ブログ うつと酒と小説な日々

躁うつ病に悩み、酒を飲みながらも、小説を読み、書く、おじさんの日記

稲毛散歩

2014年10月19日 | 散歩・旅行

 今日は素晴らしい陽気で、体調も戻ったので、私が住まいする千葉市の稲毛周辺を散策しました。

 稲毛はかつて海水浴場があり、戦前、東京に住む人々が多く別荘を構えた地です。
 今では交通が便利になり、都内に通う人が多く住むベッド・タウンの様相を呈していますが。

 まずは稲毛浅間神社へ。
 ここは1,200年ほど前、富士の浅間神社の分社として創建されたと伝えられます。
 今では埋め立てにより海岸からだいぶ奥になってしまいましたが、戦前までは海辺の丘に建つ神社だったそうで、古い写真を見るとたいそう風情があります。


 
 早くも七五三のお祝いに多くの親子連れが訪れていました。

 近くのファミリー・レストランで昼食を取り、満州国皇帝の弟、溥傑が新婚時代を過ごしたという日本家屋を見学しました。

 昭和12年に結婚したそうですが、満州国皇帝の弟にしては質素な家です。
 もちろん、私が住むマンションよりはよほど広いですが。



 しかしなんだって稲毛みたいな当時の別荘地に住んだのでしょうね。
 仕事に不都合はなかったのでしょうか?

 
 


 
 こんな感じです。

 時代に翻弄された夫妻の運命を思い、しばし黙り込みました。

 そこからすぐ近くに電気ブランで有名な、洋酒で材をなした神谷バーの創始者、神谷伝兵衛の豪勢な、洋館と言えばレンガ作りが主流だった時代にあえて鉄筋コンクリートで造った別荘へ。


 
 関東大震災の際、レンガの洋館が多く被害を受けるなか、こちらはびくともせず、建築業界は鉄筋コンクリートの頑丈さに瞠目したと伝えられます。

 基本、平べったい千葉市には珍しく、高台になっており、少々歩き疲れました。

 明日は職場で電気設備の点検があり、ネットワークが使えないとのことで、今時インターネットもメールも職場内ネットワークにも繋がらないのでは仕事にならんと思い、休暇を取りました。

 日曜日の夕方ですが、憂鬱ではありません。

 その分明日の夜が心配ですけれど。

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恥ずかしながら

2014年10月19日 | 精神障害

 恥ずかしながら昨日は熱とくしゃみで寝込んでしまいました。
 急激な気温の低下が原因かと思われます。
 市販の風邪薬だけで、なんとか今朝は回復したようです。
 土曜日で良かったというべきか、折角のお出かけ日和に損をしたというべきか。

 それでも、16時半から精神科の予約をしていたので、診察には出かけました。
 このところまぁまぁ調子が良いので、薬は変わらず。
 私が通っている精神科は完全予約制なので、とくに相談すべきことがなくても、15分くらいは雑談してくれます。
 精神科でも3分診療が横行しているなか、良心的な医師だと思います。

 雑談とはいっても、医師はおそらく、私の表情や口ぶりなどを入念にチェックして、異変の芽がないかを探っているのだろうと思います。

 精神科は相性が大切なので、良かったと思います。

 以前通っていた医者は、患者の言いなりのようなところがあって、病気休暇のための診断書を書いてくれといえば、「何ヶ月にしますか」なんて聞いてきて、半年でも1年でも出してくれます。
 薬も患者が望むままに出していました。

 それが頼りなくて、今の医者に代えたのですが、こちらはどんなに長くても2ヶ月までしか診断書は出しません。
 そんなに先のことは分からないから、だそうです。
 で、2ヶ月経って、まだダメだと思ったらさらに2ヶ月、という具合です。

