blog Donbiki-Style

筆者:どんびき(地域によりカエルの意)

正しく伝えよう

2011-03-19 21:53:07 | 日記
東北の大震災から1週間が経った。
犠牲者・不明者の数で戦後最悪となったことに加え、福島原発の大事故(とあえて書く)で大規模な人々の移動も起きるという事態になっている。
最近のテレビは、原発事故に対する東京電力批判と「再び立ち上がろうとする被災地の人間ドラマ」にシフトしている感じだが、被災地の避難所では食料不足で子供の餓死者まで出ているという有様だそうで、そういった現状の「地獄」の部分も目をそらさないで伝えてほしいと思う。

天皇陛下が先頃ビデオによって国民へのメッセージを発せられたが、本来であれば国家元首(日本国憲法上はそうなっていないが世界の国々の認識として)の発言はプライムタイムのトップに来なければならない。
「ビデオの途中で緊急事態が発生したら中断して情報を流してほしい」と陛下がわざわざお気遣いされている中、会社勤めの人間では見るのが難しい時間帯にわざわざ放映するというのはいかがなものかと思う。
時代が時代なら、国民全員が仕事の手を止めてでも拝聴するような話である。

今回の事態に対して、政権側の対応にいろいろ問題が出てきた。
どう見ても首相より官房長官のほうが目立つような現状では心もとないし、意味不明の閣僚の追加など首をかしげるところが多い。
巷間報道されているように、突然言い出して原発を視察したとか東京電力で職員を叱り飛ばしたとか、こういう時こそドッシリしていてほしい総理大臣がなぜか一人でアタフタしている印象がある。
この期に及んでパフォーマンスなどやっているような人をトップにいただくわれわれの不幸は今後どういった形で現れるか想像も付かない。
過日のテレビ番組の中での福島県南相馬市の市長さんの訴えはあまりにも痛切であった。
原発周辺からの集団避難が相次いでいるのは、すでに国から発信される情報がほとんど信用されていないことの一つの表れで、民間レベルの動きは公のはるか上を行っているのだと思う。

少なくとも情報を流すほうとしては、隠したりサバを読んだりせずに普通に伝えてくれればよい。
どんなにしっかりとした情報を流したところで過剰に反応する人はなくならないが、誠実な伝達が行われれば全体としての混乱は大きくはならないのだろうと思う。