ピアノの音色 (愛野由美子のブログです)

クラシックピアノのレッスンと演奏活動を行っています。ちょっとした息抜きにどうぞお立ち寄り下さいませ。

ピアノのとりあいっこ

2015年06月29日 | レッスンメモ
私の教室に通ってくれている生徒さんの中に、何組か姉妹や兄弟で通ってきてくれているご家庭があります。ピアノを2台持っていらっしゃるご家庭もありますが、ほとんどの場合は1台です。学校から帰ってきて夜まで、ピアノを練習できる時間には限りがあるので、兄弟・姉妹で仲良く交代しながら練習するということになります。

私の子ども時代は弟二人と一緒に育ちましたが、ピアノを弾くのは私だけだったので小さな頃からピアノは私一人が思い通りに使っていました。いつでも自分の好きな時に好きなだけ弾けたんです。だから兄弟姉妹でピアノを奪い合う、または譲り合うという環境は私自身は全然経験したことがありません。兄弟姉妹でピアノを共有しているご家庭の中には、お子さんたちの練習時間が不公平にならないように、ピアノの取り合いっこになって喧嘩しないように、練習の順番や練習時間を管理するのに苦労なさっているご家庭があります。それくらいそのご家庭ではみんな練習に熱心なんですね。兄弟姉妹でピアノを習っているご家庭はきっとみんなこんな感じなんだろうなあ、と思っていると、これが案外そうでもなくて、「子どもたちがピアノを取りあうなんて、なんて羨ましい。うちもそんな風になってほしい!」とおっしゃる方も少なくありません。

兄弟姉妹で一緒にピアノ(ほかの楽器でも)を習うというのはとても良いことだと思います。お互い刺激しあって、励まし合って、音楽の楽しさを仲良く自然と身につけられるからです。さて、上に書いた、ピアノをめぐってお子さんたちが争奪戦を繰り広げている熱心なご家庭ですが、ついに新しいピアノをもう一台購入されました。これで一人あたりの練習時間も多く取れるし、不平不満も少なくなるだろうと願ってのご決断です。熱心なお子さんたちのために本当に素晴らしい、有難いことですね。しばらく経って、その後どんな様子か、うかがってみました。すると、おどろいたことに 以前とほとんど変わらない争奪戦が今も進行中とおっしゃるのです。せっかく一台増えたのにどうして? と尋ねると、どの子もみんな新しいピアノで弾きたくて、「新しいピアノの取り合いっこ」が始まってると・・・。う~ん、これは想定外だったでしょうねえ。お母さんの嬉しい悩みはまだまだ続くという感じですね。

ピアノに限らず兄弟姉妹で、家族全体で、なにかしら音楽に親しむ環境というのがあるととてもいいと思います。ご家族みんながそれぞれに音楽を好きでいてくれること、これは大きいと思います。兄弟姉妹でピアノを練習して、家族みんなで楽しんで音楽に取り組んでいる姿勢をみると、連鎖反応が起きて、「ぼくも」「わたしも」となるのではないでしょうか? まずは、ピアノを弾くことを楽しむ。ならば、私は、ピアノの楽しさを教えなければならないという結論に達しております。

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歌っていいな

2015年06月27日 | レッスンメモ
「歌うように、弾きましょう」と生徒に言い続けて何十年・・・。しかし、みんなはどれだけ歌をきいてるかしら? ピアノをやっている生徒たちは意外と歌うのが苦手という人が多いですね。かく言う私もその一人。カラオケは大の苦手です。でも、歌を聴くのは大好きです。もちろんここでいう歌というのはオペラやリートなど、クラシックの歌曲のことです。別に歌謡曲やJポップが嫌いというわけではありませんが、さすがに時間がなくてとてもそこまでフォローできないので、最近の曲は全然知りません。サザンの桑田さんや、井上陽水さんあたりで止まってる感じ。これにユーミンとくれば私の青春時代が語りつくせてしまいそうです。

