ウマさ特盛り!まぜまぜごはん~おいしい日本 食紀行~

ライター&編集者&散歩の案内人・上村一真(カミムラカズマ)がいざなう、食をテーマに旅をする「食紀行」を綴るブログです。

旅で出会ったローカルごはん…呉のローカルスイーツいろいろ

2015年02月18日 | ◆旅で出会ったローカルごはん
呉市街を巡っていると、スイーツの店が多いことに気づく。海軍鎮守府があったことで、当時貴重だった砂糖が優先的に回されたことが、その一因ともされている。にしても、その形や甘さは種々様々。甘党でなくとも、散歩途中につい、手が出てしまう。

武智丸からの帰りに寄った、仁方にある「壺や」の人気はカフェオレ大福。半分凍ったカフェオレあんと生クリームあんが、口の中でとろけ合うと、まさにカフェオレのホロ苦味とミルク甘さ。完売必至のいちご大福も人気で、地元の百貨店で地元の物産展が開催された際、即なくなるほど地元の評価が高いとか。広駅近くの「合歓」のバターケーキも地元の人気が高く、贈答品には鉄板の品外はカリッ、中はふんわりしっとりで、バター香が充満する店内に足を運ぶと、もう買わずにはいられない。

市街へ戻り、ずっしり重い「メロンパン」のメロンパンは、もはや呉名物といえる。あずき入りのあんぱんはさらにズシっとした手応えで、作りがしっかりした街のパン屋ならではの質感がいい。ちなみに呉では、一般で言う網目のメロンパンのことは、コッペパンと呼ぶのだとか。

洋菓子の老舗「エーデルワイス」は、クリームパイが自慢。生クリームのふわりと丸い甘さ、ややしっかりした食感のカスタードの控えめな甘さが相乗、土台の生地がクリスピーでやや塩っ気あり、舌が甘みに押し切られずくせになる。

ほか、こしあんの優しい甘さにカリッと油の香ばしさがら後を引く、「福住」のフライケーキ。大判焼きを一回り大きくした、クリーム餡がさっぱりゆるめの「びっくり饅頭」など、きりのないラインナップ。小ぶりだったり甘さが穏やかだったりで、割と食べ歩けるのがありがたく、危険でもある?

呉てくてくさんぽ4

2015年02月18日 | てくてくさんぽ・取材紀行
呉の戦争史跡訪問、大空山の保塁の後は海沿いを安浦方面へ。安浦漁港の防波堤は、もとはなんと海軍の船。戦時中に建造された貨物船「武智丸」を、そのまま防波堤としているのだ。

武智丸は鉄筋コンクリートで作られた船で、第一と第二の二隻を船首を付けあわすように並べて防波堤としている。パッと見は船のオブジェのようだが、上に上がると船幅は広く、中程に積載スペースのような空間もある。

コンクリートの荷重では、どれだけの浮力と積載能力があったのか定かではないが、戦争で沈むことなくのどかな漁港で余生を過ごす様は、船としては幸運だったのかもと思うところがある眺めか。

呉てくてくさんぽ3

2015年02月18日 | てくてくさんぽ・取材紀行
大和ミュージアムやてつのくじら館が、呉の戦争にまつわる見どころとして知られるが、鎮守府や海軍工廠もあった土地柄、かつて使われた様軍施設や防衛施設もある。このたびはそんな、あまり知られぬ戦争史跡を訪ねるのも目的で、午後は大空山にある保塁を訪れてみた。

呉市街から広方面へ、細い山中の車道を登ったところにあり、駐車場から階段を登ると土塁に守られた円形の2門ずつの高射砲台座基礎が、中央の地下兵舎を挟んで2つ、計4門並んでいる。28センチ砲の砲座とあり、周囲には弾薬配置用の溝も多数並び、かなりの規模なのがわかる。直下には珍しい、かまぼこ型の弾薬庫も残る。

