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心の風景

晴耕雨読を夢見る初老の雑記帳

青森小旅行 ~ 大自然と棟方志功の世界に魅せられて

2022-09-02 13:20:18 | 旅行

 8月の末、二泊三日で青森に行ってきました。朝早く家を出て青森駅前に到着したのが10時半。いつものJALパック利用(飛行機と宿所の手配のみ)です。連泊する酸ヶ湯温泉に行くまで少し時間があったので、まずは棟方志功記念館を覗いてみました。
 特段に熱い思いがあったわけではなかったのですが、ちょうど夏の企画展「模様化の魅力~大自然・縄文」を開催中。30分ほどビデオを見たあと作品のひとつひとつに接していると、ついつい棟方作品に見入ってしまっている私がいました。
 作品名に「頌」とか「柵」の文字が多いので、どういう意味なんだろうと思っていたら「柵」について棟方の言葉が紹介されていました。「四国の巡礼の方々が寺々を廻られるとき、首に下げる、寺々へ納める廻札、あの意味なのです。この札は、ひとつひとつ自分の願いと信念をその寺に納めていくという意味で下げるものですが、わたくしの願所にひとつひとつ願かけの印札を収めていくということ、それがこの柵の本心なのです」。お土産に、飾れるはがき「『追開心経頌』より『自在の柵』」(1957年作)を買って帰りました。
 一方では、フィレンツェのウフィツィ美術館でみたボッティチェリ「ビーナスの誕生」に感銘を受けて制作した「貝族の柵」、ベートーヴェンの運命をテーマに制作した「運命頌」など、棟方ならではの自由奔放さを垣間見ることもできました。
 駅前に戻って、お昼に「のっけ丼」をいただいたあと、いよいよ送迎バスに乗って酸ヶ湯温泉に向かいました。この温泉を拠点に3日間、中日は奥入瀬、最終日は八甲田山に寄って帰阪、そんな小旅行です。
 酸ヶ湯温泉は、江戸時代から湯治客で賑わうレトロな温泉旅館でした。意外にも棟方志功が生前よく訪ねた温泉で、館内のいたるところに棟方の作品、写真などが飾られていて、午前に尋ねた棟方記念館を引きずって歩いているかのような錯覚を覚えたりもしました。
 農閑期には湯治客で賑わうのでしょうか。共同炊事場もありました。八甲田山の山懐に位置し、長い間積雪の多い冬場は休業していたようですが、東北新幹線開通と共にバス道の除雪も組織的に行われるようになり、現在では年中営業に代わっています。私にとってはもう一度行きたい温泉地候補となりました。
 奥入瀬は、若い頃に一度来たことがあります。今回は、宿から十和田湖行きの路線バスに乗ってブナ林を走って1時間、奥入瀬に到着です。一日に二往復しかない路線バスですので、銚子大滝バス停で下車、しばし散策したあと、折り返しバスに乗って奥入瀬渓流館まで戻り、そこで昼食を兼ねて小休止。14:40発の2便目のバスに乗って15:38に酸ヶ湯温泉に戻りました。あとは、温泉に入って疲れを癒し、美味しい地酒に酔いしれました(笑)。
 最終日は、宿の前から青森駅行きの路線バスに乗って八甲田山ロープウエイ駅前に向かいました。なんと八甲田山というお山はなく、いくつもの連なる山々を総称して八甲田山というのだそうです。標高1500メートルほどの山頂に着くと、遠くに津軽富士と言われる岩木山を望むことができました(写真では山頂が雲に隠れて見えません)。
 山頂では、青い森ネイチャーガイド協会のガイドさんに30分ほど自然遊歩道に沿ってご案内いただきました。ずいぶんなお歳のガイドさんでしたが、八甲田山をこよなく愛する方で詳しく説明していただきました。
 遊歩道の脇に、紫色のきれいな花が咲いていました。Googleレンズで調べたら、なんと悪名高いトリカブトでした。
 山を下り青森駅まで戻ったところで、空港行きバスの出発時刻まで暫し市内を散策しました。かつての青函連絡船が係留されている陸奥湾遊歩道の柵の上では1羽のカモメが羽休みをしていました。 こうして青森の大自然を堪能した小旅行も終わりました。清々しい空気感、気持ち良い温泉、そして美味しい食事と地酒。これを機に東北の街々をもう少し巡ってみたいと思うようになりました。

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