さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

DAZNは地元判定禁止? マイキー、欧州王者に敗れる

2021-10-18 02:35:00 | 海外ボクシング




ということで、昨日、DAZNの生中継をのんびり見ておりましたら、予想外の結果がふたつ続きました。

マイキー・ガルシアが欧州王者で、世界ランカー(WBA7位、WBC8位、WBO13位)のサウスポー、スペインのサンドール・マルティンに2-0判定負け。
アンダーのWBOライトフライ級タイトルマッチでも、前回高山勝成を下したエルウィン・ソトが、田中恒成にフライ級でKO負けしたジョナサン・ゴンサレスに2-1の判定を落とし、王座陥落となりました。


共に技巧派サウスポーに捌かれて、と大まかに言える内容でしたが...見た印象として「正しい判定が出た」と思ったと同時に「トップランクの興行とかなら、平気で逆やるやろうなあ」とも思いました。
少なくとも、メキシカンとか、メキシコ系米国人が、この手の試合で判定に恵まれない、またそれがメインとセミで続くなんて、正直、他であまり見た記憶がないです。


これはやはり、全世界で80カ国とか90カ国とかに試合を配信しているというDAZNの「方針」なのかもなあ、と感じました。
普段からスペインやイタリアの試合をよくやっているように、世界中の国々に手を広げていて、今回はスペインからピックアップされたマルティンが、世界的スターボクサーのマイキーと対戦する、という試合が実現したわけですが、そこで「滅多なこと」も出来ん、ということなのだろうなあ、と。

これ、ある意味DAZN、マッチルーム興行が、世界の広い視野で見れば「理想郷」たる部分だ、と見えたりもします。
何かと米大陸偏重のボクシング界ですが、世界に広がる配信網から向けられる目線によって、従来のそれとは違う形での「秩序」がもたらされつつある、と見るべき現象なのかもしれない、だったら良いなぁ、と。
実際にはカネロとの契約がなくなり、米国マーケットでの状況は、とてもじゃないが良いとは言えない、というのが実情らしく、何とも複雑な気分ではありますが。





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第二の人生は映像クリエイター 久田哲也がくれた「感動」

2021-10-17 09:00:58 | 関西ボクシング




元日本ライトフライ級チャンピオン、久田哲也「氏」、映像クリエイターに転身、という記事です。
来月13日には引退式も行われるとのこと。

ボクシング人生について、得たものを「感動」と総括しています。
勝つことのみならず「自分が闘うこと」自体がそれを生み出す、という言葉に、大いに同感です。


個人的には、どの試合がどう、という「点」ではなく「線」で見て感動的だった。
それが久田哲也というボクサーに対する記憶です。

二度にわたる世界戦での健闘や、三度目にして勝利した堀川謙一戦などは、もちろん特筆すべきものです。
しかし、15年3月に、杦本健太にまさかの(失礼)判定負けを喫して、次の小坂駿戦でも、7回まで大差(と見えました)のリードを許しながら、最終8回に逆転KO勝ち。
そこから13連勝で京口紘人挑戦へと進んだその過程は、他ではなかなか見られない「V字回復」でした。

杦本戦の時点で既に充分「ベテラン」であった久田は、この敗戦で日本ランクも上位から大きく落とし、まさにキャリアそのものが危機にありました。
その状況で迎えた小坂戦も劣勢で、7回終了時、失礼ながら、見ていて「ああ、久田もこれで終わりかな」と思っていたものでした。
それが「終わってみれば」ご存じの通りです。世界タイトルこそ手が届きませんでしたが、その実績、実力は、まさに一流のファイターだったと、多くのボクシングファンが認めるものになりました。脱帽するしかありません。


思えば、若手の頃から、会場で、映像で、かなりの試合数を見てきたボクサーでした。
最初の頃は、正直そこまで注目していませんでしたが、今となっては「忘れ得ぬ」ボクサーのひとりです。

映像クリエイターとは、言えば意外な転身ですが、第二の人生に幸多かれ、と思います。
そして、今頃ですが、長きに渡るボクサーとしての健闘に、敬意と感謝を。お疲れさまでした。


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メイン級のセミファイナル 前田稔輝vs木村蓮太朗、ホールで激突!