 薬もじっくり話し合い、患者の希望を聞きつつプロとしての意見を述べ、お互い納得した薬を出すという具合。

 もう8年くらい通っています。
 末永いお付き合いをお願いしたいと思っています。

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喜劇

2014年10月17日 | お笑い

 喜劇あるいはお笑いというのは、人類が作り出した最も偉大な精神を体現しているといえるでしょう。

 風刺や皮肉で遠まわしに権力者を揶揄したり、自己卑下でもって人間の愚かさをあぶりだしたり。

 だからこそ喜劇やお笑いは、洋の東西を問わず、弾圧の対象となってきました。

 それを端的に示した名作が、うす暗く不気味な中世の田舎に建てられたキリスト教寺院での連続殺人を題材にした「薔薇の名前」でしょうね。

薔薇の名前 特別版 [DVD]
ショーン・コネリー,クリスチャン・スレーター,F・マーレイ・エイブラハム
ワーナー・ホーム・ビデオ
薔薇の名前〈上〉
河島 英昭
東京創元社
薔薇の名前〈下〉
河島 英昭
東京創元社

 わが国でも、戦前、洗練された都会的で乾いた笑いで人気を博したあきれたぼういずのレコードが発売禁止になったりしました。

あきれたぼういず / ぼういず伝説
あきれたぼういず,川田義雄,第二次あきれたぼういず,三宅幹夫,岡本郁次郎,上山雅輔,平茂夫,岡村雅雄
ビクターエンタテインメント
あきれたぼういずアンソロジー
テイチクエンタテインメント
テイチクエンタテインメント

 古来、わが国では能楽といえばシリアスな能と滑稽な狂言をセットで上演し、喜劇と悲劇は物事の表裏をなすものと捉えらており、わが民族の精神性の高さを表すものと思います。

 泣かせるのは存外簡単で、笑わせるのは困難で、笑いは極めて知的な営為と言えましょう。

 様々な喜劇が製作され、時代時代によって人気コメディアンが存在しました。
 私は今、最も面白い喜劇人はウッッチャンだと思っています。
 ゴールデンに進出する前の、深夜枠で放送されていた「笑う犬の冒険」はその最右翼でしょうねぇ。

笑う犬の冒険 スーパーベストVol.1 さよなら小須田部長 [DVD]
内村光良,南原清隆,名倉潤,原田泰造,堀内健
フジテレビジョン

 夜はユーチューブで先代柳家小さん師匠や当代の小三治師匠、亡き古今亭志ん生師匠の高座を楽しむことを常としています。

 よく人間しか笑うことはない、と言われるように、笑いこそ、人間の人間たる所以のものだと言えましょう。

 笑う門には福来るとか、お笑い療法でがんを撲滅するとか、笑うことが健康や開運につながることも広く知られています。

 日本語には苦笑・哄笑・失笑・大笑・談笑・嘲笑・爆笑・微笑・冷笑 ・艶笑など、様々な笑いを表す言葉があります。
 一般に小説家が造語を行うことはご法度とされていますが、久米正雄が生み出した微苦笑などは、珍しい成功例でしょうね。