そんな、青春時代を彩る歌手の唄もいいですが、クラシックピアノをやるなら、クラシックの歌曲に接する機会をもっともっと増やしてほしいと思います。地方ではオペラや歌の公演を鑑賞する機会はあまり多くないので、私などもっぱらテレビ桟敷ですが、それでも全然OKだと思います。素晴らしいオペラ歌手たちの歌う姿を観ることによって何を学べるか、それは一言でいえば「表現力」です。歌唱力と演技力が一体となってほとばしる「表現力」。オペラの人たちって本当にすごい!と思ってしまいます。ピアノの演奏でも何が一番大事かというと、聴いてくださる皆さんに対して、どれだけ効果的に表現できるかということなのです。ピアノも歌も「表現」することが一番大事だということに違いはありません。ただ、楽器演奏と違って、歌の方はもっと直接的で、感情をストレートに(ときにはオーバーに)表現できるので、誰にでもとても分かり易いという違いがあります。そうなんです、そこが歌のいいところ。ピアノだけでは分かりづらい抑揚や、起伏。息遣いや感情表現。これをオペラ歌手に学びましょう。

私は「歌う」という言葉を「思い切り表現する」という意味で使っています。生徒たちをみていると、歌を歌うことを苦にしない生徒や、普段からおしゃべりなタイプの生徒の方が、ブレスがうまい。「ここで呼吸して!」なんて言わなくても自然にフレーズに合わせて呼吸が出来ている。もちろんピアノを通じておしゃべりしたり、思いっきり感情や心の叫びを「表現」してくれればいいので、実際に歌うのは苦手でも無口でも構わないんですけど、ピアノでの表現で殻を破れない時には、一度ほんとに大きな声を出して歌ってみてはどうでしょう。もっともっと歌って、心の底からというよりも身体の中から外に向かって思い切り放出して欲しいんです。みんなもっともっと恥ずかしがらずに殻をやぶってほしいですね。まずは、小声でいいから実際に声に出して歌ってみましょう。そしてだんだん大きな声で歌いましょう。私は教室で下手な歌を全身で歌いながら教えてるんだから!

私のイチオシのテノール歌手、グリゴーロ。しびれました!!

ヴィットリオ・グリゴーロ テノール・リサイタル(クラシック倶楽部 NHK

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八手連弾の曲探し

2015年06月24日 | レッスンメモ
昨日は地元の演奏家仲間「グループUNO」の一員として、八手連弾の合わせ練習をしました。曲はスメタナのソナタとモルダウです。この秋の定期公演でご披露する予定です。スメタナのモルダウといえば名曲中の名曲。やってて本当に楽しいですね。元々はオーケストラの曲をピアノ八手で表現するのですから、難しくもある反面、新しい発見もあって、ピアノという楽器の奥の深さを感じさせてくれます。もっともっと練習を重ねて息を合わせて、ピアノ八手ならではの魅力を皆さまにお届けできるようにしたいと思っています。

八手連弾の演奏機会というのはそんなにたくさんあるものではありません。私は去年初めて経験しました。すると、そのときのコンサートを聴いていた生徒たちが、「わあ、やりたい」「楽しそう!」と口ぐちに言うので、今年は教室の発表会に八手連弾を取り入れようと思っています。とはいえ、私自身まだまだ八手に関して研究不足で、どんな曲があって、どんな楽譜があるのか、実はまだよくわかっていないのです。

今年の発表会は11月。そろそろ曲を決めなければならないのですが、八手連弾のところで悩んでいます。皆さん、何かお薦めの曲があったらお知恵を貸してください! 簡単なのからちょっとむずかしそうなのまで幅広く、是非よろしくお願いします、Please help me!!

私自身、伴奏や室内楽、連弾など、アンサンブルはなんでも大好きなので、生徒の皆さんにも合わせの楽しみをたくさん知ってほしいと思っています。ピアノの練習をするときはいつも、自分の音をよーく聴きながら練習しましょうと言っていますが、合わせものを経験すると、必然的に「よく聴きながら演奏する」ということが身につきます。だから合わせの練習はソロの演奏にも役立つし、一人練習よりもうんと楽しいし、相方に迷惑をかけないよう必死で練習するし、いいことづくめです。ほらほら、「また譜読みがふえた~」なんて愚痴らずに、しっかりやりましょう

ようやく咲き始めたグラジオラス。これからますます楽しみです。

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PTNA地区予選

2015年06月22日 | レッスンメモ
先週、先々週と生徒たちがPTNAのコンペ予選に出場しました。それぞれにみんな良くがんばってくれました。本当に日頃から真面目で、音楽を大切にしている生徒たち。そしてその生徒たちを献身的にサポートしてくださる保護者の皆さん、それぞれの一生懸命な姿が通じたのでしょう、今回は音楽の神様からこれまでで一番多くのプレゼントをいただくことができました。

