今日、津田沼辺りをぶらついていて、偶然、菊田神社というお社をお参りする機会を得ました。
規模は小さいながら、風情あるたたずまいで、関東には珍しく、社殿は出雲大社系の造りと見えました。
神社の縁起を読むと、案の定、大国主命を祀っている、とのことでした。また同時に、藤原時平を祀っている、とも。
しかし、縁起には専ら藤原時平を祀った経緯ばかりがつづられており、大国主命を祀った理由には、一言も触れらていないのでした。
それはなぜか。
古事記でも日本書紀でも、大国主命が天照大神に国譲りをした話は、詳しく書かれていません。まるで大国主命が、何の理由もなく、差し出したごとくです。
しかし実際には、大きな戦が行われ、敗れた出雲側がやむなく天孫側に国を渡したと考えられます。
古くは、出雲の社殿には、縄が打たれていた、という言い伝えも聞こえます。
その古代史の闇は、今となっては解明のしようもありません。
しかし、敗者は常に、悪なのだ、ということは、今も昔も変わりません。
日本が米国に敗れたのは、悪だからではありません。敗れたから、悪なのです。
愚かな人間は、勝った負けたと言い募り、勝者は敗者を悪に仕立てるのですね。
長い歴史で繰り返された、馬鹿な理屈です。
喧嘩両成敗を持ち出すまでもなく、戦に善も悪もありますまい。
オバマ大統領は、立場上仕方なくか知りませんが、ノーベル平和賞受賞式の演説で、この世に悪は存在し、正義の戦争はある、と言いました。
おろかな戦争史観の繰り返しを、今にいたるも行っているのですね。
私はただ、悲しいばかりです。
私には、戦争を止める力など、まるきり無いのですから。
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