 これだけ笑いを表す言葉が豊富だということは、とりもなおさず、わが民族が笑いの重要性を自覚していたことを示す好例だと思います。

 来週の月曜日は休暇を取ったので、明日から三連休。
 大いに笑って過ごしたいものです。

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擬態

2014年10月16日 | その他

 日々精進するも、我、未だ一人前たらず。
 無駄に馬齢を重ねるのみ。

 しかれども後輩諸氏より見たれば、我、大傲慢の怖ろしき先輩なり。

 我、外見を取り繕いてのやせ我慢により、かくの如き評価を得たり。
 これ、我の望むところにあらねど、世の習い、年長者たるの自覚により、猿芝居を続けるのみ。

 今、若かりし日に仰ぎ見た尊敬すべき先輩諸氏を想い浮かべ、初めて諸氏の心情を慮りたり。
 
 先輩諸氏、正義を演じ、能率を説き、酒をおごり、人生を説く。
 若かりし我、これを素直に受け止め、尊敬したるが、それは芝居であったかと、驚愕せざるはなし。

 時は移り、酒をおごるが如きは個人的生活への侵害なりとて、その機会はわずかなれど、職場においては立派なる社会人を演じるが、今、我に求められたる役割なりと得心せり。

 誠に面映ゆきことなれど、世の要請とあらば、甘んじて役割を引き受けむ。

 果たして長じることによる成長とは何ぞや。

 経験は重ねたり。
 知識は増えたり。
 勘は働きたり。

 そは職務遂行上、重要なること疑いなし。
 されど我、根本的の疑問を生ぜしめ、おのれを苦しめたり。

 経験、知識、勘、我の人間的成長に関わりなし。
 そは自動車の運転技能、向上するが如き小事なり。

 我、未だ少年時代の混迷せる魂そのままに生きる心地して、ただそを外見上誤魔化す技を得たのみにあらずや。

 さらば我、成長を求める能わず。
 ただ未熟なる魂、そのままに世に擬態して生きるべからず。
 他に生を全うする道なし。

 あぁ、中年に至りてなお、心の安心を得られぬとは、我の魂そも腐りたりしか。

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お迎え

2014年10月15日 | その他

 多くの中年諸氏、わけても女性は、外見の老いを怖れますね。
 気持ちは分からないでもないですが、無益なことです。
 外見が老いないようにしたかったら、なるべく早く自ら命を絶つことをお勧めします。

 外見の若さを保つ方法を売りつけようとする宣伝番組を見たすぐ後に、肉体の健康を維持するサプリメントの番組を見ているとなると、これはもはや滑稽としか言いようがありません。

 長生きすれば必ず外見は衰えます。
 肉体的に健康でも、皺や白髪を完全に防ぐことなどできようはずもありません。

 それはおぎゃあと生まれた赤ん坊が、日に日に成長するのと同じこと。
 衰えるということは、きちんと成長し、さらには長生きできたということで、むしろこれを寿ぐべきでしょう。
 長生きした老人の皺が味わい深く、時に美しいものであることを知るべきでしょう。

 そもそも、この先どれだけ長生きできるか分かりません。

 今が一番若いとは言い古された言葉ですが、全くそのとおりでしょう。

 昨日はすでに過ぎ去って取り戻しようがなく、明日は今日より一日分老けるのですから、常に、只今現在が一番若いのは道理です。

 私は近頃老眼が出てきて、新聞などを近くで読む際には近眼鏡を外さなければ駄目になりました。
  眼鏡をしたまま読もうとすれば、顔から新聞を遠ざけるよりほかありません。
  これに気付いたのは数か月前のことで、なるほど、老眼とはこういうものかと、恐怖よりも得心がいったことを覚えています。