一人ひとりの生徒さんたちと共に歩む毎日。その成長ぶりには目を見張るものがあります。私の仕事は生徒の成長のお手伝いをすること。この点については確かな手ごたえを感じています(縦比較)。一方、コンペの成績は思い通りにはならないものです(横比較)。それでもとにかく自分を信じて、ずっとピアノと向き合って、続けていく、このことがどんなに大切か、コンペはそのことを教えてくれます。いいときもあれば悪い時もある。良い結果が出れば嬉しくなるのは当たり前。そうでないときはひどく落ち込むのもこれまた当たり前。だけど一番大切なことは、しっかり練習を積んだおかげで確実に以前よりうまくなった自分に自信をもつこと(結果にかかわらず)、そして、もっともっとやればもっともっとうまくなれるという単純で絶対に間違いのない法則を決して忘れないことです。

さて、これからまたそれぞれの課題に向けて、気持ちを切り替えて練習に励みましょう

<ご参考> 「縦比較と横比較」2014年のブログ


満開のギボウシ


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合わせ練習

2015年06月19日 | レッスンメモ
今度の9月のコンサートでサックス奏者の方と共演します。そして昨日は初めての合わせ練習。管楽器との共演は、フルート、クラリネット、ホルン、チューバ、ユーフォニウムとこれまで数々経験してきましたが、サックスとの共演は今回が初めてです。音色は温かく、しかも太い低音が身体を揺するようで、とても心地良く感じられ、楽しい合わせ練習でした。9月までまだ時間があるからと油断していると、直前になってまたヒーヒー苦しむハメになってしまいそう。ソロでやるときはそれも自業自得で、なんとか最後には間に合わせるんだ、という根性さえあればなんとかなるものです。けれども共演となるとそうはいきません。数少ない合わせ練習の機会に相方に迷惑をかけないように、歩調を合わせるように自分で練習を積んでおいた方がいいに決まっています。私は陸上部だった頃はスタートダッシュ派だったのですが、ピアノの方はどうもいつもラストスパート派。相方に迷惑をかけないように、合わせ練習日にもきちんと照準を合わせて練習をしておかなければと反省しております。

ところで教室の生徒たちの中にもスタートダッシュに強い生徒と、直前までドキドキハラハラさせて、なんとか本番で仕上げるというタイプの生徒がいます。本番の結果さえ良ければどちらのタイプでも別にいいじゃないかというと、そうではありません。音楽の喜びというのは決してソロ演奏だけで味わいつくせるものではないからです。いや、むしろ、本当の音楽の楽しさというのは、同じリズムに身をゆだね、色んな楽器や歌声との掛け合いを楽しみ、そうしてみんなと一緒に美しいハーモニーを創り出すところにあるのではないでしょうか。だとすればやっぱりみんなとの合わせ練習で後れを取らないように、きちんと、前倒し、前倒しで練習する習慣を身につけた方がいいですね。

さて、生徒に対してそう言うだけじゃなくて、私も合わせのための練習、もっと前倒しでやらなきゃ。来週は八手連弾の合わせです。これも楽しみ

 
梅雨はやっぱりアジサイが似合いますね。

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フロアライト

2015年06月17日 | レッスンメモ
ピアノの練習に明るい照明は欠かせません。ピアノの練習というのは楽譜や鍵盤の上を縦横無尽に素早く眼を走らせる必要があるので、眼を酷使するものです。部屋全体の明るさはもちろんですが、手元の明るさも大事。そこで手元の明るさを増やすために活躍するのがフロアライトです。教室では二本のフロアライトを使っていましたが、それでも暗いと感じていました。眼の悪い私は、益々譜読みが辛くなっていました。それで、もう一本欲しくなって、ずっとずっと地元のお店であちこち探したのですけどなかなか気に入ったものが見つかりません。そこで、ちょっと不安でしたけれど、今回はネット通販で購入。届いてみるとこれが大正解! 背丈も明るさも十分だし、角度の調整も楽々です。LEDなので熱も気になりません。
 これです。

 
ひどい近視でしかも乱視、おまけに左右で度数が全然違うという、視力の三重苦を抱える私ですが、これでやっと快適に練習とレッスンに励むことができます!

