ピアノの音色 (愛野由美子のブログです)

クラシックピアノのレッスンと演奏活動を行っています。ちょっとした息抜きにどうぞお立ち寄り下さいませ。

「行け、我が想いよ、黄金の翼に乗って」 

2014年06月25日 | レッスンメモ
思いを音に乗せる。楽器を演奏する者はみんなこのことを願って日々練習します。歌を歌う人ももちろんそうです。その歌声にどれだけ自分の思いを込めることができるか、そこが大事です。けれどもそれだけでは足りません。せっかく思いのこもった良い音を出すことが出来たとしても、それが聴く人の耳にまで十分によく届かなければ意味がありません。

コンクールの会場で色んな参加者の演奏を聴いていると、せっかく丁寧に上手に弾けているのに、音がよく聴こえてこない、ホールの客席のこちらまでびんびん届いて来るような音が出ていないという演奏に出会うことがあります。これは狭い教室や自宅で日ごろ練習している時には気がつきにくい問題かもしれません。広い会場の隅から隅まで音を届けること。この意識付けとそれを可能にするテクニックを身につけることが重要です。

私など演奏会用のホールだけではなくて、学校の体育館や病院のホールなど、本来の使用目的とはまるで無関係の音響環境の場所で、大勢のお客様たちを前にして演奏する機会が少なくないので、余計にそのことが気になります。そういうときには「ミスをしないように弾こう」とちぢこまっていては絶対だめで、「一番奥の人にまできれいな音がちゃんと届くように弾く」ということがとても大切です。

こういうときに私の頭の中にふっと浮かぶフレーズが「行け、我が想いよ、黄金の翼に乗って」です。ヴェルディのオペラ、「ナブッコ」の中で歌われる超有名なコーラス曲の題名です。英語でいうと「Go, my thoughts, on the golden wings」 ナブッコのオペラを実際に観たことはまだ無いのですが、静かに、でも強い意志を持ってみんなで合唱するこの歌が好きです。オペラの内容とか、この歌の歌詞の意味とか、もちろん曲自体の素晴らしさというのもありますけど、このタイトルはたとえそういうのを知らなくても、グッとくる、そんなインパクトを持っていると思いませんか? (YouTubeはこちら)

みんな狭い練習部屋で、テレビも見ないで、ゲームもしないで、長い時間、ひたすら練習に明け暮れてきたのです。さあ、ステージに登場したからには、これまでの想いをすべて出し切りましょう。ピアノの音は黄金の翼。自分の想いの全てを乗せて、どこまでも遠くへ飛ばしましょう!

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深く弾く、幅広く弾く、どちらも大事。

2014年06月20日 | レッスンメモ
コンクールのシーズンが始まっています。私の教室にも課題曲の練習に励んでいる生徒が増えてきました。コンクールを受ける生徒のレッスンは当然のことながら課題曲のレッスンが中心になります。音楽はそれでよしということはなく、特にコンクールとなるとどんどん深堀していくレッスンになります。一音一音の音の響きに神経を集中させて、生徒と一緒に作っていきます。こういうプロセスを経験することは音楽をやっていく上でとても大事なことで、こうした取り組みを要求するという意味においても、コンクールを受ける価値があると思っています。

ただ、こういうコンクール向けの(超深堀りの)レッスンにばかり時間を取られていると、その生徒がその時期に取り組むべき曲数やバラエティが少なくなってしまいます。コンクールの課題曲は完璧に弾きこなすのだけれど、そうでない曲のお勉強が手薄になってしまうというのでは、将来きっと苦労します。数少ない曲を突き詰めて練習することももちろん大切ですが、色んな特色のある曲をできるだけたくさん幅広く練習していくということもとても大切です。たとえば、バッハのインヴェンションやシンフォニアなど、絶対勉強して欲しいと思う教材がたくさんあるのですが、コンクールの課題曲ばかりやっていると、こうした大切な曲に進めないということがおこります。

コンクールは短期決戦で課題曲に集中(深く弾く)。しかし長い目で見ると、この時期にあの曲もこの曲もやっておいた方がいい(幅広く弾く)。限られた時間の中で、さて、どうするか。このジレンマに悩みます。生徒一人ひとりの意欲や特性を見ながら、このバランスを良く考えてかじ取りをしていかなければなりません。コンクールばっかりになり過ぎると「コンクールの課題曲しか弾いたことがない」なんてことになりかねませんので要注意。

コンクールをうまく活用して、生徒一人ひとりの年間練習メニューの中でコンクールをどう位置付けるか、そして、ほかの大切な曲、欠かせない曲(と私が信じている曲)をどのように盛り込むか。生徒がピアノの本当の力をつけていく上で最適なプログラムになるよう、いつも気をつけています。大切な成長の時期にお預かりしている生徒さんたちですから、こちらも気を抜けません。

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ピアノが上手くなりたい!

