ピアノの音色 (愛野由美子のブログです)

クラシックピアノのレッスンと演奏活動を行っています。ちょっとした息抜きにどうぞお立ち寄り下さいませ。

本番に臨む時

2017年06月26日 | レッスンメモ
コンペ予選が始まり、私の教室の生徒さんたちもそれぞれの場所で予選を受けています。地元、大分の予選も先週終わり、教室の生徒さん達にとっては大きな山場を超えたところです。コンペに出場する生徒さんは、多くのことを経験し、学びます。まずは、その本番の日までに曲を仕上げる努力と準備。これをやり抜くことによって確実に伸びるということ。これはコンペに参加する全員に当てはまります。そして、本番一発勝負の緊張感と、プレッシャー。これにどう立ち向かうか。メンタルの強さが試されます。これは日頃の練習だけでは鍛えにくいし、悪くするとその日の演奏を台無しにする破壊力を持っているので、要注意です。

本番に最高の演奏を持ってくるためには、日々の練習の積み重ねと、それを本番できっちりと出し切ることができるメンタルの強さ(安定性)、この2つが求められます。ステージで皆の注目を浴びて演奏するのですから、気持ちが高揚してアドレナリンが出てくるのは当然です。その高揚感と同時に、ちゃんと自分の演奏を聞ける冷静さが求められます。なにしろ本番ですから、何が起こるかわかりません。プロでさえ日頃やったことのない失敗をやらかしたりするのが本番です。だからステージには、魔物が住んでいるなんて言われたりするのです。その魔物に、目をつけられて少しでもスキを見せると、あっという間にいたずらをされます。そんな時、うろたえるのではなくて、「あ~ら、魔物さん!来たわね~、私の演奏には入らせないわよ!」とやり返すくらいの強い気持ちが必要です。あわててしまってそこで弱みを見せると、あっという間にいたずらされちゃいます。それでもそこでへこまず「わっ、やったわね! もう! そんなことには負けないんだから!フン!!」このくらいの強い気持ちで最後までやり通してほしいものです。

しっかり準備して、強い気持ちで臨む本番。ここで大切なのは、その本番で自分は何をやり通そうとしているのか、改めて問い直してみるということです。あなたはステージの上で、客席の皆さんに向けて、ピアノを演奏するのです。つまり、皆さんにあなたの作り出す音楽を届けるのです。ここで、何より大切なのは、あなたが演奏するその曲を、あなた自身が愛していて、「ほら、これってこんなに素敵な曲なんです、皆さん、どうぞ聴いてください!」と自分が曲の紹介者になりきって、この素晴らしい曲をお披露目するという姿勢だと思います。ステージでは、あれこれ余計なことは考えず、少しでも良い音楽を会場の皆さんにプレゼントするということに集中してください。もう飽き飽きするくらい何度も何度も繰り返し練習している曲でしょうけど、さらにもう一度その曲の中に新鮮さを求め、曲の魅力をもっともっとたくさん見つけて、会場の皆さんにお届けできるように演奏してみましょう! コンペはまだまだ続きます。みんな頑張って~!

庭に咲いたアジサイです

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親子で同じ方向を向く

2017年06月09日 | レッスンメモ
5月のコンサートを終えて少しは時間に余裕が出来るかと思っていたら、大間違い。やっぱり色んなことに追い立てられるような毎日が続いて、なかなかブログの更新ができませんでした。気がつけばもう6月も三分の一を過ぎました。PTNAのコンペの予選が目前にせまっています。今回が初めての生徒さんもいれば、毎年のように挑戦する生徒さんも、それぞれみんな頑張っています。

コンペにはドラマがつきもの。特にピアノの場合は親子がタッグを組んでコンペに取り組む要素が強いためか、親と子の間に様々なドラマが繰り広げられることが多いようです。それは、お子さんとご家族が同じ目標に向かって進んでいるからこそですよね。ところが、進む方向は同じでも進む速度が違って親と子の足並みが揃わなくなると、親子げんかになったりします。それでもコンペ挑戦のすべてのプロセスを通じて、お子さんの進歩や成長ぶりを目の当たりにすることが出来るのがコンペのいいところ。一生懸命努力して挑戦して、壁を乗り越えようとしている我が子の姿を見て、ハラハラと感動の涙を流すのは、共に歩んできた親御さんだからこそです。もちろんお子さんの方も、うまく表現できるかどうかは別にして、お母様をはじめ家族みんなのサポートや励ましが、どんなに貴重なものであったかに気がついて、「感謝する」ということを学びます。子供はその精神的な成長とともに、ピアノへ取り組む姿勢も変わっていくし、曲の理解度も大きく変わってきます。そしてそのタイミングでぐんとうまくなります。その時がいつくるかは、個人差がありますが、その日までずっと見守り信じていることが大事だと思います。精神的にも技術的にも、普段とは違う負荷がかかるコンペ挑戦の経験は、生徒にとってそんな成長を促すよいきっかけになると思います。

こうして、ピアノを通じてご家族とお子様の絆が深くなっていきます。同じ方向を向いて一緒に前に進んでいく親子の姿を見ていると、眩しいくらいに素晴らしいです


鉢植えさん集合!

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