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松林図屏風

2015年06月16日 | レッスンメモ
忙中閑あり。先日、大分県立美術館に行ってきました。今年の4月に開館したばかりの真新しい美術館です。いつもコンサートやピアノのお仕事で利用している県立総合文化センターの真向かいにあるので、その工事の進行具合を横目で見ながら、完成を楽しみにしていました。

今回の展示の目玉は長谷川等伯の「松林図屏風」。国宝に指定されているこの名画、九州にやってくるのは今回が初めてだそうです。テレビや印刷物で見慣れている絵ではありますが、初めて本物を目の当たりにするとやっぱりまずその大きさに惹かれます。縦156.8cm、横356.0cm、という横長の絵ですが、私たちはこれを横一列に並べて鑑賞します。じっと眺めているとパノラマのような効果があって、自分がこの絵の中に入り込んで行くような、そんな錯覚にとらわれます。でもこの絵は元々6曲1双の屏風ということですから、横一列ではなくて部屋の中に囲うように屏風を立てて、その中でお客さまをおもてなしする、そんな場面を想像したくなります。この屏風をめぐらした部屋へお客さまを案内する。床に座って談笑する。近く、遠く、高く、幽玄な松林。ただし、主役は絵ではありません。決して主役ではないけれども、この屏風のおかげで、お客様をもてなすその部屋自体が、もう完全に別世界になってしまっています。そんな空間を作り上げてくれる魔法の仕掛け、何て素敵な贅沢でしょう。


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ホールのピアノを弾くときは

2015年06月15日 | レッスンメモ
この時期、全国的にコンペシーズンです。各地の会場でたくさんの生徒さんたちがホールのピアノで演奏しています。ピアノのコンペというのはリハーサルなしの一発勝負がおおいですね。その日、その会場で弾くホールのピアノがどんな調子なのか、日頃練習しているピアノと比べてどう違うのか、確認もできないままいきなり本番に向かいます。ほかの楽器では皆、日頃愛用の自分の楽器を持ち歩くのでこんな心配はいりません。これはピアノ弾きの宿命です。

その日初めて触れるピアノと向き合って、瞬時にそのピアノの特性を感知して、手なづけなければならないのです。「あれ?いつものピアノより、軽い」「あれ、いつものより浅い」「あれ、いつものピアノより、音がバンバンでる!」など、たくさんの「いつもじゃない!」ということが出てきます。

もちろんピアノだけでなく、ホール自体の持つ音響効果がいつもとは全然違うわけですから、益々聴こえてくる音がいつもと違ってきます。良く響くホール、デッドな感じで音が吸われるホールなど、会場によってさまざまです。ピアノとホールのコンビネーションがなせる音の響きの違い。これを本番で瞬時に察知して、日頃の練習成果を最大限に引き出すことができるかどうか。これは生易しいことではありません。

ここで一番力を発揮するのはやっぱり、耳。自分の耳で良く聴きながら弾く。よくよく音を聴いてどんな風に音が広がってるか、ホールに向けて飛んでるか、耳を澄ませて調整する。指をあやつる。ペダルを加減する。などコントロールするのです。それしかありません。弾きながら自分の音をよく聴きとるというのは言うほど簡単なことではありません。いつも通り弾けているのに、聴いている側にはそう伝わらないということもしばしばあるものです。でも、何回も経験しているうちに少しだけ分かって来るようになると思います。みんな小さいうちから何度も何度も失敗したり成功したりして、積み重ねて、そうして耳を研ぎ澄ましていくんですね。

コンペでホールのピアノを弾くときは、自分の耳でよく聴きながら弾くことを意識して、新しく出会ったピアノとすぐに仲良くなれるように心がけましょう。リハーサルなしで弾くピアノ、なんだか不安だけど怖がらずに、「こんにちは、君はどんなピアノ?今日はどんな調子? 一緒に仲良くやろうね」という気持ちで、ピアノにこちらから心を寄せていきましょう。そうすればきっとそのピアノが応えてくれて、あなたがもっている力を最大限に引き出してくれると思います。
 
満開のベゴニアたち。庭のあちこちで勝手に増えていくんです!