 禿げようが白髪になろうが皺やしみが増えようが構いませんが、痛みを伴う衰えは怖いですねぇ。
 腰痛だとか神経痛だとか。
 さらには内臓の疾患も怖ろしいものです。

 しかし痛みや内臓の疾患も、逆に言えばそれだけ長生きできたということでしょうから、例えば長く乗った愛車のエンジンが痛み始めたみたいなものなんでしょうね。

 そもそも老いること自体は病気ではないし、避けられない以上、これを受け入れ、付き合っていくほかないんでしょうねぇ。

 山田風太郎が、「老いるということは、昨日出来たことが今日出来ないのではない。さっき出来たことが今出来ないのだ」と書いていたのは衝撃でしたねぇ。

 そんな境地に達するまで、果たして生きられるでしょうかねぇ。

 しかし何より怖ろしいのは、精神、というより魂の衰えでしょうねぇ。

 人間が人間たる所以のもの、そしてまた、己を自律せしめているものは、何より魂の強靭さでしょうから。

 そしてそれが衰え始めた時、人はあの世とこの世を行きつ戻りつし、ついには完全にあちら側に逝ってしまうのでしょう。

 私は中年で、今与えられた役割に夢中になっているべき社会の中核的世代で、老いの心配をするのは少々早いかもしれません。

 しかし私は生まれついてのせっかち。
 生まれる時も母親の腹の中が窮屈だったのか、予定日よりも二カ月早く生まれた未熟児でした。

 このせっかちな性格が、私の命を縮めるのではないかと同居人は心配しています。

 あぁ、面倒くせぇ、早くそっちへ行きてぇから、大輪の蓮なんてしゃれた乗り物じゃなくったってかまわねぇんだ、とっとと迎えを寄越してくんな、迎えが無理なら地図でもいいやな、てめぇでどうにか行きつくからよぉ、みたいな。 

 でも本当は、立派な蓮に乗って仏様がお迎えに来ても、いやじゃいやじゃと、乗るのを拒むような気がしてなりません。

 そうしたら、浮遊霊となって、全世界を自在に旅したいものです。

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物語の真実

2014年10月15日 | 文学

 時折、なんということもなく、来し方を思い、また今の状況を考え、憂いを帯びることがあります。

 中年なればこそ、若い日の愚行は、愚かゆえに懐かしくも感じるもの。
 しかし40代半ばの今も、愚行を繰り返して生きていることに変わりはありません。
 ただ、愚かさの上に常識の仮面をまとっただけのこと。

 時間というのは不思議なもので、確かに起きたことなのに、あらゆる事実が歪められ、あるいは誇張され、また、忘れ去られていきます。

 だからこそ歴史学なる学問が生まれ、歴史学者は考古遺物や古い文書などを手掛かりに、昔の姿を再現しようと努めるのでしょう。
 しかし、それが確かにそうだったかどうかなんて、分かるはずもありません。
 なんとなれば、私たちは半日前のことですら、精確に再現することは出来ないからです。

 最近朝日新聞が、従軍慰安婦は旧軍が組織的・強制的に行ったものだとする30年も前の記事を訂正しました。
 そういう事実はなかった、あるいはあったかもしれないが確たる証拠はない、と。

 その一事をもってしても、過去、この世で行われたことを精確に知ることはできないと得心がいくでしょう。

 ゆえに私は、繰り返し、真実は物語の中にしか存在し得ないと言い続けてきたのです。

 物語のなかでは、時制は自在に変化し、あるいは過去や未来を行き来してしまいます。
 SFでは必須のタイム・トラベラー物というジャンルは根強い人気がありますね。

 ハイデッガーは、「存在と時間」のなかで、根源的な時間とはそれ自体で存在するものではなく、現在から過去や未来を開示して時間というものを生み出す(みずからを生起させる)働きのようなものだと主張しています。
 また現在もそれ自体で生起するのではなく、死へ臨む存在としてのわれわれが行動する(あるいはしない)ときに立ち現れるものだ、とも。
 
 均質的な過去・現在・未来という時間はこの根源的時間からの派生物にすぎないとして、これらの派生現象を可能にする「根源的な時間性」の概念を提示しています。

存在と時間(全4冊セット) (岩波文庫)
マルティン・ハイデッカー,熊野純彦
岩波書店

 私は西洋哲学には弱いので、正直、きちんと理解しているとは言えません。

 しかし少なくとも、時間の不思議を解明しようとしているのは、歴史学や哲学さらには理系の様々な学問など、多様なアプローチがなされているのだな、と感じます。

 それら学者の方々のご尽力は多としますが、私はそんなまどろっこしい手法は取りません。

 私はただ、神秘的直観、あるいは霊感のような物に頼ることを常とします。

 それはしかし、ルドルフ・シュタイナーがアクセス出来たという、宇宙のすべての歴史が記録されたという触れ込みのアカシック・レコードみたいな物へのアクセスを試みるのとは異なります。

