ピアノの音色 (愛野由美子のブログです)

クラシックピアノのレッスンと演奏活動を行っています。ちょっとした息抜きにどうぞお立ち寄り下さいませ。

「ゆっくり練習」と「高速練習」

2014年04月18日 | レッスンメモ
曲を練習する時には色んなテンポで練習するのがいいと思っています。その曲の持つ適度なテンポで弾けるようになることが大事なのはもちろんですが、たとえそれができるようになってもそのテンポばかりで練習せずに、あえて、ゆっくりのテンポや速過ぎるテンポを、練習に取り入れるという意味です。ゆっくり練習することが大切なことは言うまでもありません。ゆっくりゆっくり一つひとつの音色、音と音のつながり、関係性、縦ラインのバランスなどを吟味しながら、耳を澄まして良く聴きながら練習します。

もうひとつ、高速練習もお薦めです。これは音色の吟味というよりは、頭の中の整理整頓の練習です。暗譜ができている気になっていても、意外とすべての音を完璧に全部は把握してないことがあります。ピアノを弾くということは指と音が頭の中でつながっていなくてはならないわけですが、ちょっとしたことでそこが分からなくなったり迷ったりしてしまうことがあります。昨日までちゃんと覚えていたのに今日はどこかの音が一つ抜けたり、違う音に変身したりすることがあります。音と指のつながりの把握、これが頭の中できちんと整理整頓されてないといけません。このためには「高速練習」が効果的です。とにかく出来る限りのスピードで速く正確に弾く練習です。そうすると日頃普通に弾けていたところがうまく弾けなかったり、あやふやなところが出てきたりします。普通のテンポでは発見できない不確かな指の動き、これを発見してもう一度すべての音たちを、しっかり頭に入れ直して、どの指を使って鍵盤のどの位置をタッチするか、イメージを研ぎ澄ますのです。ただし、「高速練習」のやりすぎは危険です。演奏が雑になってしまいますからね。これはあくまでも音の並びの把握と指使いのための練習だということをお忘れなく。

そもそも曲の解釈の上で、どのようなテンポで弾くかというのは、それぞれのピアニストごとに、一番分かりやすい違いが出てくるところです。自分がその曲をどういうテンポで仕上げたいかということを極めていく上で、色んなテンポを自由自在に操ることができるようになっておくことは大切です。「高速練習」と「ゆっくり練習」を組み合わせながら、その曲にもっともふさわしいテンポを見つけ出して曲を完成させたいと思っています。
今日はお天気崩れそう。お花が散らないか心配です。私の頭の中の音符たちも散らないでほしい

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