ピアノの音色 (愛野由美子のブログです)

クラシックピアノのレッスンと演奏活動を行っています。ちょっとした息抜きにどうぞお立ち寄り下さいませ。

当たり!の曲に出会う

2015年08月31日 | レッスンメモ
夏が終わり、これから教室の一大イベント「発表会」の曲に向けて全員が取り組んでいます。今年の発表会は11月14日、会場は「音の泉ホール」です。コンペなどで忙しかった生徒も、ようやく発表会に向けての譜読みに取り組み始めました。

夫によると、この時期になると、夕飯を食べながら毎晩のように、「ああ~、みんな発表会まにあうかしら? このままじゃ、まにあいそうにない~!」というのが私の口癖なんだそうです。今年もついそんなことを口走ったら、「君は毎年そう言うねえ。だけど本番いつもみんなビシッと弾いてるやん。そんなに心配せんでもいいんとちがう?」などと平気で言うのです。ああ、分かってない! そこまでもっていくために、生徒も私もどれだけ苦労するか・・・。とにかく、いつもこんな風に心配するくらいなら、もっと早くから取り組んで準備すればいい、ということかもしれません。だけど、そういうわけにもいかないのです。みんなに何とか1曲でも多くの曲に出会って、その曲その曲の素晴らしさに感動してもらいたい、あの曲もこの曲もたくさん弾けるようになってほしい。一年を通じて生徒のレベルに応じて、なるべく多くの曲に挑戦して欲しいと思っています。発表会の曲はまさにそういう意味でその生徒にとって、新しい挑戦の曲を選んでいるので、益々大変なのです。

これはたとえコンペに取り組んでいる生徒でも同じです。コンペの課題曲と並行して必ず他の曲にも取り組んでもらっています。それでも曲が大きくなって、課題曲にバッハがあってエチュードがあったりすると、ほかに取り組める曲は一つか二つになります。もう少し多くの曲をパラパラ弾けるようになっているというのが理想ですが、なかなか・・・。

というわけで、秋からは発表会の曲はもちろん、それ以外にもたくさんの曲をこなしてもらおうと思っています。たくさん素晴らしい曲があって、その中にそれぞれの生徒がビンビン来る曲が隠れているはずです。そういう中で、「当たり」の曲と出会ったら、きっと夢中になります。自分にとっての「当たり」の曲との出会い、これは大切です。そんな曲と出会うためには、とにかくたくさんの曲を弾いてみることです。たくさんの曲を弾いて「当たり」の曲に出会う、そしてそれは一つではないから、さらにほかの曲もどんどん紹介したいし…と夢は膨らみます。

たくさんの曲に出会って、ピアノを楽しんで欲しいと思っています。

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ピアノの黄金スパイラル

2015年08月27日 | レッスンメモ
さて、今年も地元の演奏仲間「グループUNO」の定期演奏会が近づいてきました。

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「第44回 グループUNO 定期演奏会」
2015年9月26日(土)19:00開演
iichiko 音の泉ホール
チケット:一般 2000円、高校生以下 1000円
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今年の企画でも二台ピアノの魅力をご紹介いたします。さらにサックスやお琴にソプラノの歌声も加わって盛りだくさん。皆さま、是非お越しください!

私が担当するのは八手連弾とサックスの伴奏です。私は学生時代からアンサンブルや伴奏が大好きで、機会があれば何でも取り組んできましたが、サックスの伴奏というのは、実は今回が初めてです。この歳になって(!)初めてのことに挑戦できるなんて嬉しいですよね。今からもうワクワクしてます。すでに何度か合わせの練習をしましたが、まあ、これがとても面白い。でもその面白さだけに酔っていると、とんでもないことになったりするのでご用心。まずは、当たり前ですけど自分のパートをしっかり聴いて、弾いて、練習しておかないといけません。相方の皆さんにご迷惑はかけられないというプレッシャーを、良い方向に働かせて、さ、もっと練習しよっと!