アカシャ年代記より
高橋 巌
国書刊行会

 私はひたすら、私が感じるところを信じるのです。
 過去を思って憂愁に沈む行為もそうですし、逆に輝かしいであろう未来を想って高揚することもそうです。

 もっとも年のせいか、未来を想うこともなくなりましたが。

 この不思議な時の流れと、そこにしか存在し得ない私を想う時、私は不思議な高揚感に囚われます。

 その高揚をバネに、私が挑んだことの無い小説を執筆しようとしたことが2度、あります。
 しかしあまりに難しく、いずれも原稿用紙換算で100枚ちょっとのところで中断したまま、何年も放置しています。

 一つは「楽園」、もう一つは「宇宙の光とおかま」というタイトルです。

 私は定年を迎えたら、この2つに挑みたいと、今から楽しみにしているのです。

 その時こそ、物語の中の真実とは何ぞやということの答えが、私なりに形にできるものと思っています。
  
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テロリストの詩

2014年10月14日 | 文学

  我、その時を待ちわびたり。

 時満つれば、その時が来たらむは必至なればなり。

  我が一日千秋の思いで待ちたるは、現世の終末に他ならず。

  義務たる教育を受けし折、日輪はやがて牙をむき、我らの住みたる世界を飲み込み、生きとし生けるものは滅するが必定なりと教わりし。
  そを知りたる日の幸いは、言の葉にならず。
 ただ我、夢見の心地して、如何にして日を過ごしたか定かならず。

  しかれども、我が存命のうちにその時が来たらむべくもなきことを知りたり。
  日輪の時は悠久にして、我らの時はあまりにも短かければ、日輪の怒り爆発すを待つは、釈迦の説く劫にも等しき時が経るを待ちたる他なし。

 我が嘆き筆舌に尽くし難し。
 嘆き、にわかに怒りに変じ、我が怒髪は天を突く。

 ならば取るべき道は唯一つ。

  願いを成さんに、我が力と謀をもって、生きとし生けるものに引導を渡すべからず。
  これ、我が宿願にして、テロルに深く共鳴したる所以なり。

 我、而していわゆるテロリストと呼ばれたり。

 しかれども我に思想信条のあるべきか。

 ただ破壊の王たるを願うのみ。

 砂漠の国に出向きて破壊を為し、駅舎空港、人の集まりたる場所に出向きて火薬を揮う。

 これほどの快あるべからず。

 我陶然として殺戮を繰り返せば、ついには世にお尋ね者と知られ、首に懸賞かけられたり。

 それもまた、愉快ならずや。

 破壊殺戮の限りを尽くし、日を送れば、我が加虐の快、限りなし。

 知らず、いつの日か宿願を忘れ、ただ快のみを求めたり。

 これ我が精神の堕落と言わずして何をか言わむ。

 ついに我、捕縛の憂き目にあいたり。

 我、御用の役人に対するに、魔王のごとき傲岸不遜の態度を貫きたり。
 
  しょせんこの世は仮の宿。

 いつ何どき斬首の河原に引きづられようと、我の嘆くところに非ず。
  破壊殺戮に飽いた頃なれば、次いで我が殺戮せしめらるもまた一興。
 
  しかれども役人、我を崇拝するあまたのテロリストの復讐を怖れたか、斬首の罪一等を減じ、終身禁固を命ず。

 我大いに不満なり。
 斬首せしめよと迫りたるが、叶わず。

 ついに我、我がもっとも忌み嫌う退屈に落ち込みたり。

 我、破壊の魔王たらむと志した所以のものは、退屈を嫌い、巨大スペクタクルを求めたるがためなり。

 その志が我をして退屈の淵に沈めたるか。

 我、独り監獄で、退屈のあまり狂い死にたるを渇望す。

 狂い死にこそ、我に似合いの最期なればなり。

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それでも僕は夢を見る?