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花から学ぶ 「crescendo」

2015年06月13日 | レッスンメモ
クチナシの花がステキな香りをふりまきながら、次々と開花しています。つぼみはずい分前からスタンバイ状態を続けていたのですが、なかなか咲いてくれなくて、これ、本当に開くのかしら、と心配になるほどでした。らせん状に閉じたうす緑色のつぼみが毎日少しづつゆっくりふくらんで、ようやく蕾が大きくなったと思ったら次の日突然花開いてくれました。

じっと我慢して準備して、そしてゴール直前で一気に力を出し切る、まるでそんな感じです。これって、音楽のクレッシェンド(crescendo)のやり方の一つに似ていると思います。もちろんクレッシェンドと言っても色んなやり方がありますから一概には言えませんが、クチナシの花の開き方のようなクレッシェンド、少なくないと思います。

同じクレッシェンドでも2、4、6、8と規則正しく増えて行くのと、2、3、4、8のように不規則に、最後は一気にラストスパートで花開くというのではずい分印象が違います。自然の移ろいや人の心は、機械みたいに規則正しく変化していくわけではないことの方が多いのではないでしょうか? 

今、我が家ではクチナシが開き始め、カサブランカのつぼみがようやく出はじめてきたところ。カサブランカのつぼみの期間がこれまた長いんです。その分、開花した時のゴージャスなことといったらありません。それぞれのお花が、小さくて固い蕾の時期を経て、それぞれのクレッシェンドのタイミングで、花開く。こんな楽しみなことはありませんね




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歯を食いしばって生きてる!?

2015年06月11日 | レッスンメモ
数日前から食事の時に何かを噛むと少しズキッとするところがあって、気になっていました。だんだんひどくなってきたので、ついに今日、歯医者さんに行ってきました。皆さまもそうかもしれませんが、歯医者さんが大の苦手なのです。あの「キ~ン」という音を聞くだけで卒倒しそうになります。歯医者さんに行きたくないばっかりに、しっかり歯磨きして人一倍丁寧に自分でケアしているつもりです。その甲斐あって、もう何年も歯医者さんに行かずに済ませてきました。ああ、それなのに・・・。定期的なチェックすらずーっと受けずにここまできたので、これはきっと、たくさん虫歯が見つかるにちがいないと、憂鬱な気持ちで出かけました。

そうしたらなんと、結果は「虫歯は1本もありません」ということでした。痛みというか違和感の原因は「歯を食いしばる習慣のせいで、少しずつ歯が動いてしまって、噛み合わせが悪くなったからでしょう」とのこと。このような場合、特に疲れがたまっているときなどに痛みを感じ易いのだそうです。

そうなんだ、私って歯を食いしばって生きているということなのね。自分ではそんなつもりはなかったのですが、そう言われると確かに思い当るふしがないわけではありません。ハイ、私、歯を食いしばって生きてきましたwww  という訳で、今後は口や顎(あご)、肩、そして何よりも気持ちをリラックスさせて生活するようにと言われました。

リラックスするのは大切です。それはよく分かります。私も、本番を間近に控えた生徒たちに、「やることやったら、気持ちを楽にして、リラックスして本番に臨みなさいね」と伝えたいです。しかし、しかーし、それは、「やること」を本当にきちんとやってからのこと! だから、そちらのあなた、そこのきみ、それまでは歯を食いしばって頑張れ・・・、とハッパをかけることになります。

うーん、やっぱり私、歯を食いしばること、やめられないかも(笑)
 庭に咲いたクチナシの花とベゴニアです。これを観てひと時、リラックス。

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デュセックのソナチネを聴くと思いだすこと

2015年06月10日 | レッスンメモ
先日、実家の母が一週間ほど我が家で過ごしました。一緒に夕食を済ませた後、シューベルトの即興曲を聴いていたら、母が「ああ、この曲、ずい分練習したわ」と懐かしそうにつぶやきました。この曲久しぶりに聴くと言っていましたが、曲と共に当時の記憶があざやかに蘇ってきたようです。まだ十代の女の子だった頃の母。当時の家の薄暗い畳の部屋。一人、練習にとりかかる。そしてその頃の家族の様子や、自分とピアノのことなど、普段はすっかり忘れているそんなことを次々と思いだしたようで、とても懐かしそうに語って聞かせてくれました。

