老人党リアルグループ「護憲+」ブログ

現憲法の基本理念(国民主権、平和、人権)の視点で「世直し」を志す「護憲+」メンバーのメッセージ

世の中動き始めた

2008-05-02 22:19:47 | 憲法
全国で7千を超えた9条の会の中でもとりわけユニークなのが、今年2月に宮城県の市町村長経験者14人が結成した「憲法9条を守る首長の会」です。前白石市長の川井貞一会長は宮城県庁での記者会見で次のようなアピールを発表しました。

「私たちは、憲法9条の『改憲』こそ、住民の安心・安全を脅かす最たるものであり、断固としてこの動きを阻止し、憲法9条を守らなければならないと決意を新たにしています」。

白石市長を5期20年、全国市長会副会長にも選ばれた川井氏は「アメリカに引きずられ、日本が危ない方向に進んでいる。国に遠慮せず地方から声を上げることが必要」といい「首長というのは、民生の安定と福祉の向上に心を砕くものです。それが住民の安心、安全を守ることになると、常に思っていました。それを根底から覆すのが戦争です。だから9条は守るべきなのです」。(5月4日赤旗日曜版より)

長く続いた55年体制の下で「平和を語る」のは左翼という偏見がまかり通っていました。いまようやくうっとうしい暗雲の隙間から曙光が射しはじめ、澤地久枝さんも「世の中動き始めたな」と感じておられるとか。

「護憲+BBS」「新聞記事などの紹介」より
宮天狗
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5・1朝日新聞「私の視点:9条違憲判決」より

2008-05-02 09:56:02 | 憲法
1日の朝日の「私の視点」に1973年に「長沼ナイキ基地訴訟」で自衛隊違憲判決を出した札幌地裁の元裁判長福島重雄弁護士(富山市)が、去る4月17日の名古屋高裁の憲法違反の判決について、「長沼ナイキ判決」以来の35年ぶりの憲法に踏み込んだ判決だ、との投稿を寄せられている。

氏の投稿内容を検索できずに転載できないのは残念であるが、氏はその中で「日本の裁判所には国防など高度に政治性のある国家行為については、司法は判断権を有しないとする、いわゆる統治行為論という考え方がある」と指摘し、これが憲法判断に踏み込む妨げになっていると述べておられる。

更に「そもそも三権分立の中で、司法が一定の分野について判断を避けるという姿勢は、政治に追随・譲歩することに他ならず、日本が法治国家ではなくなってしまう」と述べ、加えて憲法81条「最高裁判所は、一切の法律、命令、規則または処分が憲法に適合するかしないかを決定する権限を有する終審裁判所である」をとりあげ、新聞タイトルでは「司法は堂々と憲法判断を」と訴えられている。

誠に尤もなご意見であり、憲法76条3項「すべての裁判官は、その良心に従い独立してその職権を行ひ、この憲法及び法律のみに拘束される」に準じて来られた、現役時代の姿を見る想いがする。まさにTHE裁判官である。

一方、「私の視点」には長沼ナイキ判決後の福島裁判官への冷遇を批判するかの如く、裁判官時代の簡単な異動経歴も紹介されている。それによれば、「73年の長沼ナイキの判決後、東京地裁手形部、福島、福井家裁に勤務し、89年に定年まで6年残して退官。現在、富山市で弁護士事務所を開設77才」と紹介されている。

35年前の長沼ナイキ裁判時の福島弁護士の年齢を逆算すると42才であり、裁判官として油が乗りきり、正義感に燃えておられた頃と想像される。しかし判決後の上記の異動経歴を観れば誰が観ても日の当たる処遇ではなく、しかも定年まで6年を残しての退官と紹介されている。まさに行政訴訟で正当な判決を下した場合の見せしめのような冷い人事異動を見るような思いである。これでは裁判官も「統治行為論」を楯にして憲法判断を避けるようになるのは当然であろう。

先の名古屋高裁判決に対する福田首相の「傍論」発言や閣僚の裁判軽視の発言は、裁判官は憲法で内閣が指名若しくは任命するのだと言わんばかりである。名古屋高裁の違憲判決も既に退官を覚悟したのうえでの判決文であったことも重ね合わせれば、如何に裁判官が行政権力に敷かれているか察しがつくのではあるまいか。

現役裁判官は元札幌地裁の福島重雄裁判長や元名古屋高裁の青山邦夫裁判長の行政に屈しない裁判官魂を見習って欲しいものである。それにしても、日本の三権分立は名ばかり、見せかけである。そうでないと言うならせめて「統治行為論」とやらを廃棄処分せよ!と言いたい。

「護憲+BBS」「裁判・司法行政ウォッチング」より
厚顔の美少年
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