2021-10-16 07:04:06 | 関東ボクシング





12月9日、三迫ジム主催のダイヤモンドグローブ興行ですね、日本ウェルター級タイトルマッチが決定
小原佳太が、永野祐樹との指名試合となるであろう再戦を来年に控え、ひとつ防衛戦をやることになりました。
相手はこれも帝拳の玉山鉄二。アジア二冠の豊嶋亮太と合わせると、帝拳勢による小原包囲網の趣です。


と、選択試合としてはなかなかのカードだと思うんですが、この興行、セミファイナルが大変です
メインを食いかねないカードというか、セミの若手対決要注目、の構図。まるで力石徹vs矢吹丈のようです。


日本拳法から転じて8戦全勝の前田稔輝と、アマチュアエリートから6回戦デビューで5戦全勝の木村蓮太朗。
大阪と静岡のサウスポー対決が、後楽園ホールで実現します。

前田の方はここ二試合、ダウンをしたりKOを逃したりと、上のレベルで強打以外の部分を問われる過程のさなか、という印象。
木村も前戦で、強打の齋藤陽二に二度ダウンを食う試練を経たばかり。

共に勢いに乗っている、という状況にはないですが、それでもこの若手対決にて、どちらかが飛躍のきっかけを掴むことになるかもしれません。


フェザーから上げて来た前田と、ライト級でも出来そうな木村、体格やパワーでは木村か。
しかし足で外して打たせず、正確に当てていく精度では、前田にも分がありそうに思います。


いやこれは、本当に要注目というか、よく今組んだなあというカードです。
両者の明暗が、この段階で決定的に切り分けられる試合になるかどうかはわかりませんが、そうなったとて不思議でないほど、両者ともに、浅いキャリアながら決定的な力を持つ者同士。
本当に、目が離せない試合になりそうです。



12月9日は木曜日、フジボクシング三迫枠ということは、ネット配信もなく、フジで後日放送、しかもフルラウンド流れる保証は無し...この試合は是非ライブで、フルに見たい、と思うのですが。
どうしたものか。悩ましいところです。大阪でやってくれたら助かったのですが...。




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矢吹正道に破格オファー オプションふたつを買い取る海外プロモーターとは?

2021-10-15 16:47:15 | 中部ボクシング




矢吹正道、来年以降の初防衛戦を決断。その理由について語る、という記事です。


「海外大手プロモーター」から、真正ジムが持つオプションふたつ買取りを込みにしたオファーが来ていて、その報酬も破格(思っていた倍以上)の金額だった、とのことですが、またえらく景気が良いというか、あまり聞かない話ですね。
日本の現状、というか矢吹が現在所属するジムの興行力もあってのこと、でしょうが...当然自前でやる、と言える大手(帝拳とか)の選手でないことが、矢吹にとって幸いする?のかもしれません。


大手プロモーター、といっても、トップランクやPBCの様子を見ていると、軽量級にそこまで力入れてるようにも見えません。
やっぱりマッチルーム=エディ・ハーンかなあ、とぼんやり思ってましたが、ここ数日、こちらがえらく賑々しいですね。
ノニト・ドネアと契約、ジョンリエル・カシメロvsポール・バトラー戦落札、そのバトラーと契約、と。


リチャード・シェイファーという人は、元々オスカー・デラホーヤが立ち上げたゴールデンボーイ・プロモーションを成功させた功労者で、きちんとしたビジネスマンとしてのキャリアを持つ、貴重な人材であり「まともな人」という評判でした。
その後デラホーヤと離反し、自分の会社やってましたが、その会社の名前を変えたのか、新たに作ったのか知りませんが「プロベラム」社の名は、早々に覚えねばならない固有名詞になりそうですね。
単に「井上尚弥案件」に関わろう?というだけでなく、矢吹との契約に動いているならば、それは多くの国々に試合を配信するDAZNのために京口紘人を獲得したマッチルームにも通じる、新たな戦略の一環なのかも?と想像できます。
この辺は、実際どうなのか全然わからないので、勝手にあれこれ思うだけですが(笑)。