2014年06月17日 | レッスンメモ
ここのところ、自分のピアノと生徒のレッスンで頭いっぱいでパソコンにも向かえずにいますが、ふとある生徒が漏らした言葉に涙あふれそうになって、今日はここに書くことにしました。

私も含め、教室の生徒みんながピアノの上達を願っているのは当たり前。でもあるレッスンの時のことです。小さな生徒がレッスンの途中で「先生、わたし、ピアノがうまくなりたい」とつぶらな瞳を真っすぐにこちらに向けて、小さな声で言いました。一生懸命ピアノを練習してくれる真面目な生徒です。それでも、これで良しということはないので、さらに深く掘り下げるということになります。たくさんほめながら、でも曲の中身は妥協しないという方針でやっているので、なかなかOKと言わない私に、その生徒も必死にくらいついて来てくれます。そんな中で、ふっと、心の底から、「ああ、もっと上手になりたい」と思ったのでしょう。ごく自然に、ただただ素直に「ピアノがうまくなりたい」という言葉があふれ出たのだと思います。ピアノの夢や目標をかなえるのに何が大事かというと、「うまくなりたい」という強い気持ちを持ち続けること、これが一番大事なんです。この気持ちさえしっかり持ち続けていれば大丈夫。間違いなく伸びて行きます。きっと夢がかないます。

私もいつも同じ気持ちでやっているので、その気持ちは痛いほどわかります。けなげな生徒の言葉に思わずほろりとしそうになりました。口には出さなくてもほかの生徒もみんな同じ思いで毎日練習に取り組んでいるはずです。私はそんな生徒たちの思いをしっかり受け止めて、それぞれの夢の実現に向けて力一杯応援していきたいと思っています。


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安岐合同学校訪問コンサート終了

2014年06月14日 | レッスンメモ
昨日は梅雨の晴れ間でとてもお天気の良い一日でした。「安岐っ子に贈る 愛野由美子ピアノコンサート」の本番、無事終了しました。とても楽しくコンサートしました。会場の安岐中学校の体育館には安岐中学校の生徒たちに加えて、安岐小学校と安岐中央小学校の全校生徒たちがわざわざバスに乗ってやってきてくれました。梅雨の湿気はピアノにとって大敵なので心配していましたが天気が良くて良かったです。三校合わせて約700人の安岐っ子パワーで梅雨を吹き飛ばしてくれたんですね。安岐中学吹奏楽部とのコラボもやりました。皆さんの心に音楽のともしびがともったなら光栄です。校長先生始め、関係者の皆さま本当にありがとうございました。感謝の気持ちでいっぱいです。




急きょ決まったコラボ。コブクロの蕾を一緒に演奏しました。
  
コンサート終了後、丁寧な御あいさつをいただきました。


吹奏楽部の部長さんとツーショット。先生が笑わせてこの写真になっちゃいました。とても美人な部長さんでした。みんなありがとう。

安岐中学校の校舎はとても立派でした!


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三校合同 学校訪問コンサート

2014年06月06日 | レッスンメモ
ちょうど去年の今頃、国東市の安岐小学校の体育館で、安岐小学校と安岐中央小学校の生徒さんたちを対象としたピアノリサイタルをやりました(その時の様子はこちら)。それがご縁となって、今年もまた安岐の子どもたちに会えることになりました。

「愛野由美子 ソロピアノリサイタル」
日時:2014年6月13日(金)
場所:安岐中学校 体育館
主催:安岐中学校、安岐小学校、安岐中央小学校

今年は安岐小学校と安岐中央小学校に加えて安岐中学校の生徒さんたちも参加してくれます。三校の児童生徒あわせて676人ということですから、先生方もあわせると700人を超える演奏会になります。中学校のブラスバンド部の生徒さんたちとのコラボ演奏も予定していて、とても楽しみです。会場は安岐中学校の体育館。ちょうど梅雨時だし私自身も雨女なのでお天気が気になります。館内があまり蒸し暑くならなければいいのですけど・・・。でもそんなこと言ってられません。梅雨の湿気を弾き飛ばすようなパワフルな演奏を御披露したいと思っているので、皆さん乞うご期待!


