ウマさ特盛り!まぜまぜごはん~おいしい日本 食紀行~

ライター&編集者&散歩の案内人・上村一真(カミムラカズマ)がいざなう、食をテーマに旅をする「食紀行」を綴るブログです。

酒処大甚@呉

2015年02月18日 | 旅で出会った食メモ
呉の戦争関連の見どころを巡ったのち、夜は「酒処大甚」にて喉を潤すことに。地酒の品揃えが豊富で、地酒「千福」の希少な「王者」は、軽めの銘柄にしてはどっしり重みある口当たり。仁方・相原酒造の「雨後の月」は対照的に、甘いフルーツ香が強い果実酒っぽい風味。同じ仁方の「宝剣」は、キリッと舌にくる水の如しの切れ味。同じ瀬戸の沿岸の酒で、味わいの幅が広い。

肴は呉のローカルなアテである、ヤオギモ(牛の肺)の串がレバーのようなコク。瀬戸内の幸ではヨリエビの唐揚げが、身が丸々と香ばしい。チーズ豆腐、ウニのせ出し巻き卵など、地元の人に人気の創作つまみも美味しく、お手製のキンピラでさらにもう一献。

いやいや昼夜とも、見どころにうまいものとも、お世話になりました。

呉てくてくさんぽ8

2015年02月18日 | てくてくさんぽ・取材紀行
呉めぐりの最後に寄ったのは、高台にある海軍墓地。斜面一面に立つ慰霊碑は艦船ごとのもので、中央に立つ大和のをはじめ船名が刻まれた碑が、呉港を見下ろしている。様々な思いで戦い終えた兵士たちの休息の地と、深く思い入る眺めである。

人気の大和ミュージアムのほかに、このほかにまだ広く知られざる戦争関連の見どころが、たくさんある呉。周年を機に、海軍の街・軍需の街だったいう目線で、歩いてみるのもオススメだ。

呉てくてくさんぽ7

2015年02月18日 | てくてくさんぽ・取材紀行
潜水艦バースのある呉・アレイからすこじまは、昼間の遊覧船側から見るのと陸側からとは、目に入るものが違う。歴史ある石組みの護岸は明治3年築で、映画「男たちのYAMATO」出航シーンの涙の別れの舞台のロケが行われた。旧海軍工廠電気部の赤煉瓦の倉庫、そこから荷を運んだトロッコのレール跡、魚雷を積み込んだ当時のクレーンのオブジェなど、周辺設備も往時を偲ばせる。

潜水艦と艦艇を黄金に照らし、夕日が沈みゆく。

呉てくてくさんぽ6

2015年02月18日 | てくてくさんぽ・取材紀行
市街のスイーツ巡りをしてから、自衛隊の教育隊やもと海軍工廠のあった、軍関連の中枢エリアを訪れた。道中は海自呉教育隊、ドームは再建されたが昔の呉鎮守府時代の赤レンガの建物そのままな呉地方総監部など、基地の街らしい建物を眺めて進む。

歴史の見える丘は、正面に戦艦大和を建造したドックを見下ろす高台にある。上屋は当時のままで、パーツごとにバラバラで作られた大和を。ここで組み上げた。この造船法は大和建造で生み出されたもので、奥寄りには旧海軍工廠の敷地が広がり、現淀川製鋼では鋼材、パブコック日立は砲塔を製作していたという。現在もドックは稼働していて、そうした作られ方をしているパーツも見られる。

園地には旧ドックの礎石を使った、赤茶色の造船船渠記念碑。艦橋を模した戦艦大和塔ほか、旧海軍工廠の礎石を集めた記念塔も設けられている。名の通り、軍需工場隆盛の面影が見下ろせる丘である。

呉てくてくさんぽ5

2015年02月18日 | てくてくさんぽ・取材紀行
呉市街のやや北側に、「千福」の醸造所がある。敷地はかなり広く、そのためか戦時中には何かの工場とおもわれたらしく空襲で被害を受けたという。その歴史を物語る明治蔵の煙突が、現在も残っている。

敷地内のショップでは様々な銘柄の試飲ができ、この日は瑞々しく後味にほのかな酸味のある「純米大吟醸しぼりたて」、酸味がインパクトある「蔵」、分厚く酒飲み好みの原酒「純米ごくり」、6段仕込みですっきり甘い女性好みの「千のしずく」を全部飲み。さらに売上ナンバーワンの、純米酒に大長レモンを加えたレモン酒と、吟醸ベースで仕込んだ梅酒は、日本酒と果実がしっくり馴染み飲みやすい。酔い覚ましに酒粕ソフトをいただいたら、アルコールはないのに酒米のまろい風味につい、酔いそうに。

千福は海軍御用達の酒で、艦船に積んだら赤道を越えても味が変わらなかったとの逸話がある。戦争関連の見どころ巡りの、一息にピッタリな酒である。