あと、中谷潤人との再戦希望、というのも、なかなかドラマチックな話ではあります。
この記事読んで気づきましたが、言われてみれば「三重ダービー」なんですね、このカード。

まあしかし、何より見たいのは、やはり寺地拳四朗との再戦ではあります。
本人が試合直後に言ったように、ベストの状態でもう一度、とお願いしたいです。




あと、拳四朗がWBC1位に「残れる」かどうかも、ちょっと注目ポイントですね。
WBCって、この辺極めて恣意的に動きますんで...長期政権を築いた王者が、王者のまま転級しても1位にしてもらえなかったかと思ったら、負けて落ちても、格下相手に何試合か勝って、ほとぼりが冷めたら、しれっと1位に戻っていたり...真面目に決めるつもり無いやろ、と突っ込みたくなったことは、過去に何度もあります。
拳四朗は果たして、どう扱われるんでしょうか。遠からず、答えはある程度見えると思います。




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見どころ多い技巧派でした 星野敬太郎死去

2021-10-14 03:43:30 | 関東ボクシング




元ミニマム級世界王者、星野敬太郎が死去。
昨日の記事によると、死因は肝硬変だった、とのことです。


国内では上位や王座を狙える技巧が抜きん出ていて、時々外国人相手に痛烈に負けたりもしたみたいですが(映像を見る機会はありませんでした)、日本タイトルマッチのルビリアル茨城戦や、中島浩との二試合などを見た限り、川島郭志にも通じるレベルの選手と見えました。
世界戦に進んでからは、僅差の判定を失う試合もありましたが、ジョマ・ガンボアからの二度の王座獲得戦は、どちらも立派なものでした。
ガンボアにしてみれば、天敵のような存在だったのでしょうが。


直に試合を見る機会は一度だけで、大阪城ホールで徳山昌守とジェリー・ペニャロサが再戦したときに、ダブルメインで組まれたノエル・アランブレットとの試合、こちらも再戦でした。
あの大会場、二階席からだったので、判定の是非については難しいなあ、としか言えませんが、初めて直に見る星野敬太郎のボクシングは、相手との駆け引きが巧く、出方や狙いを聡く見てはその対応を考えて様々に動き、手を返す繰り返しで、遠目にも実に見どころが多く、見ていて飽きない、楽しいものでした。

その試合ぶりから伝わってくる「情報量」が、TVの映像から伝わってくるそれとは、かなり違う。
いやこれは良いボクサーだなぁ、としみじみ思ったのを覚えています。



引退後は岐阜でジムを開設、後進を育成しているとのことでしたが、その後ジム閉鎖、沖縄へ移住、という話は今回初めて知りました。
現役時代から、けっこう自由人とうか、飾らない人柄が伝えられ、引退と言えば再起、ということも何度かありました。
しかしそれも、その時々に思ったことを表現するか否かの違いであって、己の気持ちに忠実に生きる人なんだろう、と思うのみ、でした。
何か軽やかで、涼しげなイメージが常にありました。


52歳での死は、あまりに早過ぎます。
残念ですが、良いボクシングを見せてもらえたなあ、という思い出は消えません。
ご冥福をお祈りしたいと思います。



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井上尚弥、次は年内、国内で 14日間隔離を受け容れる相手は?

