先日朝日新聞に今回の参議院選挙の結果を受けて、参議院議員の改憲:護憲の意思調査結果が掲載されていた。それによれば改憲派議員が減って改憲発議に必要な2/3を確保できない情勢らしい。2度と戦争はしない、巻き込まれたくないと思う護憲派国民には朗報であった。
しかし参議院選挙で護憲や9条護憲を掲げて戦った社民党、9条ネット、共産党は議席を減らし惨敗した。私自身は事前の各種世論調査で「民主党の躍進で野党が過半数を制するのは確実」との報を信じ、比例区は社民党候補の又市征治に投票した。テレビ討論等で口先を尖らして憲法改正反対を説く毒舌は失いたくないと思ったからである。又市議員は再選されたが、社民党はまたしても改選議員数(3)を確保できなかった。
何故であろうか、これを小選挙区制のためと理由づけするようでは、いつまでも議席挽回はむりである。多数を制する政党が自分に有利な小選挙区選挙制を改正するはずはないからである。
ところで、8月9日の朝日朝刊には社民党党首選挙が今秋に繰り上げ開催され、福島瑞穂現党首が続投の意欲だと報じられている。大いに結構である。しかし「昔のままで出てきました」だけでは、次の衆議院選挙でも党勢衰退は止められないであろう。何故なら衰退は今に始まったことではないからである。
衰退のターニングポイントをフリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』の「土井たか子」の記述から拾うと、次のように土井たか子氏が落選した原因と時期に同期するようである。
以下「土井たか子」:Wikipedeiaより抜粋。
「2002年3月に辻元清美政策秘書給料略取事件で指南役をかばったことから政策秘書の関与が取りざたされる。また、この件や同年9月に判明した北朝鮮による日本人拉致問題に関する対応などに反発して田嶋陽子が離党するなど、社民党は一気に国民の支持を失うこととなる。
2003年の第43回総選挙では、小選挙区で拉致問題を前面に打ち出した大前繁雄相手に落選したが、重複立候補した比例区で復活当選した。一旦は党首に留任すると言われたが、11月13日、党勢衰退の責を取り辞任した。2005年の第44回総選挙では、小選挙区での立候補を断念、比例代表に専念したが落選した。」
辻元清美氏はその後、議員も辞め裁判もうけ選挙の洗礼も受けているので、既に問題ない。要は「北朝鮮による日本人拉致問題に関する対応」である。当時社民党がどれほどの情報を持ってこの問題に対処したのか分らぬが、昭和50年代当時の拉致事件に関して、その捜査に当たったといわれる警察や公安当局からどれほどの情報量を提供されていたのであろうか。恐らく当時政権を担っていた自民党に比べて、はるかに少なく乏しかったであろう。
自民党ですら核心に迫れなかった一連の拉致事件である。例え朝鮮総連が拉致の事実を知っていたとしても、友好的関係にあったとされる社民党に事実を漏らすはずがない。北朝鮮は全く関与していないとの総連の主張を真に受けた方がうかつだったのであり、そこに適切な対処を誤る原因があったのであれば、国民に釈明すれば済むことである。
拉致問題は今でも重要な国内問題、国際問題であり、人権問題でもある。自民党安倍政権が解決の目玉にしている以上、見て見ぬ振りをしているわけにはいかない問題でもある。党として拉致に手を貸したわけではなく、単に情報判断を誤ったのであれば、党大会で総括し国民の理解を求め、党として独自に拉致被害者帰国に積極的に取り組むべきで、そうすることによってしかこの問題で国民の信頼を取り戻す手段はないはずである。ここは、従軍慰安婦問題について安倍首相がとった、恥も外聞もない米国への対応方法を、大いに参考にすべきであろう。
しかし衰退の原因はこれだけではない。社民党=護憲の党であることは既に国民も十分承知している。社民党も政治は護憲だけではないことを意識して、今回の選挙マニュフェストには年金問題、最低賃金引き上げ問題、医師看護婦不足問題等、約18項目の公約が掲げられていたが、何故か社民党、共産党の場合、国民にはその政策が実現可能とは見えないのである。どうも野党というあきらめの意識がそうさせているだけではなさそうである。
それでは何故画餅に見えるのか。最大の問題は党是である「護憲」の内容について、党内には自衛隊は違憲という人もいるからではないかと思う。仮に自衛隊が違憲との判断にたっての護憲であれば、現実無視であり、支持する国民は少ないであろう。このような非現実的な認識が党内にまかり通っているために、政権を任せられないという認識が国民の間に醸成され、その他の政策までが実現不可能な画餅に見え、結果として票につながらないのではないかと思う。
