心の風景

晴耕雨読を夢見る初老の雑記帳

3回目の四国八十八カ所巡り

2023-01-20 00:09:11 | 四国遍路

 ものの本で知りましたが「お四国病」という言葉があるそうです。四国八十八カ所遍路の旅に出かけると、その後もなんとなく気になって何度も出かけてしまうのだそうです。どうやら私も、その病にかかったかも(笑)。

 先週末、第3回目のお遍路に行ってきました。といっても今回はバスツアーが主体ですが、久しぶりに訪ねた四国の風景に、なんとなく心安らぐ時間をいただきました。でも驚くなかれ、6番札所の安楽寺の門前に「四国遍路五百度満願記念」と記した石柱が立っていて、先達の福田何某という方のお名前が刻まれていました。上には上があるものですが、山あり谷あり海辺ありの1200キロの道のりを500回も歩かれたとは驚くしかありません。3回目で大騒ぎしている自分を恥じる思いがいたします。
 1番札所の霊山寺にお参りしたときは、あいにく小雨が降っていました。まずはいつも通り本堂の奥で高齢の尼さんから四国遍路に出かけるにあたっての心得、そして十善戒の講話を聴きます。

 「不殺生」「不偸盗」「不邪淫」「不妄語」「不綺語」「不悪口」「不両舌」「不慳貪」「不瞋恚」「不邪見」。文字を見ただけで何をしてはいけないかが一目瞭然です。こんな当たり前のことができないのが人の世の常です。改めて足元を見つめることになります。
 お話しをお聞きしながら、ぼんやりとウクライナのことを思い浮かべてしまいました。現在のロシアの為政者に十善戒のお話を聞いてほしいものです。
 2回目の結願の際に立ち寄った霊山寺の近くにあるドイツ村を横目に、2番札所の極楽寺では弘法大師お手植えと言われる樹齢千数百年の長命杉のお出迎えを受け、3番札所の金泉寺では覗き込んで水面に顔が写れば長寿という古井戸を今回も覗いてしまいます。でも、井戸の底は真っ暗でした(笑)。源平合戦の時に義経軍が屋島に攻め入る途中に立ち寄って束の間の休息をとった金泉寺です。そして4番札所の大日寺、5番札所の地蔵寺、そして最後は安楽寺と巡ってこの日の旅は終わりました。
 歩き遍路のときは、6番札所の安楽寺の宿坊で泊まりました。温泉に浸かって疲れを癒し翌朝藤井寺をめざしましたが、田圃の畦道などをひたすら歩いた記憶があります。それは、「遍路ころがし」と言われる焼山寺に登る前の静けさでもありました。今回はそんな苦労もよそに、バスの車窓から阿波の国の風景をぼんやりと眺めながら、日帰りの四国遍路の旅を終えました。

 帰阪した二日後、人間ドックを受けました。6年前はリタイア直後でもあり、夫婦そろってドック入りしたのですが、今回は「最近もの忘れがひどくない?」と婆さんに言われて脳ドック付きを単身受検です。癌検査もすべてこなしましたから、何もないことの方がおかしい年齢です。
 翌日、病院に進められていたCARADA検診サポートなるスマホアプリをインストールしてみました。すると過去に受けた検査結果がずらずらと出てきました。今回の結果もいち早くスマホで確認できそうです。さきほど覗いてみたら、既に「血液検査速報値」なるものがアップされていました。あとでゆっくり眺めてみますが、便利になったと思う反面、ここまで個人情報が一括管理されている時代の到来を思いました。でも超高齢化時代です。備えあれば患えなし、ということなんでしょう。

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