2014年10月14日 | その他

 ちょっと前に評判になった、「それでも僕は夢を見る」という漫画を読みました。

それでも僕は夢を見る
鉄拳
文響社

 受験に失敗し、就きたい仕事に就けず、縁あって会社員になり、心機一転、出世を目指しますが、何をやっても駄目で、出世することもなく、好きな女性には振られて、というしんどい人生を生きてきた男が、身寄りも友人もないまま死の床につき、人生を回想するものです。

 彼が若かりし頃、擬人化されたユメが彼に寄り添い、能天気に彼を励まします。
 最初は彼もユメに鼓舞されて、恋に仕事に努力しますが、何をやってもうまくいきません。

 そして彼は、盟友であったユメを捨ててしまいます。

 その後さえない人生を独りで生きて、今、病院で虫の息。
 医師はもって3日という見立てをします。

 彼が思い出すのは、盟友のユメと、悪戦苦闘した日々。
 辛いことばかりだったはずですが、死の床に就いた彼には、輝かしい日々に思えます。

 すると、すっかり老いさらばえたユメが、何十年ぶりに彼の前に現れます。
 そして、「何かやり残したことがあるんじゃないの」と発破をかけます。

 しかし、死を前にして、何をやればいいんでしょう?

 ユメは紙と鉛筆を彼にわたします。

 彼は誰にともなく、手紙を書きます。

 ユメを叶えることや、あるいはユメに向かって努力するから生きることは輝くのではなく、生きていることそのものが、輝いているのだ、と。

 客観的に言って、人生の負け組の言い訳のようにも聞こえますが、私もまた、就きたい職業に就くことはできず、なんとなく入った今の職場では、精神障害発症後、昇進が止まり、年下で私より上位の職階に就いている者がうじゃうじゃいます。

 幸いにして、惚れた女とは一緒になることができ、今も一緒に暮らしていますし、男女問わず、多くの友人がおり、さらには多くの親族がいます。

 そういう意味では、彼とは異なりますが、私の心象風景は、ネガティブになり、ユメを捨てた心境と近いものがあるように感じます。

 これは多くの凡人に希望を与える漫画だとは思いますが、ひねくれ者の私には、素直に解釈することができません。

 幸福の本質を、見誤っているように思います。

 幸福の有り様は人それぞれ。
 しかし死の三日前になって、突如お宗旨替えをしたかのごとく、生きることそのものが輝きだなどと、誰が読むとも知れぬ手紙を書くことが、最後のユメなのでしょうか。

 不思議です。

 私なら、孤独なまま、静かに消え去っていくこと望むように思いますが。
 
 私は働かんで食えるだけの大金を得、文学や芸術、好きなホラー映画などに浸りきり、その世界で三昧境に遊ぶ日々を妄想しては、悦に入っています。

 この漫画はたいそう評判となり、同じように何をやってもうまくいかない読者たちの共感を得たようです。

 私の主治医は、ハッピー感を感じられるかどうかが重要だと言います。
 それはそうでしょうねぇ。
 しかし私には、サラリーマンを続けているかぎり、心の底からのハッピー感を得ることは難しいような気がします。

 してみると、私の望みは、早期退職しても食えるだけの貯金をこさえることかもしれませんねぇ。

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秋祭り

2014年10月13日 | その他

 昨日はお隣の市で古くから尊崇を集める神社の例大祭に繰り出しました。

 神輿に山車、ひょっとこにお稚児行列と、市内の様々な町がそれぞれに趣向を凝らして祭りを盛り上げていました。

 近頃寂れた感のある市ですが、かつて譜代の殿様が治め、城下町として賑わいだ昔を思い起こさせる、たいへんな人出でしたね。


 坂の多いお土地柄ゆえ、山車を引くのは困難で、だからこそ山車が祭りのメインです。




 みなさん地下足袋に半被姿ですが、役員連は着流しに半被、足袋に草履といういでたちで、指揮をしたり山車のまわりを歩くだけで、引いたり押したりということはありません。



 私は例によって着物に羽織姿でしたから、祭り見物の一般客に実行役員と間違われ、質問を受けること度々で、面倒くさいから役員のふりをして適当に答えておきました。

 おひねりをもらうと、山車を引いている者たちがひとしきり踊るのですが、暗くなるまではこれは子供のお役目。




 可愛らしいですねぇ。

 可愛らしいといえば、女の子の一群が派手な着物で静々と歩く姿も映えました。



 夕方4時には終ってしまうような市役所などが主催する健康的でつまらない、的屋すら出店させない市民祭りみたいな似非祭りとは大きく異なり、伝統的な例大祭は夕方から夜中にかけて行われ、神秘的かつ荘厳ですらあります。

