先ほどNHK-BSで上村松園の特集を放送していました。
上村松園といえば、わが国で最も有名な女流画家の1人でしょうね。
そして日本画で女性を描き続けた人として有名です。
私も数年前、東京国立近代美術館に上村松園展を観に行きましたが、あんまり混んでていやになりました。
私が彼女の美人画に感じるのは、精緻で美しいけれど、どこか情動が感じられない、ということです。
おとぎの国の美人とでも申しましょうか。
下は上村松園の「蛍」です。
私が男だからなのか、きれい過ぎてつまらないような感じがします。
どちらかというと、同時代に美人画家として活躍した鏑木清方のほうが人間の情を感じます。
鏑木清方の「遊女」です。
画題のせいもありますが、妖艶な感じで、見惚れますねぇ。
さらに進んで、ほぼポルノ扱いされていた責め絵の伊藤晴雨となると、ほとんど欲望の塊のような絵です。
上村松園や鏑木清方と違って芸術家扱いされないまま、かなりえげつない責め絵を残し、SM趣味の方々から神のように崇められました。
人それぞれに趣味はあるでしょうが、私は最も強く人間精神の躍動を感じさせる伊藤晴雨の責め絵に、心惹かれます。
団鬼六が伊藤晴雨を題材にした面白い作品を書いています。
ご一読をお勧めします。
異形の宴―責め絵師・伊藤晴雨奇伝 (幻冬舎アウトロー文庫) | |
団 鬼六 | |
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外道の群れ―責め絵師・伊藤晴雨伝 (幻冬舎アウトロー文庫) | |
団 鬼六 | |
幻冬舎 |