村山連立政権時代は専守防衛であれば自衛隊も認め、日米安保条約も認めていたはずである。これであれば国民も理解できるが果たしてどうなのか、党として統一見解を明確にすべき時である。専守防衛の自衛隊を認めたうえでの護憲政党であることを宣言しないことには、現在の党勢の衰退には歯止めはかけられないように思う。次の衆議院選挙まで永くても2年であり、待ったなしである。護憲派の議席を増やさないことには自民党内閣の憲法改正の発議を阻止できず、護憲には繋がらないのであり、是非とも福島党首に新機軸を打ち出して欲しいものである。
また護憲の立場に立って専守防衛のための自衛隊を認めたうえで、更に将来はスイスの永世中立制をモデルに、それを改善修正した永世中立国をめざすことも党の大胆な研究課題として打ち出すべきではなかろうか。何れにしろこのままの社民党であればジリ貧であり、私も見切りをつけたいと思っている次第である。
「護憲+BBS」「次期衆議院選挙=政権交代に向けて!」より
厚顔の美少年
しかし参議院選挙で護憲や9条護憲を掲げて戦った社民党、9条ネット、共産党は議席を減らし惨敗した。私自身は事前の各種世論調査で「民主党の躍進で野党が過半数を制するのは確実」との報を信じ、比例区は社民党候補の又市征治に投票した。テレビ討論等で口先を尖らして憲法改正反対を説く毒舌は失いたくないと思ったからである。又市議員は再選されたが、社民党はまたしても改選議員数(3)を確保できなかった。
何故であろうか、これを小選挙区制のためと理由づけするようでは、いつまでも議席挽回はむりである。多数を制する政党が自分に有利な小選挙区選挙制を改正するはずはないからである。
ところで、8月9日の朝日朝刊には社民党党首選挙が今秋に繰り上げ開催され、福島瑞穂現党首が続投の意欲だと報じられている。大いに結構である。しかし「昔のままで出てきました」だけでは、次の衆議院選挙でも党勢衰退は止められないであろう。何故なら衰退は今に始まったことではないからである。
衰退のターニングポイントをフリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』の「土井たか子」の記述から拾うと、次のように土井たか子氏が落選した原因と時期に同期するようである。
以下「土井たか子」:Wikipedeiaより抜粋。
「2002年3月に辻元清美政策秘書給料略取事件で指南役をかばったことから政策秘書の関与が取りざたされる。また、この件や同年9月に判明した北朝鮮による日本人拉致問題に関する対応などに反発して田嶋陽子が離党するなど、社民党は一気に国民の支持を失うこととなる。
2003年の第43回総選挙では、小選挙区で拉致問題を前面に打ち出した大前繁雄相手に落選したが、重複立候補した比例区で復活当選した。一旦は党首に留任すると言われたが、11月13日、党勢衰退の責を取り辞任した。2005年の第44回総選挙では、小選挙区での立候補を断念、比例代表に専念したが落選した。」
辻元清美氏はその後、議員も辞め裁判もうけ選挙の洗礼も受けているので、既に問題ない。要は「北朝鮮による日本人拉致問題に関する対応」である。当時社民党がどれほどの情報を持ってこの問題に対処したのか分らぬが、昭和50年代当時の拉致事件に関して、その捜査に当たったといわれる警察や公安当局からどれほどの情報量を提供されていたのであろうか。恐らく当時政権を担っていた自民党に比べて、はるかに少なく乏しかったであろう。
自民党ですら核心に迫れなかった一連の拉致事件である。例え朝鮮総連が拉致の事実を知っていたとしても、友好的関係にあったとされる社民党に事実を漏らすはずがない。北朝鮮は全く関与していないとの総連の主張を真に受けた方がうかつだったのであり、そこに適切な対処を誤る原因があったのであれば、国民に釈明すれば済むことである。
拉致問題は今でも重要な国内問題、国際問題であり、人権問題でもある。自民党安倍政権が解決の目玉にしている以上、見て見ぬ振りをしているわけにはいかない問題でもある。党として拉致に手を貸したわけではなく、単に情報判断を誤ったのであれば、党大会で総括し国民の理解を求め、党として独自に拉致被害者帰国に積極的に取り組むべきで、そうすることによってしかこの問題で国民の信頼を取り戻す手段はないはずである。ここは、従軍慰安婦問題について安倍首相がとった、恥も外聞もない米国への対応方法を、大いに参考にすべきであろう。
