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筆者:どんびき(地域によりカエルの意)

逃げてもいいのに

2014-05-22 22:50:57 | 日記
東京で出版社に勤めているお友達がいるのですが、現在推している本をSNS上に紹介していました。
「人生の9割は逃げていい」というタイトルが付いていて、そのタイトルだけでも共感できました。
自分に合わない、どうにもならない環境にいつまでもいることは、一度しかない人生、時間のムダ使いにほかなりません。
逃げることは否定を受けがちな行いではありますが、そうできたほうが幸せになれるのは私自身も経験してきたところです。

40代の前半を今生きているわけですが、小さな頃や学校時代を含めてちょうど30歳を迎えるあたりまでは、不本意な環境や他人からの扱いに「立ち向かい過ぎていた」気がします。
自分にウソをつき、無理を重ね、ストレスをためてまでそうしていった結果、心身のバランスを崩してしまうことになりました。
はた目には何の問題もない順調な人生を歩んでいたように見えていたでしょうが、問題がなさ過ぎたことが問題だったと気づいたのは30代のほとんどを費やした苦しい時期の間です。

病気が原因とはいえ、最初の会社を辞めてエリートと呼ばれる立場から滑り落ちたことで、今後は自分の興味に逆らわずに生きていこうという切り替え作業が始まりました。
10代の頃から心に温めていたものの結局手つかずになっていたドラムの演奏を始めてみたり、仕事も趣味の延長で旅行関係を選んでみたりしました。
いろいろなことにチャレンジする中で、仕事関係はなかなか一つのところに定着できない時期が長く続いたものの、ずっといてもどうしようもない環境が多かったことも事実です。
反面で、趣味の関係では多くの出会いに恵まれて人前にも何度も立つことができました。
私にとっての30代は、苦しかったことが多いながら、ある時はそれこそ「逃げる」こともしながら、しかし自分の意思と責任で生きているという実感が徐々に持てるようになってきた期間でもあったのです。

30代のドタバタを経て、ちょうど40を手前にして今の会社に拾ってもらいました。
仕事も思いのほか性格にフィットして、最近ようやく正社員に登用してもらうこともでき、30代の頃には考えられなかったような経済的・精神的安定を手に入れています。
病気を契機に、いい意味で「ガマンしない」性格に変わったことで、今は何日も引っ張るようなストレスにさいなまれることはまずありません。
望まない状況からひたすら「逃げ回って」きた結果、今の幸せな状況があることは何だか不思議な気もします。

わが部署を眺めれば、いかにも現場仕事が合ってなく「なんで毎日こんなことを…」という気持ちが表ににじみ出ているような人もチラホラいるように思えます。
仕事場で会っているので気の抜けた振る舞いでもあれば当然きつい言葉も投げますが、仕事を抜きに一人の人間として見れば「無理してここにいなくてもいいのにな」と感じる場面は多いです。
年齢や立場、その他いろんなことがあってあきらめている部分もあるでしょうが、違うどこかではこの人も輝けるのかもしれないなと過去の自分も重ねながら思ったりします。
こちらからは何も言えないわけですが、彼らがいつの日か積極的に「逃げる」勇気を持てたなら、朝一番から死んだような目をして仕事をする姿を他人に見られないで済むのではないでしょうか。
縁あって出会った人にはできるだけ幸せな人生を送ってほしいと思います。

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