暇人詩日記

日記のかわりに詩を書いていきます。

不必要に生きた

2010-09-26 | -2010
脳が腐る夢を見た
いちばんはじめは痒みをおぼえ
体のはじから痺れがでてきて
歩くたびに頭蓋の中がちゃぷちゃぷ言った

脳が腐る夢を見た
実はいまだに覚めていない
腐りきってかわいた脳が
へばりついて気持ちが悪い

脳が腐ってわかったことは
わたしは脳では生きていないということだった
意識はずいぶんおぼろげでも
心臓は動いている、うごいている

どくんどくんと からだの音を聞いてみた
すべてが覆されたようで
それでも生きることは普遍的
頭がずいぶん軽くなったと思うだけ

脳が腐り落ちる夢を見た
現実はたぶん夢の向こうに落ち込んだ
判断するための臓器がないなら
これが夢でも現実でも

わたしはそれでも生きている
この世から遊離したまどろみの中で
わたしはそれでも生きている
いっそ空間から遊離したいと考えながら

わたしはそれでも生きている
けれどもたったそれだけになった
どうして夢かもわからないのに、
それでもわたしは、生きている

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