ウマさ特盛り!まぜまぜごはん~おいしい日本 食紀行~

ライター&編集者&散歩の案内人・上村一真(カミムラカズマ)がいざなう、食をテーマに旅をする「食紀行」を綴るブログです。

本場琵琶湖の鮒寿司

2016年03月06日 | 旅で出会った食メモ
先日の生マッコリ家の会で、滋賀県の方がお持ちくださった、琵琶湖の「鮒寿司」。にごろぶなを飯に漬け込んだもので、現在の生寿司(握り寿司)が成立するはるか昔の平安期から、保存食として用いられていた。発酵食なので酸味が強く、「なれ」による独特の風味、はっきり言えば臭みが、たまらない人にはたまらない珍味である。

時期や漬け方や漬けた元により味が様々で、かつて味わったのはかなり攻撃的なスタンスのだった。やや臆しつつ箸を伸ばすと、エッジがそがれてかなりマイルド。ウォッシュタイプのチーズに例えられるが、むしろ豆腐餻とか酒盗とかくさやとかの、和テイストの「臭もの」に近い。

生マッコリ家ながら、これに限り岡山の地酒をリリーフに。卵のあるなしで値段が違うというだけに、舌にツブツブサラリの小粒な淡水魚卵がまた、珍味なこと。愛好者は漬けたご飯もたまらないそうで、一尾見事に一同の素敵な肴となった。これぞ、日本人に生まれてよかった、な瞬間である。