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ダイニング・ウィズ・ワイン そむりえ亭

料理にワインを
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 樋口誠

テイスティングの続き

2017年09月10日 01時56分16秒 | ワインの事
昨日は「私なり」のテイスティングの心得を書きました。

どんな世界でも方法論は色々ありますから、「私なり」なんです。

ですから若い受験生は沢山の人の方法を知ることは大事なことです。



さて、テイスティングというと「ブラインド」というのが付き纏います。

一切の情報を明かされないままでテイスティングをする=ブラインド。

そうしないと「思い込み」や「決めつけ」でテイスティングをしてしまうことになります。


あ、テイスティングは「楽しむ飲酒」の時には必要ないと思っていますので、普段は私は致しませんし、お勧めもしていません。


しかし・・・・

仕事として購入の資料として、

ワインリストの位置づけを確定する、

料理との相性を考える、

サーヴィスの方法を決定する

などの為にはテイスティングは必要ですし、なるべく銘柄を知らずにするほうが良いのだろうと思っています。


さて、昨日も書いた試験でのテイスティング。

「ブラインドの試験は大変だ」と受験生は言いますが、実はそうでもありません。

1:外観、香り、味わいのポイントを綺麗にトレースできていれば良い

2:4択ですので「完全なブラインドではない」

3:マイナー品種は出ない

のです。


色合いは濃いか、薄いか

エッヂの色合いはグリーンを含むか(白)紫を含むか(赤)

香りは赤系か、黒系か?

味わいの酸は多いか、少ないか?


などの点をデジタルに。


大体はそれで事足ります。




しかし、本当のブラインドは難しいもの。

世界大会クラスでも殆ど当たりません。

もっと言うと「当たるはずがない」のです。

だって、向こうから歩いてきた外国人の国籍と名前など誰も判らないではありません。

そこに「大阪の」「心斎橋商店街を」「大人数で歩いている」などの情報があれば、

「あ、今大阪に多い中国人かも」とは察することができますが・・・


さて先述の「デジタル」に、という言葉は簡単であって難しいことです。

つまり「真ん中を知る」ところから始めなければ、その右か左かが判らないわけです。

では、どうやって「真ん中を知る」のかと言えば数をこなす以外にありません。


ちなみに昨晩の終わりには皆で「21日にある貸切の会」で使うワインをブラインドではありませんがテイスティングしました。

坂本君の料理の参考に、或いは順番の決定の為、グラスの選択、です。


私なりの真ん中を基準に、坂本君なりの基準に照らし合わせ、それを統合する作業です。


面白い仕事です。



          樋口誠