暇人詩日記

日記のかわりに詩を書いていきます。

不合理な合理性

2022-10-02 | つめたい
ここにごみがある
人間が社会的生活を営むにあたり
必然的に発生するごみだ
生物とは廃棄物を生産する
廃棄物とは本来還元可能な物質だ
しかるにこのごみも何らかの手段により
還元、分解が理論上可能でもある
しかしながら還元するための労力は有限であり
分解者の有する分解能力を
人間の社会生活は上回ってしまっている
わたしはこれをごみと呼ぶ
たとえ自然の分解者が還元可能な
有機化合物で生成されていようとも

人間が社会的生活を営むにあたり
必然的に発生したごみくずだ
生物として累代的に活動した結果
遺伝的に、あるいは環境的に
あるいはその双方の要因により発生したごみだ
人はこれを捨てられぬと保管した
その結果ごみくずは蔓延した
どうしたら捨てられると思う?
整然と並べられたごみくずなら
廃棄してもらえるのか
路地裏に不法投棄したなら
誰かが有効活用するかもしれない
しかしわたしはこのごみを
確実に処分してしまいたい
たとえ土が腐り落ちても
いずれ分解は完了される

今そうするべきだと思わないか?
このごみくずは大量に溢れている
恐らくきみたちがそれと認識しない間に
ここは廃棄物に埋め尽くされている
種の総称であるヒトを前に
人格、感情、倫理は無益と言うよりない
必要ならば整然と並べてみせよう
良心の呵責に苛まれるのなら
あらかじめ動かぬようにしておこう
並べたごみくずが溢れても
これは未来への投資となる
だから捨ててはくれないだろうか
列の末端にわたしは横たわっておくから

コメントを投稿