ウマさ特盛り!まぜまぜごはん~おいしい日本 食紀行~

ライター&編集者&散歩の案内人・上村一真(カミムラカズマ)がいざなう、食をテーマに旅をする「食紀行」を綴るブログです。

さざなみ酒店での角打ち@彦根

2020年07月06日 | 町で見つけた食メモ
雨の彦根てくてくさんぽで、佐和山通りで「雨宿り」で入ったこちら。近江の地酒をはじめ銘酒の品揃えが豊富で、窓辺には立ち飲みできる角打ちスペースが設けられているではないか。雨はまだまだ激しくなる模様で、これは当分さんぽは無理。仕方なく断腸の思いで、こちらで様子を見るとしましょう(嬉々)。

店の方にお任せしたところ、飲み比べセットから3種を選んでいただいた。東近江市が蔵元の畑酒造「大治郎」純米は、ほのかに甘く飲み終えたときの酸味立ったキレがある。おっつけの膨らみが深く、豊かな味わいの酒だ。同じ東近江市の喜多酒造は、次期9代目が女性の蔵元。「喜楽長」純米吟醸はシャープで後口が潔い、大人の味わいである。湖南市竹内酒造の「明尽」純米大吟醸はバランスがいい酒で、酸味が軽く飲み進めやすい。いずれも、アテで頼んだうろり(ゴリ)や小鮎の佃煮との相性が抜群で、甘さと出会ってからの伸び代がすごい。

仕事上がりの地元の方と、彦根城を散策した観光客が、ここで飲みながら交流してほしい、と、窓際に角打ちスペースを設けた理由を語る、店の安斎さん。テーブルには蔵で使われていた絞り道具「舟」の古材を使い、壁には酒米の稲が配されるなど、酒屋の一角というよりは日本酒バルのような落ち着きがある。店舗の品揃えも、地元滋賀の酒を中心に幅広いので、宿での一献用もこちらで手に入るのも嬉しい。

相変わらず降り頻る雨を眺めながら、3種をぼんやりと行ったり来たり。まだ見てない国宝の城を酔った頭に浮かべつつ、城下町を瞑想散歩する、彦根路の一献である。

彦根てくてくさんぽ4

2020年07月06日 | てくてくさんぽ・取材紀行
雨の彦根てくてくさんぽ、雨が上がったので夢京橋キャッスルロードの先、昭和レトロの銀座通り商店街を経て、花しょうぶ通りまで歩いてみた。久左の辻から滋賀中央信金の赤屋根の洋館を見て、車のすれ違いができないほどの幅の通りに入ると、さらなるタイムスリップしたかの佇まいに。通り全体が伝建地区に指定されており、古商家の建物のほか鍵辻や行き止まりといった城下町の街路も残った、昔の町割りが色濃い商店街なのだ。

入ってすぐにある、裸電球が灯る魚屋が健在で、ハモのつけ焼きや琵琶湖しじみなどローカルな品揃え。もと昭和9年改装の郵便局を活用したコミュニティスペース「逓信舎」はあいにくお休みだが、帳場のある商家に石田三成ゆかりの資料や書籍を集めた「治部少丸」は空いており、脇立が二本のびる兜や合戦屏風を眺めてひと休み。途中の幼稚園がちょうど送迎の時間で、保育士さんが園児を送り出す風景が、城下の建物街の中でとても生活感がある。

赤い山門の妙源寺で折り返して、散策は終了とした。雨ながら、それなりの撮れ高だったかな。

彦根てくてくさんぽ3

2020年07月06日 | てくてくさんぽ・取材紀行
雨の彦根てくてくさんぽ、彦根城内を過ぎて京橋を渡ると、城下の街並みを復元した商店街「夢京橋キャッスルロード」へと出る。足を向けたが店はほぼ休みで閑散としている中、湖魚の佃煮「かねやす」へお邪魔。彦根に来るたびに寄っており、いつものおばちゃんも元気そうで「全部、うちで今朝炊いたんよ」とのセールストークもいつも通りだ。

今が旬との小アユを買い、ふと店の壁に目をやると、懐かしい誌面が貼ってある。2年ほど前、ここに「不思議発見」のあの方と旅媒体のロケでお邪魔したときの記事で、おばちゃんは当時のことをちゃんと覚えていてくれた。後日、直筆の手紙をもらったことを大変喜ばれており、事務所の方に伝えておくと話すと嬉しそうだ。

懐かしい話に盛り上がったので、かの方宛に佃煮の詰め合わせを送ることに。おばちゃんはこの商店街限定の、ひこにゃんプリントのマスクを同封、自分もひとつ頂戴してしまった。談笑しながらのしばし雨宿り、懐かしく楽しいひとときだ。

雨が上がったので、もう少し歩いてみましょう。

彦根てくてくさんぽ2

2020年07月06日 | てくてくさんぽ・取材紀行
雨の彦根てくてくさんぽ、大師寺の先を右折して、佐和町の市街の路地を彦根城の内堀方面へ。このあたりは城下町らしく、格子やうだつのある古民家が集中しており、昔ながらの生活感が漂っている。交差点の手前には滋賀名物「飛び出し坊や」の看板も。大通りの駅前通りに比べ、城郭へのアプローチとしては雰囲気があるような。

彦根キャッスルリゾート&スパから内堀沿いの道に出たら、名の通り堀端に48本並ぶ「いろは松」、掘越しに控える佐和口多聞櫓を経て、クランクで城内へと入る。この道は普通に車道になっており、車に気をつけながらの城郭さんぽとなる。表門橋を渡ると有料ゾーンで国宝の天守へと続くが、雨なのでスルーに。旧西郷屋敷の巨大な長屋門前から、天守の先端がチラッと見えた。

京橋川を渡ると、雨が小止みになってきた。商店街をもう少し、歩いてみましょう。

彦根てくてくさんぽ1

2020年07月06日 | てくてくさんぽ・取材紀行
このたびの彦根、覚悟はしていたが今日明日ともに雨模様で、がっちりさんぽするのは難しそうだ。傘をさして無理のない範囲を、てくてくさんぽしてみましょう。

駅から城へ向けてまっすぐのびる「駅前お城通り」を、最初の交差点で左へ。石田三成の城郭を愛称にした「佐和山通り」へと入る。ちょっとレトロな商店街といった趣きで、電気店や美容室などの古い店舗が点在。建物も昭和の商店と古民家が混じり、時代を重ねた眺めが続いている。

路地を入った突き当たりの「大師寺」は、「彦根に来たら一番に参る小さな寺」との看板通り、駅そばにある小寺。駅前の弘法さんともあるように滋賀では珍しい真言宗の寺で、本尊の弘法大師ほか裏手に像が勢ぞろいした「一ヶ所七福神」、札所名を記した石板をたどれば四国八十八か所が結願できる「お砂踏み」など、小さいながらご利益盛りだくさんである。手水鉢にもミニ七福神がそろっており、何だか妖精のようでもある。

そのまま路地をたどり、彦根城まで行けるだけ行ってみましょう。