老人党リアルグループ「護憲+」ブログ

現憲法の基本理念(国民主権、平和、人権)の視点で「世直し」を志す「護憲+」メンバーのメッセージ

報告:講演会「憲法25条と現代の貧困」(1/19)

2008-01-25 14:22:34 | 社会問題
少し古いイベントの報告になりますが、1月19日「憲法25条と現代の貧困」というテーマでの湯浅誠さんの講演会に行って参りました。

「貧乏」と「貧困」の違いをみなさんわかりますか?たんにお金がない、資産がないというのは貧乏。一方、「貧困」というのは資産がないというだけでなく、その人が生きていく為の多くの溜めがない、ということなのだそうです。

「教育からの排除」
「企業福祉からの排除」
「社会的福祉からの排除」
「家族からの排除」
「自分自身からの排除」

湯浅さんは大まかな排除としてこの5つを挙げています。

ホームレス、ネット難民、そして友人の住まいを転々としたりする人達の半分以上は、中卒かあるいは高校中退、高卒の学歴の人だそうです。そして今「雇用保険」は1980年代までは勤労者の500㌫が受けていたのが、今は20㌫に落ち込み、殆どが公務員大企業の正規労働者に限られ、本当に必要な人達には届いていないという現実。

最後のセフティーネットといわれる「生活保護」も北九州の事例を見るまでもなく、全国的に福祉事務所の窓口で追い返される人達も増えているとか。それも、湯浅さんが一緒についていったらすんなり通ったという話を聞いて、酷い矛盾を感じました。

家族と暮らしているフリーターは、まだ生活できるだけ良いのかも知れない。けれどその為の家族間の軋轢、葛藤は凄まじいものがあり、昨今の新聞の社会面を賑わす「親殺し」「子殺し」にも繋がっているのではないだろうか、と話しておられました。

乳幼児の虐待も、その半分以上が税金免除家庭で起きているとのこと。東京都の給食費免除家庭は2割を超え、足立区に至っては4割を超えている。自分の生き方、明日への望みも希望もなく死んで行く人が、年間3万人にも上っている。

そこで私は不思議な思いにとらわれました。「給食費免除家庭とはいっても、親は携帯を持っているじゃないか。中には高級車を乗り回している親もいるというし、払えないのではなくて、わざと払わないんじゃないの」という声が必ず聞こえる。そして「今の若者はこらえ性がない、昔はみんな苦しくても歯をくいしばって頑張って来たんだ」という声。

そして必ず聞こえる「貧困が見えない」という声。「銀座の高級レストランに行ったら満杯状態でみんな楽しげに食事をしている、これで今の日本は不況なの?」という声。はてさて、これはどうした事でしょう。同じ国に住んでいて、これほどまでに「見えない貧困」というのは。それは一部で言われているようにたんにマスコミが煽っている現象に過ぎないのでしょうか?

19日の講演会では色々な事を考えさせられました。私がここ数年関わっている団体では何人か生活保護を受けておられる人もいます。私はそれまでとても失礼な事だったのですが、生活保護を受けている人って「ホームレスみたいな人達」という漠然とした先入観がありました。でも、その人達は私達と同じように暮らし、生活しているのです。これは「見ようとしなければ見えない、自分に関心がないことは見ようとしない」典型的な例ですね。そして何処の誰が流しているのか知らないけれど、先進国であり、飽食日本の面白可笑しい情報満載のテレビ。

「貧困の一番の敵は無関心」だそうです。中々答えは出ませんが、これからも機会がある事に「見えない貧困」について私なりに考えて行きたいと思っています。

「護憲+BBS」「イベントの紹介」より
パンドラ
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企業の競争はよいことか?

2008-01-25 11:53:42 | 社会問題
ビジネスからリタイヤしてから、今まで当たり前と思っていたことが、ちょっと違うかなと改めて気がついたことが、沢山ある。少しづつ書いてみたい。

「企業の競争は、価格を安くし、品質も、サービスもよくなり、会社の発展にも、従業員にも市民にもよいことである。官公庁や、競争のない独占企業(道路、郵便など)は政治家の悪の温床のもとともなり、サービスもよくない。」

そう考えて、私自身もビジネス競争のなかで頑張ってきた。

談合に反対し、競争に持ち込み、安く受注したり、新規顧客の獲得のため他社から奪い取ったり、少しでも売り上げを増やし、コストダウンを図ってきた。それが、従業員のためにも、お客のためにもよいことであると疑うことはなかった。

しかし、ここ数年の会社人間の生活をみると、派遣社員をはじめ契約社員が多くなり給料は安くなるばかりである。人間の生活のために、果たして「競争」はよいことなのだろうかと思い直すようになった。

反論を覚悟で書くが、日本のなあなあ主義、談合により仕事を分け合うこと、効率はよくないが、市の公民館、福利、保険業務などの充実(縮小反対-前には縮小賛成の傾向)などは、目くじらを立てることばかりではないと感じてきた。

「護憲+BBS」「企業の競争はよいことか?」より
昭和人
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