2021-10-13 04:48:47 | 井上尚弥





ということで井上尚弥、メディアにインタビューをリリース

内容として気になるのは、体重の具体的な数字と、会場の入場制限のあたりでしょうか。
ジムワーク時にライト級くらいある、と以前は言われてましたが、一階級上がってるみたいです。

入場制限、チケットの枚数は、12月でも、やはりこれが前提にならざるを得ないんでしょうかね。
例えば横浜アリーナだったら、半分でも8千人くらい、とか...なかなかそうもいかないでしょうが。


大橋会長は年内、国内開催を明らかにした、とのこと。「交渉は大詰め」だそうです。

対戦相手ですが、この記事にある、14日間の隔離期間を承知で来日し、井上と年末に試合するとなると、名のある選手や、米国の大手プロモーター契約選手は、おそらく除外される、と見るべきでしょう。残念なことですが。
その上で、杉浦大介氏のTwitter情報にあったとおりに「アジア」の選手、と括り、WBAとIBFのランキングに絞ると、出てくる名前は四つです。



WBA9位、ジョナス・スルタン。フィリピン。
来日経験があり、翁長吾央に判定負け。池永竜也に2回KO勝ち。これはG+で見ました。
有名どころでは、ソニーボーイ・ハロ(元WBCフライ級王者。五十嵐俊幸に敗れ陥落。久高寛之にも判定負け)に判定勝ち。
そして何より、Sフライ級時代のジョンリエル・カシメロに判定勝ちの星が光ります。
この辺はちょっとした売り文句?になるかも。小柄ながらパンチはけっこうあり、勝負が出来るタイプ、という印象。


WBA12位はタサーナ・サラパット、タイ。
井上拓真にWBC暫定戦で判定負けした長身のサウスポー。
この経歴ひとつだけで、おそらく除外されるだろうと思いますが。
当時は「ペッチ・CPフレッシュマート」とかいうリングネームが併記されてたような記憶あり。



IBFからは、6位のアラン・ディパエン、タイ。14戦12勝(11KO)2敗。
栗原慶太にKO負け、小國以載をダウンさせたが判定負けのスックプラサード・ポンピタックを下して、IBFパンパシフィック王座獲得。
これでIBFランクに入った模様。以前はSフライの同タイトル王者でもあり。

19年に来日し、荒川竜平に2回KO勝ち。これはデビュー5戦目だった模様。6回戦です。
BoxRecによると、この時点では4戦3勝(2KO)1敗。当日のパンフにどう書いてあったかは知りません(笑)。






3年前、階級も違い、サウスポー相手でもあり、あまり参考にはならないですが。
年齢は今、30歳とのことで、ムエタイが長かったクチ、でしょうかね。



最後はIBF10位、アストン・パリクテ。
井岡一翔にTKO負け、ドニー・ニエテスと引き分けの、Sフライ級ランカーだった選手。今はバンタムなんですね。
可能性ゼロではないでしょうが、これも選ばれるとは思いにくいです。


ランカーで言えばこの辺で、後は日本人選手ですが、まず無いでしょう。
これ以外の可能性も、ないことはないでしょうが、アジアで括るとなれば、この中から選ばれるんだろうと思います。
最有力はスルタンでしょうか?




個人的な都合を言えば、相手どうこうもそうですが、やはり日時と場所を早く知りたいですね。
井上本人も、入場制限の話を自らしているあたり、チケットが手に入るものかどうか、かなり難しいのではないか、と。
噂の「神戸」の話が実現し、そこに組み込まれるならともかくも...おそらく別なんでしょうし。

何にしろ、ただでさえ難しい4団体統一、コロナで拍車がかかり、ようやく収まりかけている?と思っても、すぐに何もかも元通りとはいかず。
まだまだ、色々と大変です。しかし、可能性として、あれやこれや見に行こうかどうしようか、と思えているだけでも、有り難いことではあるのでしょうね。




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井上尚弥、次戦は「調整試合」か 年内カシメロ戦は消えた?(改題、追記あり)

2021-10-11 14:01:50 | 井上尚弥




以前書いた記事のコメント欄で、井上尚弥がジムで、今後について語っている動画を紹介いただきました。
何しろ直接、本人が現状を率直に語っている内容で、驚かされました。
ちょっとミット打ちなどの音が入っているので、聞き取りにくいですが、要旨を書き出してみました。



