ステージおきたま

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シニア演劇、壁また壁!『生前葬につき』本番まであと5日!

2016-11-18 09:31:43 | シニア演劇

 さあさ、追い込みだよ、追い込みだ。鞭をびしばし入れて、本番めがけて全力疾走!連夜の稽古も今日で4日目、明日1日休養日入れて、日曜からはぶっ通しだ。

 フレンドリープラザの舞台に装置組み立て、大道具持ち込んで本番さながらの稽古ができる。恵まれてるよなぁ!プラザの主催事業だから、最大限我がままをきいてもらえる。菜の花座じゃこうはいかない。1日借りれば数万円、暖房でも入れた日にゃ、貧弱劇団なんてぶっ飛んじまう。舞台を使って動き回れる幸せ感じてくださいよ、って言ったって、やってるシニアたちはそれどころじゃない。

 シニアの壁だ。シニア演劇の前に立ちはだかる絶壁だ。

 本番5日前の稽古って言ったら、通しを中心に演技の精度を高めていく段階だが、シニアじゃね、そうは問屋が卸さない。古い表現だなぁ、書いていながら笑っちまうよ、年寄りめ。セリフだよ。セリフがきっちり入っていない。自分のセリフも曖昧なら、周囲との掛け合いも思うに任せない。相手のセリフ、覚えてないからね。

 長セリフなんかまだましなんだ。他者との絡みないから、途中1行くらいすっ飛ばしたって、なんとかつながる。もちろん、作者としては台本通りやって欲しいとは思う、が、ことここに至って、そんなこと気にしちゃいられない。ともかく、最後までたどり着いてくれれば、御の字だ。またまた死語表現!まっ、ここらあたり、僕の適当でちゃらんぽらんな性格が幸いしてるかな。几帳面な人、セリフを大切にする人だったら、到底務まらないね。言葉使いなんかも、役者が自己流に言い替えしても、意味が通じれば、さしつけね!気にしないよ、うーん、違和感はあるんだけど。

 言葉のやり取りだと、作者が目をつぶればいい、ってわけにゃいかない。対話の相手が立ち往生して、芝居が緊急停止してしまうから。場合によっては、各駅停車が突如快速になって、三つ四つセリフをぶっ飛ばすことだってある。経験ない人には信じられないだろうが、すでに過ぎたシーンにもどってしまうループ運転、往復列車だって出現してしまう。

 今年は記憶力良さそうな人が多いから、楽々とはいかないまでも、壁はなんとか乗り越えて、演技を磨く段階に入れるものと思っていたが、いやいやどうして、シニアの壁はそんな生易しいものじゃなかった。うろ覚えのセリフを頭に刻み込むための反復稽古が主体になっている。昨夜などは、1シーンを10回以上繰り返した。もっとも、難しいセリフなんだ。他の人たちの話題から一人はみ出して、周辺で騒ぎ回るってセリフ。やり取りがあるようでないし、同じようなセリフが連続するので、どうしても覚えられないんだ。ごめん、変な設定書いてしまって。

 セリフが少ない人も悩んでいる。お年を配慮して減らしたわけだが、たまに出番が回って来るから、そのきっかけが掴み辛いんだ。つい、自分の番を忘れてしまう。そんなこともあると思って、付き添いの看護師役がセリフを先取りする仕掛けも組んではあるんだけど、どうしたって自分で言ってもらわにゃならんってセリフもあるわけだし、うーん、いかに頭脳明晰な人と言えども、記憶力の壁は容易に突破できないものなんだな。

 なんて、悩みつつも、焦燥感、悲壮感はぜんぜんない。必ず上手く行く、なんとかなる。これまで4回、いつだってそうだったから。これから5日、曖昧模糊と頭の中を漂っていたセリフが天使とともに舞い降りて、海馬や前頭葉に刻み込まれるに違いないんだから。

 今夜もびっちりセリフ入れのお付き合い、いたしますですよ。で、日曜日には通しですからね。

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