ダイニング・ウィズ・ワイン そむりえ亭

料理にワインを
 06‐4963‐3098 
 樋口誠

ついでにデキャンタ続き

2011年09月15日 04時39分44秒 | ワインの事

数日前と昨日、デキャンタの効用にかかわる話を書きました。

1:酸化させて飲み頃に近づける

2:温度の上昇、下降に有効

3:澱を取り除く

などのデキャンタの方法を簡単に書いたわけです。

多くの場合、それで事足りるのです。

が、もう少し書いておくことにしました。

例えば

僅かな澱があるのだけれど、高価なワインをみんなで分けるのに、澱を取り除くとその分だけ一人当たりの量が減ってしまう。なんてことがありますねえ。こんな時は少々の澱には目をつむってデキャンタしてしまい、澱を万遍なく混ぜてしまうと皆平等に少しの澱が当たります。逆に言うと一人の人に沢山の澱が混ざらない、という事です。

この方法は20年、30年寝かせたワインには不向きですが、10年前後なら有効ですね。

また、低い温度は下に沈んでいきます。丁度良い温度に調整したつもりでも、ボトルの下部の温度が低く、上部は生ぬるくなる、という状態は結構あるもの。これも次ぐ直前のデキャンタで上下の温度差が無い状態を作れます。

ワインクーラーの深さが無いとき、下は冷え上が温かい。冷蔵庫の温度からやや上げたい、と思っておもてに出していたら下部に低温が沈んでいた、という時に有効です。

これはデキャンタでなく、ボトルの上下をさかさまにすることでも解消されますが、意外と混ざらないものです。ゆっくり2,3度上下を繰り返さなければ温度の上下交換は上手くいかないのです。

                                                                        

これでデキャンタの効用が5つになりましたね。

もう一つ、付け加えると「ちょっとカッチョええ」ということですか?

以前、読んだフランスの本では「スペクタクル」という表現をとっていました。

つまりお客様から見た風景として視覚に訴える、という事も充分な効用です。ただし、これが過ぎるとワインをダメにしたりすることもありますね。

今そこにあるワインの状態を把握したうえでの有効なデキャンタ法をとってください。