ウマさ特盛り!まぜまぜごはん~おいしい日本 食紀行~

ライター&編集者&散歩の案内人・上村一真(カミムラカズマ)がいざなう、食をテーマに旅をする「食紀行」を綴るブログです。

伏見稲荷てくてくさんぽ4

2021年01月29日 | てくてくさんぽ・取材紀行
その先を突き当たると新池から流れ出る小川沿いの道になり、鳥居のトンネルも先へと続いている。このあたりの鳥居は高い低いが入り混じってデコボコしており、途中に石鳥居も見られるなど、ここまでの整然さから様子がやや変わる。「この先、信仰の山につきトイレなし」との看板がある公衆トイレを過ぎると、いよいよ山中へ入った佇まい。まるで深山の渓流沿いといった趣で、森が深くなり道は登りがきつくなっていく。急登の手前、斜面にお塚が多数並ぶ一角は、どこか霊力が漂う不思議な眺めである。

ひとしきり登ると、正面に広がる新池に沿って開けた一角に出る。池に面した熊鷹社は伏見稲荷大社の末社で、稲荷山の中腹に広がる新池に迫り出た石積みに社殿が設けられている。祀られる熊鷹大神は、名の通りクマタカが神様。神鏡の前には、願掛けのろうそくが多数揺れている。新池は別名「こだまが池」とも呼ばれ、手を打ってこだまが返ってきた方向に行方不明者を探す鍵がある、との言い伝えも。熊鷹社での願掛け後に手を打ち、こだまが近いと早く叶うとも言われている。向かいの竹屋は創業250年以上の茶屋で、願掛けのろうそく販売のほか「五福餅」というあんもちが人気という。

伏見稲荷てくてくさんぽ3

2021年01月29日 | てくてくさんぽ・取材紀行
伏見稲荷大社の本殿は稲荷山の麓に位置し、参拝者の多くが奥院で引き返すが、伏見稲荷の御神体はこの背後の山。神域は稲荷大神様が降臨した、標高233メートルの稲荷山全山で、三つの峰が連なり古くから三ヶ峰とも呼ばれている。ここからの「お山めぐり」が、いわば本格的な参拝だ。山頂まで往復すると4キロ、所要2時間以上はかかるので、いけるところまで歩いてみることにした。

奥院で左へ折れた千本鳥居は、いったん急な下りになり、すぐの左に根上がりの松との案内が出ていた。地上に競り上がった根が特徴の松で、今は枯れたため根だけが東屋の下に置かれている。木肌を撫でてから身体の痛むところを撫でると治る、との言い伝えのほか、名前から株の値上がりにご利益があるとも。周囲には祭壇やお塚、年季の入った狐像もあり、独特のご利益スポットになっている。

このあたりは鳥居のトンネルから枝道が出ており、森の中をうねるように連なる鳥居のトンネルを、外側から見ることもできる。

伏見稲荷てくてくさんぽ2

2021年01月29日 | てくてくさんぽ・取材紀行
本殿の裏手から上りの石段になり、突き当たりの玉山稲荷社を右に折れて、奥宮の右手から千本鳥居が始まる。鳥居の奉納は江戸期からで、願いが叶った(通った)返礼として納める習慣が定着したことによるもの。稲荷山全山で、その数およそ1万を超えるとか。社の歴史からしたら比較的浅い始まりながら、その数は大したものである。

奥宮から入ってすぐのあたりには、太めで背が高いどっしりした鳥居が続く。途中で材が細めで背が低い鳥居になり、奥社に向けて二つのルートに分かれる。右側通行との指示に合わせて歩きながら、トンネルのつくりを細かく観察。袂に瓦を埋めてあったり、途中に行燈が下がっていたりと、神域らしい趣がある。時折、木漏れ日が鳥居の朱を照らし、輝きが神々しい色に。朱色は稲荷大神の御霊の働きである、生命・大地・生産の力を表現した色で、まるで異空間へ誘うような、不思議な雰囲気のトンネルである。

トンネルをいったん抜けたところが命婦谷と呼ばれる場所で、奥院が置かれている。拝所と奥に社殿が構えられ、神域である稲荷山の三ケ峰を遥拝できるため「奥社奉拝所」とも呼ばれる。あたりには小さな拝所が多数配されており、これは「お塚」と呼ばれる、個人が稲荷信仰から各々名前をつけて納めた守護神。その数は1万を超えるとされ、石碑や鳥居などの形や大小、○○大神との名称も様々で、伏見稲荷に所以するまた別の神々と言える。拝所の裏の「おもかる石」というスポットは、石灯籠の上にのる宝珠石を願をかけながら持ち上げ、軽く感じられたら願いが叶うそう。

伏見稲荷てくてくさんぽ1

2021年01月29日 | てくてくさんぽ・取材紀行
伏見稲荷大社は、全国に約3万社ある稲荷神社の総本宮。創建は711(和銅4)年と、平安遷都より古い歴史がある社である。五穀豊穣、商売繁昌、家内安全などのご利益があり、鳥居のトンネルの神秘的なビジュアルもあり、国内海外を問わず参拝者が多数。広大な境内をめぐる、てくてくさんぽに行ってみましょう。

伏見稲荷の最寄りはJRの稲荷駅前で、改札を出たらすぐ正面に一番鳥居が聳えている。隣には稲荷大神の使いである狐が、さっそくおでまし。金の稲穂をくわえており、稲荷大神が農耕と五穀豊穣の神であるのを表している。一礼して鳥居をくぐり、一直線にのびる表参道のやや左寄りを先へと歩く。楼門や本殿が一直線にならぶ、伏見稲荷正面の参拝路である。

二番鳥居をくぐった正面の楼門は、豊臣秀吉が1589(天正17)年に造営したと伝えられる建物。母である大政所殿の病平癒の祈願がされ、願い文が残っている。こちらの狐は左が鍵、右が玉を咥えており、鍵は米倉の鍵で稲荷神の御神徳を得ようとする願望の象徴、玉は稲荷大神が秘める御神徳(霊徳)の象徴。狐の咥え物としては、比較的多いものだという。楼門をくぐると正面に続くのが、二つある拝殿の一つ・外拝殿。檜皮葺入母屋造の建物で、舞踊の奉納の際に用いられるため、舞殿的な役割である。回り込んで背後にある内拝殿は、本殿の前にある一般の参拝所にあたる。一間社流造の社殿を五つ並べた、五間社流造の比較的大きな社殿である。

おむすび弁当@新横浜

2021年01月29日 | 旅で出会った食メモ
直近の「のぞみ」に駆け込む前に、目についたのを適当に買ったこの弁当。おむすび2つに卵焼き、ウィンナー、焼き魚に煮物と漬物という、駅弁のルーツ的なシンプルかつ懐かしい品揃えがいい。その名も「おむすび弁当」、450円のコスパも良く、シウマイ(注・シューマイではない)から乗り換えるか。