友人の言葉

先日、アメリカ時代に知り合った友人が九州にくるということで、会いました。

一人は一時帰国で里帰りをしている友人。私が８年前まで住んでいたリッヂウッドの町に住んでいます。町の変化を報告したあとに、今の心情なども語ってくれ「、夫婦で仲良くしていたい、家族を大切にやさしく暮らしていきたい」といっていました。もちろん、だれでも、そう思っているし、目新しいことではないけれど、彼女がしみじみという言葉に、私の心が暖かく解けていくのを感じました。

もう一人は、今はもう東京に帰ってご活躍の英語教育の研究をしている学者さんです。アメリカ時代にピアノを通じて親しくなった友人です。あの頃も今も彼女はものすごい努力家で、彼女に何回刺激されて、私もやる気を起こしたかわかりません。その、彼女が「一生懸命やってたらそれだけでいいってものじゃないでしょ。その先に運ってものがあるんです。あとは運よね！」と言っていました。どんな人とめぐり合うか、あるいはどんな時にチャンスが自分の前に転がるか・・・努力は当たり前。最低ライン。そこからどう進むかが、問題です。
彼女は決してなげやりでいっているのではありません。自分の目標に向って、これ以上できないというほど頑張った人だけが理解できる、痛い、しかし薀蓄のある言葉でした。

大切な言葉。いろいろな方々からたくさんもらいますが今日は、日頃あまり会えない友人の言葉を披露しました。

ショパンのノクターン

最初の一音を鳴らす前に、こんな音で弾きたいと願ってストンと手を落とす。
指で、鍵盤の感触をつかんだと同時に、音がなる。

せつなくて、甘くてこわれそうなくらい透明な音で、この曲を弾きたい。
ずっと、心の奥にしまってあるものを、一音一音に塗りこめながら、曲を進める。これまでの、数々の悲しい思い出や、喜びなどがあふれてきて、最後は静かな音で終わる。

この曲ノクターンの第一番。作品９－１を弾くと、久しぶりに、音楽の中味にふれた気がしました。このところ、譜読みに忙しく、音楽と対話してなかったかなと思いました。

先日、ある人が、「いろんな演奏家が、たくさんいるけど、僕はその人の人生がわかって、それに共感をもてるという演奏家のコンサートがおもしろいんだ。」とおっしゃってました。

いろんな人生があって、他人には想像もつかないような経験を、それぞれの人が経験しながら、それを背負いながら生きていると思います。だからこそ、そんなコンサートがいいという方も多いんだと思っています。

心が洗われるような、そんな演奏がしたいですね。

夏の音楽

今、我が家の庭は、花切れで、庭全体が濃い緑となっています。白や黄色やピンク、紫などの色物がありません。緑の濃淡もそれなりに好きですが、この暑さでむせかえるように、緑が感じられます。

こう、暑いとむせかえり、そんな音楽が発達するのでしょうか？情熱的で、ひたむきで熱い魂を、そのまま隠さず、ストレートに、大胆に表現している暑い国の音楽。ピアソラのタンゴや、スペインものなどは、まさにそんな感じ。私の好きな音楽のひとつです。夏をのりきる力強さがあります。

それとは、反対に涼しい感じのする音楽も夏向き。私は、ドビュッシーやラヴェルなどのフランスの音楽に、水のイメージがわいてしまい、つい、涼しく感じてしまいます。事実、ラヴェルの「水の戯れ」とか、ドヴュッシーの「雨の庭」など、雨、海、水などに関係したタイトルも多いものです。

先日、ブログで書いたように譜読みをしてあれこれ、いろんな曲を物色して弾いているので、こんなことを思ってみました。

この夏は、大量の雨続きのあとに、酷暑。ニューヨークでは、４０度を越す暑さ。
せいぜい、夏向きの曲をたくさん弾いて、すずみたいところですが、いまのところ、四苦八苦して、余計汗が出そうです。

小休止

この夏は、ちょっと一息しています。秋までコンサートがないからです。
この時期、日頃できないことをたくさんやって楽しみたいと思っています。

まず、まじめなことからいうとお仕事のこと。コンサートがないこの時期に、レパートリーを増やそうと思います。やっかいな譜読みの時期です。目が疲れるくらい、楽譜とにらめっこしています。
それから、生徒のレッスン。教えるということが、かなり好きなのでいつも真剣ですが、９月に発表会をするので、ますます熱をおびています。私だけ力んでも、仕方ない話なんですが、生徒のみなさん頑張ってくださいね。

次は、日頃溜め込んでいる家の中の雑事。あの物置の整理。この布団関係の整理。庭の片付け・・・など。

そして、お楽しみごと。コンサートがたてこむと、少しでもゆっくりすると、自分で罪悪感にかられ、こんなことしてると、失敗するんじゃないかと不安になる性格の私。なかなか、寝るまでゆっくりできません。でも、今はチャンス。友人と会ったり、講習会に行ったり、絵も見に行きたいし、映画もずっとみてないな～・・・と日頃ためてる分、夢もたくさんあります。

というわけで、先日、友人に誘われて温泉にはいりに行きました。温泉地に住んでる私たちは、わざわざ宿泊せずにいろんな温泉めぐりができるのですが、住んでると、雑事に追われ、なかなかゆっくりいけないものです。でも、先日はゆっくり入ってきました。気持ちよかったですよ。あんなに長い時間お風呂に入ったのは初めてです。そのあとのビールがおいしかったことはいうまでもありません。