階級については、当面バンタムにとどまるつもり、と明言しています。
相手が決まらない、みんな逃げるなら階級を上げろという声も一部にはあるようだが、統一戦というのは各団体の1位に待ってもらってやるものだから、色々難しいのは仕方ない、とのことです。


で、年内にもと期待される、次戦については、以下のように語っています。


「ドネア、カシメロ(それぞれの)指名試合は、まだ決定では無い、と聞いている」
「それに希望をもって、オファーしている」

「(ルーシー・)ウォーレン、(アントニオ・)ラッセルは、米国開催で対戦のオファーをしたが、プロモーターに断られた」
「プロモーターが違うのが問題かも」

「(なので次は)日本開催で“調整試合”になる(かも)」
「来年の春には、日本でドネアとやれる、と聞いている」

「大橋会長と話したが、今、カシメロに猛烈オファーをかけている(とのこと)」
「もしこれが出来れば、12月にカシメロとやって、ドネアvsガバリョの勝者とやるのが理想」

「ドネアからは、12月は無理、やるなら来春という話が、きちんと(正式に)来ている。これは納得出来る話」
「カシメロは何かうやむや。ちゃんとした答え、返事がない。やる気あるのかな」

「最終的に4団体統一出来れば」



次は年内、国内での「調整試合」が可能性高し、ただしカシメロにオファーしているので、こちらも可能性ゼロではない?

※カシメロ、ポール・バトラー戦は、こちらの記事によると12月11日予定、とのこと。
これがそのとおり挙行されるのなら、井上戦は無理ですね。追記しておきます。


ドネアとの年内対戦はない見込み。来春の可能性大。

そして、これまたコメント欄で紹介いただいた、杉浦大介氏のTwitterによると、次は「アジアの選手」である、と。
まあ、ドネアもカシメロもそうですが...それ以外だと、タイの選手くらいですかね。よくわかりませんが。


と、現状はこういうところのようです。
ウォーレン、ラッセル戦の場合は米国開催だったのですね。なるほどなあ。




色々情報量が多いものの、公式動画、というものではないようですが、何しろ本人が語っているものですから、良いのでしょう。貼っておきます。
4分くらいから。次戦について語っているところからです。







こういうスターボクサーの試合にまつわる交渉過程というものは、色々不都合もあるのか、伏せられているものが多いですけど、最近は海外報道や、対戦相手及びその関係者が先に話をめくってしまう場合もあったりします。
それでも黙して正式発表までは...みたいな感じで、日本の関係者諸氏は頑張ってはりますが(笑)ホントに古いなあ、と思うばかりです。

それが今回、いきなり本人登場、ほぼ包み隠さず、詳らかに語ってくれているのですから、衝撃的でさえありました。
やはり井上尚弥、こんなところでも破壊力抜群というか(笑)。


何にせよ、早く次戦決まって欲しいですね。そして、来春以降?の大勝負も...。



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三戦めにして5度のダウン応酬! フューリー、強打ワイルダーを返り討ち

2021-10-10 19:13:22 | 海外ボクシング




初戦引き分け、二戦目フューリー圧勝を受けた三試合目は、過去の試合内容と重なる部分、そうでない部分が交錯し、期待以上の大激戦となりました。


初回、デオンテイ・ワイルダーが左ボディジャブを伸ばし、右ボディストレートへと繋げる。
続いて、目先を変えて、上に右を飛ばしてくる。一見して「やり方変えてきた」とわかる。
これが続けば、タイソン・フューリーは思うように身体を寄せられず、揉み合いに持ち込む頻度も下がるだろう、と見えました。

ただ、その反面、元々動きが滑らかとは言えないワイルダーの身体が、さらにぎくしゃくしている風でもあり。
下肢は硬くて「ぎっこんばったん」という感じで、打たれもしないうちから、踵に重心が行っている。
パンチの繋ぎもえらく間が空き、ワイドオープンになること再々。