地元の人によると、これは四国方面からの対空防御のために設置され、土木遺産に指定されている江田島・三高山の砲台跡に匹敵する規模という。すぐ後方に日露戦争時に設けられた、簡素な砲台跡があるが、航空攻撃が主力になるとこれではまかなえず、二次大戦用に造り直されたらしい。砲は南側の広の湾口を向いて設置する形で、この山の高さからしても格好の防衛拠点だったのだろう。

市街を見下ろす展望台もあるこの山頂、砲台跡周辺も含めサクラが多数植えられている。かつての防空の要衝が市民の憩いの場に形を変え、静かに湾を見下ろしている。

旅で出会ったローカルごはん…呉 『日招きの里』の、海軍鉄板カレー

2015年02月18日 | ◆旅で出会ったローカルごはん

海軍の街・呉にて、港を巡る艦船クルーズ後の昼食は、大和ミュージアム駐車場内にある「日招きの里」で、話題の海軍鉄板カレーをいただいた。名の通り海自で供するスタイルにこだわった逸品で、「鉄板」こと艦内で供する際の、ワンプレートに盛って出されるため、艦船のまかない感があって盛り上がる。旭日旗が立つご飯とルーをからめていただくと、口当たりは甘いが後からかなりスパイシー。現海自でもついてる牛乳が独特で、どこか給食も思わせる懐かしさがある。

付け合わせも海軍グルメの盛り合わせで、ソフトかつジューシーな戦艦霧島の鯨カツに、今や海軍グルメの定番となった肉じゃが。肉じゃがは東郷元帥がイギリスから戻った際、現地で味わったビーフシチューを再現せよと指示された料理人が、困った上で出したのが所以という。ホクホクねっとりの芋を割り、甘めのしょうゆ味のツユに浸して食べれば、確かにシチュー風に思えなくもない…とは言えないか?

呉には多彩な「海軍グルメ」が定着しているが、どのメニューも様々な艦船で出しており、肉じゃがも鯨カツもカレーもそれぞれで味が異なるという。海軍鎮守府があったことから近隣の山海の優れた食材が集まり、戦中の唯一の安息である食事のために腕利きのシェフが艦の料理人とされたから、こうした食文化が発展したようである。

ちなみにこの春からは、海自の各艦船それぞれのカレーを、一対一対応で市街のお店で食べられる。先ほどのクルーズで見た、人気の護衛艦いせのカレーも味わえるかもしれず、この店では潜水艦そうりゅうのレシピを再現する予定。一定件数食べ歩くとグッズももらえるそうで、艦船めしのコンプを目指すのも呉の旅の楽しみになりそうだ。


呉てくてくさんぽ2

2015年02月18日 | てくてくさんぽ・取材紀行
大和ミュージアムを見た後は、呉艦船クルーズに乗船。名の通り呉港からアレイカラスこじまの潜水艦バースを見て、護衛艦など自衛艦に接近して、呉港に戻る30分ほどのクルーズである。この日は潜水艦バースから双胴の音響測定艦、輸送艦、最新鋭の護衛艦、掃海艇などを見て帰港。艦船にかなり近くまで寄るのは迫力があり、もと自衛官による艦船の説明も詳細なスペックが分かり参考になる。

呉の自衛隊基地の特徴は、潜水艦隊があること。潜水艦バースでは主力形式のおやしおが、潜望鏡をあげて整備中。隣接してステルス性能の高いタイプのも停泊していて、外壁の違いが見て分かる。ほかてつのくじら館でもおなじみのはるしおは、シュノーケルの点検中。

艦船では対潜哨戒の音響測定艦、海空それぞれからの防御が完備した護衛艦しまゆき、ヘリや輸送用の水陸両用挺を運用できる輸送艦くにさき、そして最新鋭の護衛艦いせは、艦船ファンの中でも一番人気だ。海自最大の護衛艦で、ヘリを10機搭載できるスペックの広々した甲板は、見た目空母をイメージさせる。

これぞ国防の最前線なのもすごいが、それを間近に見せてくれる呉の海自の懐深さも、またすごい。よそにない硬派? な湾内遊覧、呉に来たなら必乗だ。