二十四節気ではこの時季を「白露」と言うのだそうです。草花の葉先に透明な露が結び、白く光って見えるということのようですが、現実には未だそういう風情はありません。それでも、草露白→鶺鴒鳴→玄鳥去を経て、いよいよ秋分を迎えます。昔人は、自然のなかで微妙な季節の移り変わりを肌で感じながら心豊かな日々を過ごしてきました。日々パソコンに向かいネットの世界を彷徨っている私たちって、何か大切なものを置き忘れているのかもしれません。
そんなことをぼんやりと考えながら朝のお散歩に出かけると、お空はすっかり秋の装いです。我が家の花壇も秋植えの準備をしなければなりません。 秋といえば、四国を歩いているときに出会った真っ赤なヒガンバナの姿を思い出します。都会地の公園で見かけるのと違い、毒々しいまでの妖艶な赤い花の前でしばし立ち止まってしまいました。
四国霊場第五十八番仙遊寺のTwitterに「黄色の彼岸花が咲きました」とのお知らせ。数日前には「前庭の白い彼岸花、咲きました」、その前には「彼岸花が咲き出しました」と赤い花の写真が添えてありました。
仙遊寺の宿坊に泊まったのは3年前のことでした。2泊3日で太山寺から国分寺までの8カ寺を巡る2日目の宿泊先です。延命寺、南光坊、泰山寺を経て、映画「ボクは坊さん」のモデル・白川蜜成住職がいる栄福寺へ。その後、深い森の中の傾斜のきつい坂道をふうふう言いながら歩いてやっと到着したのが、標高280メートルの作礼山に佇む仙遊寺でした。なんとお風呂が温泉だったのでよく覚えています。
翌朝6時、本堂で朝のお勤めがありました。ご本尊は千手観音菩薩ですが、30分ほどお経に耳を傾けながらグレゴリオ聖歌に近いものを感じたのは私だけでしょうか。ケルンの大聖堂を思い出してしまいました。
ふだんTwitterはあまり使いませんが、四国遍路関係では、四国第57番札所栄福寺の白川蜜成住職などをフォローしています(笑)。秋が深まってくると、何かしらもう一度歩いてみたい衝動に駆られますが、どうなんでしょう?もう一度1200キロを歩く自信はありません。ただ、私にとって第二の人生の出発点にもなった四国八十八カ所は、私の心の奥深くにずしりと横たわっています。
今週は金、土とNPO関連の仕事があるため、1日早いブログ更新と相成りました。