これは何なんや、パワーアップのトレーニングが悪く出たのか、コンディション不良か、それとも歴戦のダメージが隠せなくなっているのか?と、不安にもなりました。


2回、フューリーは出て揉み合いに持ち込もうとする。ワイルダー、ミスもあるがワンツー繰り出す。離れていればワイルダーが良い。
3回、フューリーがリズムを取り、身体を立てて低めのガード設定ながら、正面からプレスかけて出る。
ワイルダー、右クロス続けて決めるが圧され、ロープ際で揉み合いから右フック、右アッパー、左と返され、キャンバスに落ちる。
ショートでも威力で上回れる、フューリーの体格が生きた攻撃。

4回、ワイルダー、フューリーのショート連打を受けるが、右から左フック返して反撃。
この左フックで、フューリー少し警戒したか、間を空けてしまう。
直後、少し下がったワイルダーが右ショートをこめかみに打ち込んで、逆にフューリーを倒す。
追撃で二度目。これはもう、軽い手打ちでしかなかったが、フューリーが転がるようにダウン。

好スタートから3回に暗転、というワイルダーが、4回、すぐに逆襲してみせる。凄い試合展開でした。


5回、両者ダメージありそうだが、フューリーがタイミングを変えたワンツーを決めて、流れを取り返す。
6回から7回、フューリーがワイルダーのワンツーを食っても凌ぎ、身体で圧してヒットを重ねて行く。

ワイルダーは相変わらず動きが重く、バランス悪い。良い間合いで打てる回数が減っていく。ロープにもたれ、よろめく場面も。

8回、フューリーはさまざまにタイミングを変えたワンツーを決めていく。大小さまざま、ワンとツーの間を空けたり詰めたり、左捨てて右狙ったり。
揉み合いも増え、頭を嫌がらせに使ったり、とにかく抜かりが無い。
9回、フューリーの左でワイルダーは再三のけぞる。避けるのに足がついていかない。右を打ち返すがフューリー撥ね付ける。

そして10回、耐えていたワイルダー、身体寄せてきたフューリーに右を打たれてダウン。
終わった、と思ったが立って、逆に右クロスヒットさせる。これ以上無い苦境、劣勢にあって、その闘志と馬力は驚異。
しかし11回、フューリーが身体寄せて、右アッパーから追撃、最後は右フックでなぎ倒し、ワイルダーダウン。
レフェリーが即座に試合を終わらせました。



試合全体を見返すと、過去二試合同様、互いの破壊力が凄いので、良いの決まると大変なことが起こる、という、いかにもヘビー級ならではの迫力が存分に見えた試合でした。
ただ、序盤4回までの展開は、三度目の対戦にして、さらに激しさを増しており、見ていて驚くばかりでした。

中盤以降は、これまた過去の展開の大半を占めた、フューリーの冷静な試合運び、その都度下す判断の的確さが光る流れでした。
要所でワイルダーの驚異的な粘り、勝負を捨てない闘志と、可能性を僅かでも残す一発強打の威力が見えたものの、フューリーが11回に仕留めるまでの流れは、ある程度まで必然と言えるものでした。


文字通り一打必倒、という感じがする、ワイルダーの強打に二度倒されつつも、体格を利し、果敢に身体を寄せて相手の体力を削ぎ、好機に強打を決めて仕留めたフューリーの、巧さと強さには、感心するしかありません。
細かいとこで嫌らしいこともしてますが、その出しどころ、引きどころを弁えている部分も含めて、この人色々と「上手」やなあ、と。

そしてワイルダーも、心技体のうち、技と体に問題と限界?を抱えつつ、彼なりに狙いを持って序盤スタートし、危機に遭っても逆襲をし、相手の戦略に絡め取られて以降も、要所で鋭い牙を剥いて、最後まで闘い抜いた姿は、堂々たるものでした。
前回の反省か、衣装も普通に軽めのものでしたしね(笑)。



両者ともに、現状の力を出し切り、限界あれどそれをかなう限り隠して、懸命に闘っていて、「健闘」なんて言い表すのも生易しい、その闘いに、まず大拍手を送りたい、そして脱帽せねば、という気持ちでもあります。
何といってもボクシングの看板、ヘビー級で、こんなマンガみたいな試合されたらかないませんな、という。


ボクシングの歴史上、ライバルが三度闘うラバーマッチ、一番の凡戦になるパターンもありますが、想像を超えた激戦になることもあります。今回は激戦の方でした。
それもヘビー級で、となると、ベタにアリとフレイジャーの「スリラ・イン・マニラ」以来のことかも知れません。
ボウ対ホリフィールドもありますが、あれ以上の試合だった、と言えそうです。

ということで、実に貴重な、物凄い試合を生中継で存分に楽しみました。今日は当たり、でしたね!


