life goes on slowly

或る大阪近鉄バファローズファンの
偏愛と放浪の記録

「暗殺者の正義」(著:マーク・グリーニー/訳:伏見 威蕃)

2013-09-11 23:05:01 | 【書物】1点集中型
 久しぶりにこの手のものを読んだ気がする。スパイものっぽいもの(実際にはちょっと違うのだが)、ただしアクション満載。っていうかスパイものは読んでてもアクションが多いものってそんなに読んでないかも。福井晴敏のDAISシリーズ以来くらいか? というくらい思い出せない(笑)。
 とか言って、実際は何かしら読んでいたのではないかという気もするが(笑)実際、これを読んでからこれに近いものが思い出せないなぁと思っちゃうほどの精密なアクション描写。精密すぎて画を思い浮かべるのが逆に大変なくらい。
 加えて、もと所属したCIAから「目撃次第即射殺」の標的とされているが、その理由が未だ自身には謎のままの主人公ジェントリー(=グレイマン)と、もと同じチームのリーダーだったザックのやりとりもまたテンポが良い。それと、彼らがそれぞれ背負うものと感情との微妙なズレなんかも端々に感じられて面白い。もちろん、二転三転するジェントリーと彼のミッションを取り巻く状況も。なんかもう本当に、ジェントリーが生きているのが不思議だ(笑)

 でも実はこれシリーズもので、しかも2作目なんだということを読み始めてから知った。そもそもジェントリーが追われる身になった経緯なんかも(理由はまだはっきり見せてもらえないみたいだけど)前作にあるのかなと思いつつ、まあわかんなくてもそれなりに楽しめると思って読み進めてた。が、最後の最後でフィッツロイとの何やら大きな貸し借りを示されると俄然興味が湧いて、やっぱ前作も読んだ方が絶対良さそうだぞ、ということで読む予定リストに追加しておく。
 あと、エレンと触れ合えそうで触れ合えないラストシーンもいい。あともうほんの一歩なのにー! って別れがいかにも欧米作品らしいし、さらに続編を予感させる。って、続編があってもエレンと再会できるかどうかはまた別の話だけど。でもこのときすっぽかしたことをエレンに詫びるジェントリーの姿も、是非見たい(笑)。