老人党リアルグループ「護憲+」ブログ

現憲法の基本理念(国民主権、平和、人権)の視点で「世直し」を志す「護憲+」メンバーのメッセージ

統計の信頼性

2019-05-20 11:09:45 | 社会問題
今日の東京新聞に「終わらない統計不正問題」という記事がある。

私は何か意見を言いたいときは、それに関係する資料を出来るだけ見るようにしている。その場合に、「統計」もけっこう重要視する。

故なだいなださんは、「近頃はイジメが多い」という前提で話すTVスタッフに、「10年前の統計を見ているか」といった話をしたということを書いていらした。

10年前からイジメの統計を取っているが、その時の方が件数は2.5倍なのだと指摘している。(『つむじ先生の処方箋』(五月書房)の「イジメ報道をイジメる」)

つまり、現在の事件に対し、今だけ、感情だけで見てしまう危険性を指摘している。

しかし、この「統計」が、全く信頼できないとなったら…。

それが、東京新聞の指摘している「統計不正問題」だ。統計を取る時は、できるだけ調査法を変更しないことが、過去との対比に必要となる。

また、対象者をどう拾うかも大きな問題だ。もう1つ、恣意的に答えを誘導しない設問であることも重要だ。

ところが、経済指標として公的保険の給付額算定にも使われる「毎月勤労統計」が、2004年から勝手に対象を変えて統計を取った。つまり過去とは比較できなくなっている。

詳しくは新聞を読んでいただくとして、2018年に有識者会議で問題視されて明らかになったことは、不正統計のおかげで2000万人の雇用保険や労災保険の公的保険の給付が下がった。

これらの不正をただすための再給付を行うというが、そのためにかかる費用は、厚生労働省の役人の給与からではなく、私たちの税金と保険料で賄うのだそうだ。

また、統計不正の公表を回避したり、虚偽説明もしてきたが、野党議員は「不正の隠蔽」は「アベノミクスが成功であると見せかけるため」と指摘している。官邸からの圧力も疑われている。

ともかく、統計の不正は、国民からの信頼を全くなくしてしまう。国家的な調査は国でないとなかなかできない。それが信頼できないとなると、国家の今後の構想さえ危うくなるのだ。

統計が不正となると、何かを判断するとき、より感情的、個人志向に流されやすくなることすら起きかねない。これからは何か書くとき、まずは統計から疑わなくてはならないとは。

「護憲+BBS」「新聞記事などの紹介」より

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3 コメント

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統計不正の動機と対処 (Unknown)
2019-05-20 17:17:15
統計不正は動機があるから起きる。
対処は統計の2重化である。
二重化を即時に行えない場合は時間をかけて行うことになる。
福島の放射能で問題なのは、魚貝類、米、穀類からの内部被曝である。国内報道がない場合、海外の統計に依存することもある。国内報道が全く無い場合、福島の放射能はunder controlになってしまう。海外がどう見るかはまた別である。2020年に放射能オリンピックがボイコットされるかもしれない。統計をコントロールできても、人の口に蓋することはできない。 孫の代になって突然、がん患者が急増して、統計偽装がバレることもある。
日本を九州沖縄、西日本、東海、関東、東北北海道に分割し互いに競争するのがいい。現状のまま日本がunder controlでは22世紀の日本はない。
なぜ偽装に気が付かない (Unknown)
2019-05-21 11:03:31
統計不正の問題は不正があっても国民が気が付かないことにある。例えて言えば、東京大学がもっとも優秀な大学だと勘違いしているのと同じである。
優秀かどうかは比較、評価がない場合、思い込みであり、東大が世界トップテンに入っていると思いこむのと同じで、実は世界100位内にも入っていない。国民が東大の授業とuclaの授業を比較して、その優劣を比較せずに、どうして評価をくだせようか。義務教育も文科省に任せきりで、例えば韓国の義務教育と比較などしないようになっている。
その結果、韓国で就職できない韓国人が日本なら就職できるようになる。
「韓国の若者よ、日本で就職しよう!」 韓国協会が支援方針 すでに説明会開催
https://www.sankei.com/world/news/160229/wor1602290021-n1.html

だから日本の教育を7つ(沖縄、九州、関西、東海、関東、東北、北海道)に分割し、互いに競わせれば、もっとましな教育になり、韓国にも負けないようになるでしょう。
>外国人労働者を頼り、低賃金・低成長に陥った「IT下請け」の誤算
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/58816
>Unknown様 (珠)
2019-05-21 14:41:45
まずお願いです。色々な記事にコメントを下さることは感謝いたしております。ですが、Unknownさんではお1人なのか複数なのかすら分かりません。今後はハンドルネームをお付けいただけないでしょうか?

ご指摘の福島の放射能問題では、おっしゃるように非常に恣意的な統計や基準、そして発表が行われたと私も思っております。国がいくら「安全基準を満たした」と言っても、まずはその基準から疑わねばならない事態でしょう。
避難指示が解除されても、50%を超える住民が戻らないと決めているそうです。避難先での生活が根付いたことも大きいでしょうが、放射能への不安が拭えないことが、ことに若い世代にみられるようで、当然の選択だろうなと思います。

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