暇人詩日記

日記のかわりに詩を書いていきます。

ミニシアターの残骸

2007-12-02 | -2007:わりとマシなもの
深夜二時 レンタルビデオ店
ここの空気が僕は好きだ
よく知る人が
サスペンス欄で何か考え込んでいる
気だるい瞼には
なぜか冷えたここの空調がよく合っている

数本のDVDを借りた
特に観たかったわけじゃない
帰り道のコンビニでコーラとポップコーンを買う
店員もやはり見知った顔だ

本当なら
コーラは赤い紙カップに注いで
同じような安っぽいカップに
バター臭いポップコーンを山盛りにしたいところだけれど

店のレシートをチケット代わりに
帰り道は子供に返る
この道は好きだ
アパートの前で夢から覚める

泥のようにまとわりついて
離れないものがある
それは僕自身の問題で
コーラが腿に当たって冷たい

エンドを求めることよりも
これってただの習慣なんだ

帰ればもううんざりしていて
頭が鈍く痛んできている
だけどレシートを見れば
返却期限は明日まで
封を切る もう幾人もに
観られて傷ついたディスク
この映画はどんな作品だったか
そんなことはどうだっていい

時計が回る、ぐる、ぐると
僕は頭を抱えたままに
暗いテレビを眺めている

スタートが欲しいわけじゃない
フィクションのエンドなんて
事実はふわふわしているのに

何だって どうして
幸せに終わる必要があるんだ
ハリウッドのハッピーエンド主義にはうんざりさせられる
エンターテイメントは死んで
僕はここで腐っている

テレビがいかれた
くそ、五回目だ

生温い終幕に辟易しながら
それでも次のディスクを入れる
日本映画 アニメーション
特色のある流された文化

それはたまたまいい映画で
胎児の自分を絞め殺し終わる
胸が悪くなるような終わり方に
なぜか涙を流していた

潰される、
終わらないまま、
ここで腐るそして僕

ハリウッドのハッピーエンド主義にはうんざりさせられる
コーラはいつも飲みきれず
生温くなって流しに捨てた

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