心の風景

晴耕雨読を夢見る初老の雑記帳

歩く楽しさ~ウォーキング

2017-02-17 21:04:39 | 歩く

 先週の土曜日は雪が舞う京の街を歩く予定でしたが、集合場所のJR二条駅に到着すると、担当の方から「申し訳ありません。大雪警報が発令されたので、きょうの大政奉還150年ウォークは中止になりました」と。あっちゃあ~自宅から1時間半もかけて来たのに。配付予定だったバレンタインチョコをいただいて、この日のウォークはあえなく終わりました。
 でもねぇ、お外は雪が舞っているわけでもなく、むしろ青空が眩しいお天気です。気象台はいったいどうなってんのと思いつつ、凍てついた路上で滑っている方がいらっしゃる。やむを得ないご判断だったということにしておきました。
 せっかく来たのだからと、知り合いの方とご一緒に予定のコースを少し歩くことにしました。まずは徳川家の栄枯盛衰の場ともいえる二条城に向かいました。国宝二の丸御殿、なかでも150年前に大政奉還の意思が表明された大広間を眺めながら、日本の歴史の節目を思ったものでした。
 その後、北上して旧京都府庁舎を経て御所へ。ここで知人と別れると、私は高倉通夷川上るの京都府古書籍商業協同組合に向かいました。ちょうど「古書会館de古本まつり」を開催中で、帰りに寄ろうと思っていたところです。入口こそ閑散としていましたが、エレベーターで3階にあがると、会場は老若男女、熱気に溢れていました。この日は小川国夫著「ゴッホ」を連れて帰りました。淡い茶色の印字と絵画の口絵が気に入りました。
 こうしていつも呑気に暮らしている私ですが、実はきのう確定申告に行ってきました。職場任せの納税手続きを卒業して、今回から税制の仕組みを念頭に必要な手続きをすることになります。それにしても国税庁のホームページにある確定申告書作成システムはよくできていました。若干、電話で問い合わせもしましたが、スムーズに仕上げることができました。
 確定申告の初日とあって、お隣の市にある所轄税務署に出かけると早や長蛇の列、聞けば4時間待ちとか。これはたいへんと担当の方に尋ねると、私が並んだのは相談者の列でした。申告書を提出するだけの者は別の入り口があって、いとも簡単に終わってしまいました。半日を想定していた私としてはとんだ肩透かしでした。
 この日は何も予定を入れていなかったので、久しぶりのお天気にも誘われて、バスで30分ほどの距離を歩いて帰ることにしました。時々、バス通りから離れて裏道を歩いたり、公共施設やお店を覗いたり。すると、こんもりとした鎮守の森が見えてきました。鳥居には山田神社とあります。創立は1279年。御祭神は「素戔嗚命」「稲田姫命」。えっ、私の田舎にある神社と同じです。こんな身近なところに、幼稚園の遠足の定番だった神社と同じ御祭神を祀る神社があるとは......。本殿にお参りをして帰りました。家に帰って万歩計をみると、この日の歩数は1万2千歩でした。
 早朝散歩を始めて半年が過ぎました。それにつれて日々「歩く」ことに対する拘りが増しているように思います。ちょっとしたお買い物はすべて徒歩。繁華街にでかけたときも地下鉄のひと駅やふた駅は歩きます。週の半ばにあった呑み会も、お店までのずいぶんな距離を街の風景を楽しみながら歩きました。
 なぜ歩くかって?歩くことで何かしら脳ミソが活性化してくるのが分かります。もちろん減量も期待しています(笑)。加えて、これまで気づかなかったもうひとつの街の風景に出会う楽しさもあります。先日は、我が街に弘法大師空海ゆかりの井戸を見つけました。なかなか美味しい水でした。またある日には、10数羽の鴨が羽を休める小さな池も発見しました。都会の片隅でほっとひと息つける空間です。
 そういえばきょうの毎日新聞の夕刊「旅~風景、人、物語」は、「ユルスナールの靴」を著した須賀敦子さんにスポットを当てたものでした。「きっちり足に合った靴さえあれば、じぶんはどこまでも歩いていけるはずだ」。靴に合わせて生き方に磨きをかけるか、相応の生き方に合った靴をみつけるのか。さあて私はどっち?
 そうそう、先週ご紹介したヘンリー・D・ソローですが、鎮守の森を守り日本にいち早くエコロジーの大切さを説いた南方熊楠とソローの親近性も見えてきました。そんなソローが、「歩く」ことについて3つのエッセイを書いています。そのうちの1冊「ウォーキング」(1862年)を、きょうアマゾンに注文しました。
 ........来週は四国遍路の旅に出かけてきます。土佐の国を歩きます。帰ってきたら、梅の花を求めて京の街を歩こうと思っています。

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