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大田小学校アウトリーチ終了

2014年06月05日 | レッスンメモ
昨日はグループUNOのメンバーと一緒に杵築市立大田小学校にうかがって、学校訪問コンサートを行いました。雨女の私のことですから、当然ものすごい雨。どしゃぶりの山道を走って、雨が私の背中を押しているー! などと思いながら目的地に向かいました。大田小学校は近隣の学校の統廃合で新設された学校です。広々とした体育館に立派な校舎が印象的でした。

全校生徒あわせても数十人という小さな学校ですが、みんな元気でお行儀がよくてびっくりしました。私たちが演奏を始めると本当に熱心に聴いてくれて、こちらも楽しく演奏できました。最後にみんなで一緒に校歌を歌いましたが、その歌声の大きいこと! まだできたばかりの新しい校歌を、少ない人数でこんなにしっかり歌えてるなんて素晴らしいことです。指導された先生の意気込みが伝わってきました。

さて、私たちの演奏の方はどうだったかな? 少しでも皆さんの心に残る演奏ができたかしら? そうだといいなと思いながら学校を後にしました。大田小学校の先生方、生徒の皆さん、ありがとうございました。こうした演奏会をきっかけにして少しでもクラシック音楽を身近に感じていただけたら幸いです。


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第4回音楽チャレンジセミナー

2014年06月03日 | レッスンメモ
私たちグループアイが毎年夏に主催しているソルフェージュを中心にした子ども向けセミナー、「音楽チャレンジセミナー」を今年も開催します。早いもので今年で第4回めになります。これまで以上に新しいアイディアを加えて子どもたちがますます楽しく学べるように頑張ります。

内容:ソルフェージュ全般、(楽典、読譜訓練、聴音、リズム、新曲視唱、リトミック、簡単な音楽史、楽曲アナリーゼなど)。
クラス分け:年齢やレベルに応じて、A、B、Cの三クラスに分けて学習します。小さなお子様にはリトミックやゲーム感覚での楽しい授業。大きいお子様には少し突っ込んだ内容で音楽の勉強の扉を開く内容になっています。

日頃ピアノのレッスンでは、どうしてもソルフェージュの時間が不足しがちです。夏期講習でまとめて学ぶよい機会です。また、一口にソルフェージュと言ってもその教え方は千差万別。いつもとは違う角度から学習してみるとさらに理解が進んで一層効果的になるでしょう。しかもレベルに応じたクラス分けをして皆で一緒に学ぶので、楽しく学べます。

このセミナーを経験して、ピアノ練習への意欲がさらに高まるような、そんなきっかけにしてもらえれば幸いです。どうぞ皆さん、ふるってご参加ください。

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「第4回音楽チャレンジセミナー」
日時:7月13日(日)、7月20日(日)
場所:iichiko 総合文化センター、スペースBe



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子どもたちの輝き

2014年06月01日 | レッスンメモ
5月は小・中学生の運動会があちこちであったようで、私の教室でも真っ赤なお顔になって教室にやって来る生徒が何人もいました。天気の良い日は気温も高くて暑いし、運動会の練習の後は疲れるのでしょう、レッスンの途中で眠くなってしまう子もいて、小さい身体で一生懸命頑張ってるのねと、ほほえましく思いました。

その運動会もひと段落して、これから梅雨のシーズンに入ります。外で遊ぶ機会が減るわけですから、この梅雨の時期はピアノの練習に集中できるチャンスです。ここでしっかりピアノを弾いてくれるといいなと思います。私自身も雨降りの日が続くと庭にも出れず、ピアノ部屋にこもる体制がおのずと出来てくるので、雨の日ほど練習がはかどります。

子どもたちの成長と変化を目の当たりにするのがとても楽しみです。先週はあんなだったけど、今週はもうこんな風になってる、とか、見違えるようにぐんとやる気になってきたと感じられる瞬間とか。ずっと真面目にやってくれてる生徒が、なかなか伸びなくて一緒に悩んだり悲しんだり、それでも一歩リードして引っ張ってきた結果、ポンと伸びる、そんな手ごたえが感じられたとき。子どもというのはその気になればスポンジみたいに何でも吸収してくれます。私を驚かせて感動させてくれます。だから、楽しい。だから面白い。小学生はスポンジのように何でも吸収する時期。柔軟性のある時期(どんなにでも変化できる)。そして中学生くらいになると内面が成長してきて多感でデリケートな時期。自分がピアノとどう向き合うか、その曲とどう向き合うかということを、自分自身で答えを見つけて行かなければならない時期です。

この貴重な特別な時期に、お子さんをお預かりしているわけですから、精一杯の力をお伝えしたいと思っています。もちろんそのために自分自身も猛勉強を続けています。子どもたちの可能性を知れば知るほど、もっともっとその子の力を引き出してあげたいと思うからです。保護者の方々と一緒になってお子さんの成長ぶりに一喜一憂しながらレッスンしている毎日が、とても充実しています。もしかすると、私が子どもたちに何かを与えているのではなくて、私の方こそ子どもたちからたくさんの大切なものをもらっているのかもしれません。学ぶ喜び、成長の輝き、そして音楽を愛する無垢な心。。。


庭のあちこちに自生しているベゴニアです。毎年どこから顔を出してくれるか楽しみです。


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