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今度も強打一本勝負「だけ」なのか 明日フューリー、ワイルダー三戦目

2021-10-09 12:22:25 | 海外ボクシング




ということで明日のWBCヘビー級タイトルマッチ、計量が終わりました。
タイソン・フューリー、デオンテイ・ワイルダー、ともにキャリア最重量を記録、とのこと。

初戦引き分け、二戦目はフューリー圧勝でしたが、フューリーがその体格を生かし、左リードを端緒にした「圧殺」という感じだった内容を受けて、今回の三戦目、ワイルダーもパワーアップを図った、というところなのでしょう。

こちらの、杉浦大介氏の記事に色々詳しいですが、前回もPPVの売り上げは期待ほどではなく(不正視聴への対策が甘かったせい、という話もありました)、今回の第三戦も、あちらでは今イチ盛り上がっていないらしいです。
これが事実なら、やはりこのカードがどう以前に、ボクシング人気そのものの問題かな、という気もしますが。



それでも実現した、せっかくの三戦目ですし、両者の健闘、ことにワイルダーの奮起が期待されるところでしょう。
前回はこれまた記事にあるとおり、変な衣装着込んで現れて、終わったらそれが重かったせいで、と言い訳するという、救い難い馬鹿さ加減で笑われたワイルダーですが、今回はそんなことのないようお願いしたいです。

実際、体重を増やし、パワーアップしたワイルダーが、自分の間合いを計り、リズムを作り、的を絞るための左(格好だけ、みたいに見えますが)を出し、一旦力を抜いたあとで、身体全体のパワーを一点集中させた右ストレートを打ち、それがフューリーのガードを破って、彼のアゴに到達すれば、39ポンド重いフューリーとて、無事では済まないはずです。

問題はその一撃をどう決めるか、そして展開の中で、その一撃をどう狙うかだけでなく、どう見せるか、位置づけるか、ということも含めたファイトプランが、ワイルダーに備わっているか、でしょう。
正直、他のパンチをあれこれ多彩に備えているわけではないですから、余計にその辺がシビアに問われてしまう、という面がありますね。

ただ単に「ええの当てたい」「ええの当たりさえすれば」の強打一本勝負、ということでしか無ければ、それこそ「リングのアインシュタイン」と呼ばれたモハメド・アリにも準える向きさえある、実は知性派?のフューリー(そう見られないことに、血道を上げている印象ですが)が、巧みに試合展開を支配していくことでしょうが...はてさて、どうなりますか。




明日は前座もヘビー級ホープ大挙登場、という感じです。

スタイリッシュなパンチャー、フランク・サンチェスと、パイナップル頭の強打、エフェ・アジャグバ、これはホープ対決。
フィンランドの巨人ロバート・ヘレニウスは、前回番狂わせ?で破ったポーランドの星アダム・コウナツキと再戦。
トップランクの若手ジャレド・アンダーソンも、無敗のロシア人と8回戦です。

どれも普通の興行メインカードでおかしくないような試合ばかり。ヘビー級祭り、という感じでさえあります。
まあ、闘うボクサー自身にしてみれば、それこそひとまとめにして見られ、その内容と結果を比較され、評されるというのは、文字通り生き残りをかけた試練の舞台、ということなのでしょうが。

