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老人党リアルグループ「護憲+」ブログ

現憲法の基本理念(国民主権、平和、人権)の視点で「世直し」を志す「護憲+」メンバーのメッセージ

「歴史の中の憲法」

2015-05-15 16:18:37 | 憲法
タイトルの言葉は家永三郎氏の本の表題である。家永先生は近代史の著作を多く刊行されていたが、特に自由民権運動の歴史や太平洋戦争に関する著述が多かった。

家永訴訟;教科書裁判は、特に検閲官である文部省が家永氏の日本史教科書にある太平洋戦争の記述を何か所か例にあげて「戦争を暗く描きすぎている」という理由などで書き換えを迫ったことなどを私は鮮明に記憶している。その中に広島での被災者の写真もあったはずである。一体「暗くない戦争」というもの、つまり「明るい戦争」などがあるのだろうか。

表題の問題に戻ると、家永氏はこの本の中で憲法が歴史の只中から生まれ、そして歴史の只中で闇に葬られることもあることを伝えたかったのかもしれない。

明治の初頭、まだ憲法(旧憲法)も制定されず、政府の圧政により30万人もの農民が破産に追い込まれ田畑や土地を失うという年(明治17年)が存在した。

家永氏が注目していた民権家エリート層はこの年早々と自由党を解党して、政府のおこぼれをもらう側に逃走したが、関東の一部地域の地方民権家は生命を擲って武装蜂起に打って出たのである。まだ民権思想も定着していない時期に人民に呼び掛けて、1万人規模の蜂起に立ち上がったのである。事件の後は徹底した弾圧の嵐が民権家を襲った。彼らは憲法もなく、人権思想も萌芽の段階で自由党などの私擬憲法を拠り所に、立ち上がったのである。

家永氏は憲法が歴史の中の存在であり、憲法思想が胎動している時期でも、憲法が歴史的に形成されつつあることを実証しようとしたのであろう。

近代初頭の歴史からまがりなりにも日本国憲法がいまだ存在している現在はどうか。今まさにこの歴史の中の憲法が、時の権力によって蹂躙されようとしている時期であるが、国民はこの憲法を破壊しようとしている権力に票を投じて、憲法の破壊主体である安倍政権に寄り添っていこうとしている。歴史は繰り返すのであろうか。

こういう事態が現出するとは。私たちは現憲法が制定された昭和22年前後に思いをはせる責任が誰しもにあるのではないだろうか。いかなる時代に憲法が誕生したのか。国民の大半が飢餓感や貧困にあえいでいた時代だったのでないか。しかし、その時の人々に今はないかもしれないが「希望」があったのであろう。憲法の誕生と日本の上空に広がる青空が「希望」の源泉でもあった。

歴史の中で生起してきた憲法を手放すことでいいのか。そんなに憲法は軽い存在なのだろうか。憲法を手放すときには希望もなくすときでもある。ここで、踏みとどまらずして後はない。

「護憲+BBS」「憲法を考える」より
名無しの探偵
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「安保法制11法案」の閣議決定は「憲法違反・無効」だ!

2015-05-15 16:02:02 | 憲法
今日(5月14日)、安倍内閣は「平和の名のもとに行う人殺しに加担する法案」の閣議決定をするそうだ。あの終戦(殺し合いの終息)の日から続いた「国の名の下に行う破壊・傷害・殺人からの永久放棄」を墨で塗りつぶす曲がり角を曲がろうとする。

「国権の最高機関を構成すると自負する永田町」は、「一票の格差を言揚げして得意顔の弁護士村」は、ことあるごとに駆り集められて憂国顔・知恵者顔をご披露くださる「有識者の面々」は、はたまた「投票日一日主権者でご満悦の国の礎達」は、思考停止よろしく傍観者を決め込む。

少なくとも現内閣およびそれを支えるもろもろを構成する人たちの手元には「日本国憲法」はないらしい。座右にあったとしてもそれは日本語で書かれ、某国語で書かれていないから、読めないらしい。

お願いだから、日本語をもう一度学び、読み砕いてほしい。第一章から第九章までは走り読みでもいい。眼を見開いて第十章・たったの三条だから熟読してほしい。この規定を前に、万人何を思うか。

現内閣の構成員およびそれに媚笑いを浮かべすり寄る人々。明白な「憲法違反行為」の実行・加担者ではないのか。

この国は、最高法規のもとに構成された法治国家である。それを無視・踏みにじって行ういかなる行為も、合法性を具備しえない。この法体制によって得た地位・行為は、その中にあるゆえに有効であり、この自明を理解できない者は、それから退去・排除されるべきであろう。

「永田町」周辺で上がる声も含め、「憲法違反・無効」を鮮明にするための「提訴」を待ち望むものである。

「護憲+BBS」「メンバーの今日の、今週の、今月のひとこと」より
百山
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