暇人詩日記

日記のかわりに詩を書いていきます。

世間話

2018-05-23 | つめたい
流れを止めた水を飲み
美味そうに舌鼓を打つ
ぺちゃりくちゃりと喋る口
停滞するのは水だけか

軽く嘯くその舌は
人の死などは構わないと言う
それは確かに道理でもある
死にゆく魚も見捨てるのだから

あるのは己の快不快
随分おおきな新生児だろう
皺にまみれたその肌と
よだれの散る口もさながらだ

さぞやさぞや不快だろう
濁った水は安寧の宿
すべての水を入れ替えたなら
魚はたやすく死ぬのだから

さぞやさぞや快かろう
追従の笑みと賛同こそは
深く刻まれつつある皺が
ぴくりひくりと震えている

ただ満たされたいだけだろう
淀んだ水には淀んだ水を
そこがあなたの棲む世界なら
そこでしか息を継げぬと言うのなら

どうぞそこで死に絶えるがいい
わたしの水が毒と言うのなら
入れるつもりなどないと返そう
あなたはあなたの世界の中で

ひっそりと生きて死ねば良いのだ
わたしをどうぞ迎え入れるな
毒はどちらも同じこと
顔を歪めたのはあなたではない

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