さて、WOWOWの放送枠にどこまで入るのかなあ、というところですが、これに加えてエドガー・ベルランガやジュリアン・ウィリアムス、ロベイシー・ラミレスの試合まであるようです。
何とも豪華というか、勿体ないというか...コロナの影響もあって、色々立て込んでしまったのかもしれませんが。
さすがに7試合、WOWOWでやれるわけもないでしょうから、この辺は後日放送、ということでしょうかね。それはそれで楽しみですが。




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故意か否かでなく、起こったことの「質」が問題

2021-10-08 07:56:56 | 関西ボクシング




寺地拳四朗の陣営が、JBCに「質問状」を送付した、という話です。
この試合、そして矢吹正道の王座奪取にマイナス面があるとしたら、何よりもあのバッティングですね。

陣営は弁護士を交えて質問状を作成した、ということですが、その内容は9回のバッティングが「故意に見えた」というもので、試合結果を覆すつもりはない、というコメントもありました。
要するにこれは、将来再戦する時までに、それをJBCなりWBCなりに、新王者側に義務づけさせるための一歩、さらにいうなら「割合」を決めるためのスタート、なのでしょうね。


しかし、あのバッティングが故意かどうかを判断出来るのか。そんなこと、誰に出来るんですか、という話です。突き詰めて言えば。
見た印象でいえば、打ち込まれて劣勢に立たされた者が、頭を出して相手を食い止めようとする、くらいのバッティングもよくありはしますが、あのバッティングはそういう範疇に収まるものだっただろうか?と疑問に思ってはいます。

だが、故意であろうがそうであろうが、それを認定する必要などなく、レフェリーが起こったことを「悪質」と判断すれば、2点の減点を課すことが出来る、というルールがある。
そして、当該のレフェリーはその裁定を下しませんでした。
問われるのはその裁定の是非であって、バッティング自体が故意であるか偶然であるかは、問うべきところではないだろう、と思います。



================



あまり楽しくない話題ですが、もうひとつだけ。
レフェリーの裁定が、あの試合の結果を左右したかどうか、についてです。

矢吹のバッティングは6回に、初めて、目に見えたものがあって、その後7回、もう一度。
この時はレフェリーが分けて、注意していましたが、9回に起こった、三度目の、拳四朗の出血に繋がったバッティングは、何故か見過ごされてしまいました。
この三度目のバッティングは、上記のとおり、故意か否かは知らず(知りようもなく)「悪質」と見做されて仕方ない、と...映像で見返すと、そう見えます。
そして10回には、また攻めて出てくる拳四朗に対し、頭を出して止めようとした?場面もありました。


これらを全て、厳しく裁定するとしたら、6回にまず注意。
7回に減点1。
9回に、悪質なバッティングと見て、減点2。
10回、攻める拳四朗に矢吹が頭を出した時点で試合を止め、矢吹失格負け、拳四朗の勝利。
こういう裁定も、あり得たかもしれません。


しかし、後から映像で見て言えることと、実際に下される裁定は違う、という現実の前には、全ては無意味なのでしょう。
海外の試合では、ラウンド間の映像チェックにより、ダウン裁定が取り消されたりする事例が出てきてますが、あの試合にはそんな用意はされていなかったし、当然、ルールも事前合意も何もありませんでした。


こういう話、どちらかに肩入れして見れば、当然あれこれと言いたいことも出てきます。
しかし、それ以前のところで、選手ではなく試合運営に、結果として手落ちがあった、備えの不足があった、とは言えると思います。

また、一度目、二度目のときに、より厳しい警告、ないしは早めの減点裁定をしておけば、9回以降の事態を防げたかもしれません。
そして、あの試合がどういう結末を迎えようとも、その内容と結果が、否定的なイメージをもって語られる「余地」が生まれはしなかっただろう、と思います。

日本人のレフェリーは、どうも普段から、厳密に公正に、厳しい裁定を出す、という仕事に慣れていない人が多い、という「印象」ですが、それがコロナ渦の日本人同士による世界戦で、悪く出てしまった事例なのかもしれません。
常日頃から思っていることですが、この辺りは本当に、なかなか根本的な変化が見られないところです。「残念」ですね。





コメント (2)
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