特別な思いでのある曲や、さして思い入れなどないのだけど、とにかく昔よく弾いていたり耳にしていた曲などが、時を経て、ふと、そのとき、その場面を思い出すきっかけになることがあります。私にもそんな経験がいろいろありますが、その中の一つがソナチネアルバムの全音版の17番です。これを耳にしたり、弾いたりすると、自然に私が通っていた小学校の音楽室の光景が浮かびます。なぜか家の中での練習風景ではなくて、学校の音楽教室なのです。教室の窓は木枠でできていて網戸はなくて開けっぱなしにしてありました。教壇というか小さなステージみたいに床から少し高くなったところにグランドピアノが置いてありました。当時私の家にあったピアノはアップライトだったので、グランドピアノを弾けるということ自体が特別なことでした。夏休みに、何か合唱か合奏かの練習で集まっていた時だと思います。先生が突然、「愛野さん、何か弾いてみてください」とおっしゃったので、その頃練習していたデュセックの「ソナチネ Op. 29-1」を弾きました。第1楽章がすんで第2楽章を弾きかけた時に、先生がちょっと何か言いかけたような気がしたので、弾くのをやめようとしたら「あ、続けて」と言われたのでそのまま全楽章を弾きました。同級生たちの前で急に弾いてと言われたのでちょっとどぎまぎしましたが無事に弾き終えました。そうしたら先生がとても褒めてくださいました。その先生はとても汗かきな先生で、その日は何度も何度も汗を拭きながら褒めてくださったのです。そのときの汗を拭く先生の様子をよく覚えています。もうその先生はお亡くなりになってしまいましたが、この曲を弾くたびにそのときのことを思い出します。

そのころの私は自分の弾くピアノを身内やピアノの先生以外に聴いてもらうということがほとんどなかったので、みんなの前で演奏して、しかも学校の先生にたくさん褒めてもらえたことがとても嬉しかったです。それまでの私は、ピアノの練習は嫌いではないものの、そんな特別に熱心だったわけでもありませんでした。でもこの時のことがきっかけになって、「これからはピアノ、もっとちゃんと練習しよう!」と小さい子どもなりに発奮したことを懐かしく思い出します。

昔の記憶の一つのシーンが映画の画面のように蘇ってくる。そんなきっかけになるような曲、皆さんはいくつくらいお持ちでしょうか?


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体幹の大切さ

2015年06月09日 | レッスンメモ
ピアノを弾くというのは、指を鍵盤のキーに触れさせてキーを押すということに他なりません。だから自分の指先のキーに接するところが一番肝心なので、自然とそこに意識と注意が向かうのは当然です。だけれど、その指先は、手のひら、手首、腕、肩、背骨から足腰まで、結局のところ身体全体に繋がっています。身体全体をうまく使って一本一本の指先に集中し、コントロールするのがピアニストです。繊細で素早い指の動きを、身体の他の部分が邪魔しては台無しです。そもそも土台がふらふらしていると、安定的に指先の繊細なコントロールなんて出来ません。体幹がしっかり定まっていないと、たとえ同じ曲の同じ個所でも、弾くたびに鍵盤と自分の身体の距離が違ってきたりします。鍵盤に伸ばした腕の角度が毎回違ってきたりします。これではどんなに練習を繰り返しても本当の意味の繰り返し練習になっていません。毎回違った弾き方を強いられているようなものだし、この次はどんな弾き方になるか自分にも分からないということになってしまいます。これでは練習の効率が上がりません。

スポーツの世界では「体幹」を鍛えることの大切さがさかんに言われていますが、これはピアノを弾く人にとっても同じように大切なことです。こんなこと今更言わなくてももうみんなよく知っています。ただ、このことが実際にきちんとできているかというと、それはまた別。指先の動きに身体が振り回されているような弾き方になってしまう子もいます。

体幹を意識していつも安定した土台の上で手指を踊らせましょう。とはいえ、これも他の指導ポイントと同じで、頭では分かっていても身につけるのはなかなか難しいですよね。体幹というのは指先から遠いので、ついつい意識から外れがちになってしまいます。曲に集中すればするほど、姿勢や身体の使い方(体幹がしっかりしているかどうか)なんて、意識から飛んでいっちゃいますからね(経験者は語る)。それでも実際に生徒たちに、特にそのことに注意してしっかり意識して弾いてもらうと、出てくる音がとたんに素晴らしいものになったりすることがあります。だからやっぱり体幹をきちんと意識して練習することは必要です。そしてそのときの身体の使い方を身体で覚えてほしいのです。本番ではそんなこと意識するヒマなんてないわけですから、これはもう日頃の練習で身体で覚えるしかありません。

