と点心の桃まんで締めくくり、食後のお茶を頼んだところ運ばれてきたのが水だったので、近くのコンビニでジャスミン茶を買うことにして飲まずに店を後にする。
中国には行ったことないけれど、現地の場末の店はこんな感じなのかな、と、ある意味本場風? の接客を思い返してつい苦笑。料理の味と値段はまずまずで、ただ期待の激辛メニューを頼めなかったため、お互いまだ少々食べ足りない。夜遅くなったのをいいことに、昼間なら行列の家系ラーメンの「杉田家」へ行ってみようか。こんな日は地元へ戻って、ハズレのないお気に入りの店で締めくくろう。(2006年5月5日食記)
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