blog Donbiki-Style

筆者:どんびき(地域によりカエルの意)

体育会系的風景

2017-01-16 20:53:07 | 日記
そういえば、土曜の新年会の帰りに乗った電車の中で穏やかならぬ光景を目にした。
同じ会社の先輩後輩だろうか、4人くらいの若者の中で先輩君の方が何やら1人の後輩君に説教を始めた。
ロングシートの真ん中くらいにいた私にもその雰囲気は伝わってきた。
さすがに電車の中、声を張り上げてという感じではなかったが、後輩君は話に納得ができないようで言葉が出ないため、先輩君の言葉だけが聞こえてきた。
一方的に後輩君がやり込められているように感じた人も多いかもしれないし、気まずい沈黙がしばらく続いたので残りの2人が後輩君に「とりあえず、ハイって言っとけ」と何とかしてなだめようとしているのもハッキリ聞こえた。

時間的にはお酒も入ってのことだろうが、公衆の面前で説教などとなれば聞く方は周囲の目もあって余計にかたくなになるのは目に見えている。
そこに考えが及ばないのはやはり精神的に未熟、そのメンバーであれば大いばりできる程度というのが先輩君のポジションであろう。
会社に戻れば、上司には体を90度も曲げようかというお辞儀をしてヘコヘコしているかもしれない。
どんな集まりにも、上に弱く下に強いチンピラのような人間はいるものである。

かなり前にTVでやっていた話だが、チンピラは人間だけの話ではないようで、ボスになれない猿はそれこそチンピラのごとく肩で風を切るように歩くらしい。
肩を振り振り歩くのは少しでも自分を大きく見せたいためだというから、この辺りは猿も人間も何ら変わりがないことになる。
過日の宴会で年下の上役を呼び捨てにした某氏も、普段の様子を見ると肩で風を切るように歩いている。
きっと本人の中では軽く小さく見られることへの不安が満ち満ちているに違いない。

その会の別の場面では、若い女性の社員が「何で年下だからって」とグチりながら、何人分かのお酒を作っていた。
たまたまその目の前で自分のお酒を作っていた私は、彼女に聞こえたかは知らないが「おかしい話だよな」と反応した。
私も相当おじさんではあるが、私の年齢+MAX15歳くらいの人間もいる集団では、いまだに宴会では若い女性社員に世話を焼いてもらうことが当たり前のように思っている人間も少なからずいるということだろう。
会社の人間と一緒に食事をすることは、私自身の経験では役に立つ部分もあったし否定もしないが、若いからといってコマ使いという状況が頻発すれば、今の若い世代はあっさりとそのような場から離れていってしまうだろう。
夢に乏しい時代に育ち、社会に出るまでにも私の時代とは比較にならない苦労をしてきた世代の人間を、上の世代がくだらないことでつぶしては絶対にならないと思う。

この時代、この都市部にあってこのような体育会系的な光景を続けて目にするとは思わなかった。
バカは死ぬまで直らないとはよく言うが、体育会系は殺しても死なない、ということかもしれない。
なお、私が嫌うのは、いわゆる「体育会系的なもの」である。
部活動としての「体育会」そのものを否定するものではないので念のため。

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