 夜も9時を回らないと盛り上がりは小規模で、それを過ぎるとあちこちの裏道で酔っ払いが立小便をするという微笑ましくも愚かな光景に出くわします。

 私も少々飲み過ぎたようで、軽犯罪を犯してしまいました。

 あ、警察や検察の方、見逃していただけるとたいへんありがたいところです。

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下谷散歩

2014年10月11日 | 散歩・旅行

 三連休の初日。
 好天に恵まれて、下谷から稲荷町のあたりをぶらぶら散策しました。
 上野駅のすぐ近くですが、上野の賑わいとは異なり、静かな感じでした。

 谷根千ほどではないにしろ、大小のお寺が立ち並び、古くから人が住んでいたのだということを実感させられました。

 お寺が多いせいか、仏壇仏具を売る店がたくさんありました。

 でも一番有名なのは下谷神社というのが面白いですねぇ。



 多くの外国人が浅草方面へ向かって歩いていました。
 秋めいてきたので、今日は着流しではなく、羽織を着込みました。

 ちょっと離れたところから着物にフェルト帽の私を写真におさめる外国人もいました。
 国際親善に貢献できたかもしれません。

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業務監査

2014年10月10日 | 仕事

 今日は一日業務監査の対応に追われました。

 文書ファイル管理簿を見ながら、これを持ってこい、あれを持ってこいと言われ、職場内を走り回り、他課の業務であっても、企画法規を担当する私が第一に応えなければなりません。

 走り回ってはイチャモンのネタを持っていき、案の定イチャモンを付けられる、という次第。

 しかし、いくら眼を皿のようにしても、不正は見つかりません。
 
 当たり前です。

 やば目の書類はこの日のために奥深くにかくしてありますから。

 様を見なさい。

 その代わり、お土産代わりに軽い不適切なに書類をあちこちに用意して餌にしました。
 そしてその餌にぱくついていました。

 思うつぼです。

 不正はまずいですが、多少は不適切が無いと、逆に奇妙ですからねぇ。

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報道

2014年10月09日 | 社会・政治

 産経新聞の前ソウル支局長が、在宅のまま起訴されたというニュースが飛び込んできました。

 いったいどんな悪逆非道を働いたのかと思いきや、地元紙の朝鮮日報の記事に基づいたコラムを日本語の産経新聞WEBサイトに掲載したのが、韓国のおばちゃん大統領の名誉を傷つけるものだった、というのがその理由。

 では出どころの朝鮮日報はといえば、お咎めなし。

 さても面妖な。

 米国報道官・各種報道機関・日本政府らは報道の自由を侵すものとして強い懸念を表明しました。

 また、韓国内でも、報道機関や学者らを中心に、このたびの韓国検察のやりようを非難する声が上がっているそうです。

 記事の内容は、韓国の客船が沈没し、多くの乗客が死亡する事件が起きた日、おばちゃん大統領の行方が知れず、某男性と密会していたのではないか、という朝鮮日報の内容をもとにしたコラムだったそうです。

 大統領、独身なんですから、どこの誰といつ会おうが不都合はありますまいに。

 朝鮮日報も産経新聞も、それは野暮というものではありますが。

 その程度のことでいちいち起訴されていたのでは、報道なんてできませんでしょうに。

 大統領、「選挙で国民から選ばれた私を侮辱することは国民を侮辱することだ」なんて、時代錯誤と言おうか、ヒステリーと言おうか、民主主義下における報道機関と政府の関係をまるで理解していない戯言を並べ立てているようです。

