漂着の浜辺から

囁きのような呟き。

頭の中がカユいんだ

2005年04月02日 | 読書録
美しい小説:6

「頭の中がカユいんだ」
中島らも著

その突然の死が、まだ記憶に新しい、中島らもさんの処女作。
深い酩酊の底から、ほんの少しだけ明るい上の方を眺めているようだ。
芥川龍之介の死を思うとき、「トロッコ」を思い出すように、僕は中島らもの死を思うとき、この作品を思う。
中島らもさんが亡くなったと聞いたことで、僕は何かが一つ終わったような気がした。
そんな風に思うなんて、考えたことも無かったから、自分でも驚いた。
特にファンという意識もなかったのに、考えてみれば、きっと好きだったんだなと思った。
そう考えると、とても淋しい。

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