しかし衰退の原因はこれだけではない。社民党=護憲の党であることは既に国民も十分承知している。社民党も政治は護憲だけではないことを意識して、今回の選挙マニュフェストには年金問題、最低賃金引き上げ問題、医師看護婦不足問題等、約18項目の公約が掲げられていたが、何故か社民党、共産党の場合、国民にはその政策が実現可能とは見えないのである。どうも野党というあきらめの意識がそうさせているだけではなさそうである。
それでは何故画餅に見えるのか。最大の問題は党是である「護憲」の内容について、党内には自衛隊は違憲という人もいるからではないかと思う。仮に自衛隊が違憲との判断にたっての護憲であれば、現実無視であり、支持する国民は少ないであろう。このような非現実的な認識が党内にまかり通っているために、政権を任せられないという認識が国民の間に醸成され、その他の政策までが実現不可能な画餅に見え、結果として票につながらないのではないかと思う。
村山連立政権時代は専守防衛であれば自衛隊も認め、日米安保条約も認めていたはずである。これであれば国民も理解できるが果たしてどうなのか、党として統一見解を明確にすべき時である。専守防衛の自衛隊を認めたうえでの護憲政党であることを宣言しないことには、現在の党勢の衰退には歯止めはかけられないように思う。次の衆議院選挙まで永くても2年であり、待ったなしである。護憲派の議席を増やさないことには自民党内閣の憲法改正の発議を阻止できず、護憲には繋がらないのであり、是非とも福島党首に新機軸を打ち出して欲しいものである。
また護憲の立場に立って専守防衛のための自衛隊を認めたうえで、更に将来はスイスの永世中立制をモデルに、それを改善修正した永世中立国をめざすことも党の大胆な研究課題として打ち出すべきではなかろうか。何れにしろこのままの社民党であればジリ貧であり、私も見切りをつけたいと思っている次第である。
「護憲+BBS」「次期衆議院選挙=政権交代に向けて!」より
厚顔の美少年
「護憲」と言う、シングル・イシューの主張は、過去、曲がりなりにも議会で第2党を維持していた旧社会党の時代に比べ、余りにもメッセージ性が弱かったと思います。万年野党の共産党と同じでは、党勢復活は望めません。
そして、そのシングル・イシューの護憲論にしても、9条堅持なのか、進歩的改憲は認めるのか、自衛隊をどう位置づけるのかなど、国民の中にある多様な温度差のいずれにも対応できないで、ただ「憲法を守る」と言い続けるだけでは、護憲派の支持もなかなか集まらないでしょうね。
その意味で、私はもっと「論憲」をするべきだと思っています。
それなくして、自民党復古的改憲に対抗することはできません。
民主党の自民党よりは穏健な改憲草案についての意見も無いようでは、社民党は護憲を標榜する資格は無いと言うべきでしょう。
共産党はもっと始末に終えないですけどね。
そのことは、以下の発言に端的に表現されています。
>ただ「憲法を守る」と言い続けるだけでは
驚きですね。9条の会の活動はどう評価するのでしょうか?共産党が「護憲をいい続けるだけ」というのは事実に反しますね。これでは国民の知る権利を擁護しないメディアと同じ立場になってしまいますね。
「論憲」も意味不明な言葉です。「憲法を論じる」というのであれば、国民の権利や日本の民主主義を擁護発展させる立場から最も憲法を論じているのは誰なんでしょうか?それが見えていないことを裏付けています。それは「国民の中にある多様な温度差」論に端的に示されています。このことは国民を信頼できないことを自ら述べているのではないのでしょうか?
邪論は思います。
今回の選挙は、9条の会の活動が広がってきたことの反映だと確信しています。小泉構造改革の「痛み」を拒否した国民は、憲法第25条が裾野として確実に広がってきていることを示したと思いますし、況や憲法第9条を改悪して「戦後レジームから脱却」し「美しい国」をつくるという安倍首相の言葉を胡散臭く思った国民の拒否宣言であったと思っております。
ただ、民主党に票が集まったのは、二大政党制を煽るメディア(その震源地は財界ですが)の影響によるものだと思います。選択肢を二つに絞る手法は判りやすい、その点で抵抗勢力を作り出した小泉首相と同じ手法です。これは多様な価値観を否定するという点で民主主義違反です。
しかし、この政党の力関係は流動的でしょう。民主党がテロ特措法やシラク支援法を見直すと表明したことそのものが、国民世論・感情を反映したもので、それ自身が憲法9条の真骨頂を示したと言えます。小沢代表が在日米国大使との会談でテロ特措法に反対する理由に憲法第9条をあげたのは、現在の国民世論を良く反映したものでした。ここに選挙の結果を象徴することを読み取る必要があります。
眠り猫さんは、こうした事実をどうお思いになるのでしょうか?眠り猫さんの共産党嫌い=感情でものを見るのはいかがなものでしょうか?