「チャイルド44」の続編。といっても、ほぼすっかり内容を忘れてしまったころになって読み始めたので、ゾーヤとエレナを引き取ることになった経緯もおぼろげにしか思い出せない(汗)。でも当然、独立した物語としてちゃんと読めるので大丈夫。
この上なく強固だと思われてきた国家体制がある日突然ひっくり返されたら、その体制に従属することで利益を得てきた人々はどうなるか。虐げられてきた人々はどうするか。レオの気持ちもゾーヤの気持ちも理解はできるので、その分すごく痛々しいんだけども……果たしてレオの捨て身の行動は実を結ぶのか。ライーサはどの道を選ぶのか。
レオの肉体と精神への筆舌に尽くしがたい過酷な試練が手を変え品を変え襲い来る上巻は、それでも下巻への布石にすぎないということがよくわかる。そんな下巻は上巻以上に、読み始めるとほぼ一気に読ませてくれる勢いがあるった。もともと脚本など書いてるらしい作者なので、目が離せない展開を作るのがうまいのかな。
フラエラがアニーシャに戻ることはなかったけど、「プラハの春」に懸けた思いは、人民と何ら違うところはなかったのだろうと思う。そしゾーヤを変えるきっかけになったのは、結局のところ愛だった――ということと、さらにスターリン主義もひとまずの終焉を迎え、一見するとレオとその家族にとっては望んだ形で解決をみたように感じられるのだが、それでもこのシリーズ(?)にはまだ続編があるということなので、そこで何が起こっているか期待したい。
とはいえ、マリシュがああなったあとでもゾーヤがレオに普通に接するようになっていたのは若干、驚いたところでもあった。「いつもいつもそんなことばかり考えていたくない」と言えるようになった時点で、確かにゾーヤはレオの思いを受け止める準備ができ始めてはいたのだろうけど。
そういえば、切り口も表現も(当然個性も)全く違うけど、先だって読んだウォルトンの「ファージング」3部作と根底にあるものが似ている感じもするなぁとちょっと思った。体制側にいて、体制を変えたいと望む人間が何を為すか、みたいなところが。
この上なく強固だと思われてきた国家体制がある日突然ひっくり返されたら、その体制に従属することで利益を得てきた人々はどうなるか。虐げられてきた人々はどうするか。レオの気持ちもゾーヤの気持ちも理解はできるので、その分すごく痛々しいんだけども……果たしてレオの捨て身の行動は実を結ぶのか。ライーサはどの道を選ぶのか。
レオの肉体と精神への筆舌に尽くしがたい過酷な試練が手を変え品を変え襲い来る上巻は、それでも下巻への布石にすぎないということがよくわかる。そんな下巻は上巻以上に、読み始めるとほぼ一気に読ませてくれる勢いがあるった。もともと脚本など書いてるらしい作者なので、目が離せない展開を作るのがうまいのかな。
フラエラがアニーシャに戻ることはなかったけど、「プラハの春」に懸けた思いは、人民と何ら違うところはなかったのだろうと思う。そしゾーヤを変えるきっかけになったのは、結局のところ愛だった――ということと、さらにスターリン主義もひとまずの終焉を迎え、一見するとレオとその家族にとっては望んだ形で解決をみたように感じられるのだが、それでもこのシリーズ(?)にはまだ続編があるということなので、そこで何が起こっているか期待したい。
とはいえ、マリシュがああなったあとでもゾーヤがレオに普通に接するようになっていたのは若干、驚いたところでもあった。「いつもいつもそんなことばかり考えていたくない」と言えるようになった時点で、確かにゾーヤはレオの思いを受け止める準備ができ始めてはいたのだろうけど。
そういえば、切り口も表現も(当然個性も)全く違うけど、先だって読んだウォルトンの「ファージング」3部作と根底にあるものが似ている感じもするなぁとちょっと思った。体制側にいて、体制を変えたいと望む人間が何を為すか、みたいなところが。
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