ブログ うつと酒と小説な日々

躁うつ病に悩み、酒を飲みながらも、小説を読み、書く、おじさんの日記

お身祓い

2012年08月07日 | 思想・学問

 今朝、東大寺では、年に一度のお身祓いが行われたそうです。
 要するに大仏のお掃除。
 作業にかかる前、大仏の魂を抜く法要が営まれた後、白装束の僧侶や信者たちが、あるいはよじ登り、あるいはゴンドラでつるされ、あるいは命綱をつけて大仏を磨き上げたそうです。



 作業中はもうもうと埃があがり、この埃をかぶると1年間無病息災だと信じられ、信者たちは進んで埃を浴びたとか。
 そんなもの浴びたら喉をやられちゃいますよ。

 東大寺には中学三年生の時修学旅行で初めて訪れ、その後何回か訪れています。
 そのたびに、奈良時代のわが国の人々が、どんな思いで大仏を造営し、それを拝んだのか、不思議な気持ちになります。
 国家の大事業ですから、無駄な公共工事だと思った者も多いでしょう。
 また、この事業に関わることで解脱できると信じた者もいたでしょう。
 静かに座るあの巨大な仏には、様々な当時の人々の思いが染み込んでいるようで、いつ観ても圧倒されます。

 聖武天皇によって743年に大仏建立が発願され、752年、開眼法要が盛大に執り行われたようです。
 工事に関わった者のべ260万人、現代のお金で4,657億円もの巨費が投じられたというから驚きです。

 奈良の大仏、正しくは華厳経に説かれる盧舎那仏という名の仏なんですよね。

 仏教には阿弥陀仏だとか大日如来だとか釈迦如来だとか久遠実成本仏だとか、色々な仏様が登場しますが、基本的に同じ者だと考えてよいでしょう。

 仏教では誰にでも仏性があり、修行を積めば生きながらにして悟りを開き、仏になれると説きますから、数限りない仏が存在する道理です。

 私は修行せずに、自らの思考の旅の果てに見事即身成仏を成し遂げて、とびお仏と呼ばれたいものです。

 あ、これ、危ないですね。

 ヨーロッパの精神病院にはそこいら中にナポレオンだのキリストだのを名乗るやつがいるそうですから。
 躁状態の症状の一つなんですよねぇ。
 自分が万能だと思いこんじゃうというのは。

 じゃあとびお仏ではなくて、とびお菩薩くらいにしときましょうか。


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そよりとも

2012年08月07日 | 文学

 そよりとも せいで秋立つ ことかいの  上島鬼貫

 立秋ということで、ちなんだ句を。
 上島鬼貫は江戸時代中期の俳人で、なかなかユーモラスな句を残しています。
 上の句、暦と実感が一致していたはずの江戸時代でも、暑い立秋があったことを思い起こさせます。
 人間いつの時代も暑いの寒いの腹減ったの、酒飲ませろだのと、文句を言いながら生きていたんですねぇ。
 古人が親しく感じられます。

 秋立つや 何に驚く 陰陽師    与謝蕪村

 与謝蕪村を郷愁の詩人と名付けたのは萩原朔太郎でしたか。
 立秋に陰陽師を出してくるあたり、浪漫的ですねぇ。
 与謝蕪村は私が最も偏愛する俳人です。

 すむ人も なき宿なれど 荻の葉の 露をたづねて 秋は来にけり    源実朝

 今度は和歌です。
 うまいですねぇ。
 秋のしっとりとした感じがよく出ています。

 そういえば正岡子規は源実朝を激賞し、30前に亡くなってしまったことを惜しんでいました。
 長生きしていればどれだけの秀歌を作ったか知れない、と。

 次に正岡子規が下手な歌よみとこきおろした紀貫之の和歌を。

 河風の すずしくもあるか うちよする 浪とともにや 秋はたつらん   紀貫之

 きれいにまとまっているように思いますが、その技巧派的な感じを正岡子規は嫌ったようです。

 今日生まれる和歌や俳句は、名ばかりの秋が立ったことを恨む恨み節になるような気がします。
 昼休みの今、窓の外を眺めればぎらぎらと太陽が照りつけて、いかにも暑そうですからねぇ。


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立秋

2012年08月07日 | その他

 早いもので今日は立秋だそうですね。
 立秋とはいっても名ばかりで、実際は暑い日が続いています。
 昔の暦と一ヶ月半ずれているのだから当然です。
 一ヶ月半後だったら、秋を実感できるでしょう。
 新暦に替わったときに24節季も新暦に合ったものに変えるべきでしたね。
 そうでないと季節感を大事にするわが国民性が涵養されません。

 暑いといえば、ロンドン・オリンピック。
 なでしこJAPANは見事フランスを破って決勝進出を決めました。
 これで負けても銀メダルはもらえるわけですが、ここまできたら金メダルをとってほしいものです。
 ワールドカップとオリンピックを連覇した国は未だ存在しないそうですから、成し遂げれば世界初の快挙ということになります。
 決勝の相手はまたしても米国。
 米国にしてみれば、ワールドカップの雪辱を期したいところでしょうし、自分たちのほうが各上だという自負もあるでしょう。
 なでしこJAPANは初戦の時から「目標は金メダル」だとか「負ける気がしない」だとかビッグ・マウスを連発してきたのですから、そう簡単に負けるわけにはいかないでしょう。
 私としては、ワールドカップが延長戦の末のPKだったので、90分で決めて欲しいと願っています。

 今夜25時には男子がメキシコと準決勝を戦います。
 誰がここまでの活躍を予想し得たでしょう?
 男子にも勝利してもらい、女子と同様決勝に駒を進めてもらいたいものです。

 サッカーには男女アベック金メダルを夢想してしまいます。

 名ばかりの立秋の夜も、暑く燃えそうですねぇ。

 
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