心の風景

晴耕雨読を夢見る初老の雑記帳

戦争と音楽芸術 ~ ウクライナ国立歌劇場

2023-01-13 11:08:21 | Weblog

 旧暦ではこの時季、「水泉動」と言われ、地中の凍った泉が春に向けて動き始める時季なのだそうですが、ここ大阪は春を思わせるぽかぽか陽気に包まれています。でも、週末からお天気は崩れそう.......。
 早咲きのクリスマスローズが5輪だけ咲いています。花弁が下を向いているので、そのお顔を拝見することが適いません。というわけで2輪だけいただいて小さな器に入れてみました。やっと室内の環境に馴染んだのか、元気な姿が私の心を和ませてくれます。


 さて、日曜日には、ウクライナ国立歌劇場の公演「KARMEN」を見に中之島のフェスティバルホールに出かけてきました。少し早く着いたので、英国パブのHUBでホットワインをいただきながら開演時間を待ちます。


 メリメの原作「カルメン」の舞台はスペインのセビリア。素朴で真面目なフォセが、自由奔放で情熱的なカルメンに振り回されてしまうというお話しです。以前、フランス文学講座でメリメのお話しを聞いたことがありますが、どちらかといえば私はビゼーの曲そのものに心惹かれます。この日はジプシーの女性カルメンをイリーナ・ペトロヴァ、竜騎隊の伍長ドン・ホセをオレグ・ズラコマンが演じました。


 戦時下にあるウクライナです。今も砲撃を避け地下のホールで公演を続けているようですが、そんな環境にもめげず、ウクライナ国立歌劇場の皆さん、管弦楽団、合唱団、バレエの皆さんの熱演は休憩を挟んで3時間半にも及び、久しぶりに歌劇の素晴らしさを堪能しました。


 ロシアにもボリショイ歌劇場ほかいくつもの歌劇場があります。芸術、文化としての歌劇の世界に国境はないはずです。しかしロシアは今、軍事施設だけでなく民間施設はもとより歌劇場など多くの文化施設にも爆撃を繰り返しています。戦争だから仕方ない?長い年月を費やして作り上げてきた芸術、文化、人の「心」まで焼き尽くそうとする、いやなかったものにしてしまう人間の性。末恐ろしさを思います。
 かつて法学部政治学科に学んだ私です。みずから戦争を始めない、国家間のいかなる戦争にも参加せず中立を守る「永世中立」の先頭に立った田畑忍先生の講義を思い出します。この世に新人類が誕生しておよそ4万年。日々進歩し続ける人類ではあっても、「戦争」から逃れることができていません。これが生存競争ということなんでしょうか?。残念なことです。下の写真はフェスティバルのロビーで手にしたウクライナ支援チャリティーハンドタオル(大阪・泉州タオル)です。


 さあて、明日は3回目の「四国八十八カ所お遍路の旅」の第1回目です。年度末を迎えてNPOも仕事が輻輳しつつありますが、ここで少し場面転換を図ってこようと思います。 

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