毎回弾くたびに姿勢が定まらず、動き過ぎとか肩が上がり過ぎという生徒には、体幹のことを最優先に意識して練習させてみることも必要です。そのとき、「お!この音!」という音がでたら、それを何度も何度も繰り返して身体に、体幹に覚え込ませてほしいのです。体幹がしっかりしているときの音とそうでないときの音。この違いを体感してもらう。これが大事です!
 
ゴージャスなトルコキキョウと可憐なラン。どちらも花もちがよくて存分に楽しませてもらっています。


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Today is a gift.

2015年06月08日 | レッスンメモ
「Yesterday is history, Tomorrow is mystery, and Today is a gift.」という言葉が大好きです。ある人から教えてもらったこの言葉、私なりに解釈すれば、「昨日のことはもう済んだこと。明日がどんな日になるかなんて誰にも分からない。今日という日は神様からの贈り物、今日という時間を感謝して大切にする」ということになります。

済んでしまったことやこれから先のことをくよくよ心配するのではなくて、今日という日に集中して毎日を過ごしたいものです。今日という日に感謝して、コツコツと一日一日を積み重ねていく。まさに「Today is a gift」この積み重ねこそが人生だなあとつくづく思う今日この頃です。。。


ところでこの言葉、上に引用した後に実はまだ続きがあります。「That is why we call it present. だから(今日のことを)present というんだよ」というわけです。「present」という言葉の「贈り物」という意味と「現在」という意味を引っかけてるんですね。ちょっとオシャレなダジャレですね!

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元気な姿

2015年06月05日 | レッスンメモ
先日の「ゆうあいコンサート」のことが、佐賀新聞に紹介されてました。
 友人が送ってくれた写メです。
ちょうど10周年という節目だったこともあって、こうしてとりあげてくださったようです。ふるさとの新聞に載ると同級生や昔からの知人に冷やかされそうで、何だか面映ゆいですけど、とりあえず今でも元気にやってますという姿がみんなに伝わるかもと思うと嬉しいですね

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シューマンの「幻想小曲集」

2015年06月04日 | レッスンメモ
私はシューマンが大好きです。もちろんほかにもたくさん好きな作曲家はいますが、シューマンは特別。しばらくシューマンをやってないと、またシューマンに戻りたくなります。振り返ってみればここ一年近く、コンサートのプログラムにシューマンは入れてませんでした。そろそろむずむずしてきたところに、たまたま、シューマンの「幻想小曲集」を持ってレッスンにみえた生徒さんがいました。好きな曲だし思わずレッスンに熱が入ります。そうしてるうちにどんどんまた自分でこの曲を弾きたいと思うようになってきました。

私が初めて「幻想小曲集」を弾いたのは、遥か昔のこと。ちっともうまく弾けなくて、先生が「せっかくもう出来るかと思って、この曲をあなたに与えたのに・・・」とひどくがっかりされて、私は泣くような思いでさらったことを覚えています。そのときこの曲集の中で、特に出来が悪くて先生が落胆されたのは「夢のもつれ」でした。この曲、あとになって音大に通うようになって知ったんですけど、音大生の間では「指のもつれ」って呼ぶくらい悪名高い曲でした。ただ、初めて取り組んだその頃はそんなことも知らなくて、先生にあきれられる自分が恥ずかしいやら、悔しいやら、この曲のせいで私の心はひどく劣等感にさいなまれたのでした。大学に入ってからもシューマンの曲はずっと好きだったのですが、この「夢のもつれ」だけはそういうトラウマがあったので、しばらく敬遠していました。そのうちなんとか「指のもつれ」を克服して少しは「夢のもつれ」らしくなったのはハタチを過ぎたころだったかなあ。。。

ここのところご無沙汰しているので、また猛烈に弾きたくなってきました。最近は歳のせいかペダルを踏む脚がときどきつったりします。「指のもつれ」に加えて「脚のもつれ」にも注意して、この名曲に是非また挑戦したいと思っています


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