 「朕は国家なり」言ったとか言わないとか教わったフランスの太陽王を思い出させる発言ですね。

 まぁ、おそらく、彼の国では産経新聞は極右軍国主義路線をひた走っていると勘違いされていますから、産経憎しで勇み足しちゃった、というのが本当のところでしょうねぇ。

 起訴しちゃった以上裁判をやらなければいけないでしょうから、なるべく早く、無罪放免で丸く収めてほしいですねぇ。

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馬車馬

2014年10月08日 | 仕事

 時折、職場で「便利に使われている」とか言っておのれを嘆いたり憤慨したりする人を見かけます。

 便利に使ってもらわなきゃ、給料をもらえるはずもないのに。
 解雇されたくなければ、便利に使ってもらえるような人材にならないといけませんね。

 しかし、度が過ぎれば体を壊したり精神に変調をきたしたり、最悪の場合過労死や過労自殺なんてこともあり得ますから注意が必要です。

 今朝の新聞に、国慶節の連休で中国の観光地にあまりに多くの客が訪れて大変なことになっている、との報道がありました。

 バスに乗りきれない人が4万人にも及び、彼らが道をふさいで結局バスは動かなかった、とか。
 世界遺産の建築物や自然物に落書きをする人が後を絶たない、とか。

 泣けたのは、遊覧用の馬車をひく馬が、過労のためか突然死したというお話。

 よく、馬車馬のように働く、と申して、馬は働き者の代名詞のようになっていますが、度が過ぎれば倒れちゃうんですねぇ。

 怖ろしや。

 遠距離を引っ張ったほうがマシだったかもしれません。
 狭くて人で溢れる同じ道を何度も何度も繰り返し引っ張るのでは、畜生といえど精神をやられてしまうであろうことは容易に想像がつきます。

 この不幸な馬の働きぶりを他山の石として、おのれの体調管理には気をつけないといけないと、痛感したしだいです。

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台風一過

2014年10月07日 | その他

 台風一過の青空が広がっています。

 職場でちまちま事務仕事をしているのが馬鹿馬鹿しく感じられるほどです。

 子どもの頃、台風一過という言葉を聞いて、台風一家なんて名前の凶暴なヤクザの集団を想像して、一人、ほくそ笑んだものです。

 これから本格的な秋ですねぇ。

 ふらふら街歩きを楽しむことが好きな私にしてみれば、なんだかうずうずしますねぇ。

 天高く馬肥ゆる秋。

 体重が20キロも落ちて2年ばかり、痩せたままです。
 馬肥ゆるごとく、私も肥えると良いですねぇ。

 そしてまた、芸術の秋。
 様々な美的体験をして疲労したいものです。

 なんだか涼しくなったのと酒量が減ったのが幸いしたのか、ここ数日体調も精神状態もすこぶる良いようです。

 この調子でいければありがたいですねぇ。

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未成年犯罪者の親

2014年10月06日 | 社会・政治

 佐世保同級生殺害事件の犯人の父親が急死したそうですね。
 首つり自殺とみられています。

 高校生の娘が、人を殺してみたかった、なんていう猟奇的な理由で実際に同級生を殺害すれば、未成年者の犯罪には親にも責任があるわけですから、死にたくもなるでしょうねぇ。

 ちなみに酒鬼薔薇聖斗の父親も事件後、自殺したそうです。

 しかし、少女の精神鑑定も含め、様々な捜査が進行中の今、父親が自殺してしまうというのは、痛ましいことではあるにせよ、逃げやがった、という印象を否めません。

 少女の生い立ち、教育方針、これまでの少女の言動など、警察や精神科医に協力して真相解明を追求しつつ、遺族への謝罪や補償などに努めるのが、社会人、それも高い社会的地位にある父親の義務だと思いますが。

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