日頃、生徒のみなさんに「もっと、もっと練習してね!」と言い続けている手前、私もしっかりやらないといけません。東京での数日間、ピアノに触らなかったので、また昨日から焦って練習しています。で、改めて実感しているんですけど、練習すると、ピアノって面白いんですよ。どんどん楽しくなってくる。

生徒たちも同じだと思います。練習すると、少し上手くなる→上手くなるとピアノが楽しくなる→楽しいからもっと練習する→もっと練習したから、もっと上手になる→だからピアノが大好きになってもっとやる、こうしてエンドレスの黄金上昇スパイラルが出来上がります。

問題はその始めの一歩です。「よし、練習するぞ」と自分自身で踏み出す最初の一歩。ここにエネルギーが要るのです。宿題を片づけるような気持ちで一定の時間だけピアノに向かって、本当に自分で、「さあ、やるぞ」という気持ちを徐々に入れて取り組む。最初のここのところだけはちょっと頑張ってほしいところです。そうすれば後は上に書いた通りの「黄金上昇スパイラル」が知らず知らずのうちに、自分を導いてくれるようになること間違いなしです!

さあ、私もピアノに真摯に向き合っている姿を身を持って示して(リスクあるけど・・・)、生徒たちに良い後姿を見せたいと思います。

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夏の終わりに

2015年08月26日 | レッスンメモ
台風一過、今朝は冷たい空気を感じます。今年の夏ももう終わりですね。今年はこの夏に向けて生徒のみんなとひたすら一緒に走ってきました。6月に東京からウララ・ササキ先生をお招きして二日間にわたって教室でレッスンをお願いしました。朝から晩まで本当にご熱心にレッスンしてくださって、心から感謝しています。これを皮切りに、通常のレッスンとは別にホール練習、みんなで練習しよう会、弾き合い会など、教室ぐるみで仲間意識を高めながら練習する環境づくりにつとめました。こうして、教室全体として、確実にレベルアップしたという手ごたえをつかむことができたのは大きな喜びでした。

そして臨んだPTNAピアノコンペティションでは、教室全体としてこれまでで最高の成績をおさめることができました。しかも「指導者賞」まで受賞させていただき、これはひとえに生徒の皆さんの頑張りと保護者の方々のご協力のおかげです。本当にありがとうございました。

今年は、私自身の勉強のために、全国決勝大会を聴きに行ってきました。四か所のホールをはしごしながら、皆さんの素晴らしい演奏や全国からお越しの先生方の熱意に心を打たれました。たくさんの演奏を聴けて本当に良かったと思います。東京での怒涛のような数日間を終えて、帰りの日には台風直撃。雨女として名高い(?)私にふさわしい夏が過ぎて行きました。




秋の始めを感じると気持ちが落ち着きます。この夏の経験をもとに、落ち着いてじっくり音楽に取り組む季節がやってきたなと感じます。今回の夏の経験、反省なども含め新たに勉強していかなくてはいけないと思っています。生徒の皆さんも、この秋が伸びる時、地力をつけるとき。夏休みにたくさん練習したりいろんな経験をしたことが、じんわり身についていくことと思います。ここからの半年が楽しみです。

落ち着いた空気の中で静かに耳を澄ませて一音一音を聴いていきましょう


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体験的暗譜対策

2015年08月20日 | レッスンメモ
暗譜・・・。この暗譜の問題は、ピアニストにとって避けては通れない奥の深い問題です。私は子どもの頃から暗譜は結構得意な方だと勘違いしていて、それほど苦労しないまま大人になって、そしてあるとき、本番で大変痛い目にあって、そのときの失敗がトラウマになって、それ以来ずっと、暗譜と苦しい闘いを続ける日々をおくっています。そして長年の苦労の中で、自分なりに、特に注意しなければと感じたことを記したいと思います。まだ他にもたくさん注意すべき点はあると思いますが、とにかく私自身が暗譜する時にいつも気をつけていること、ご参考までに、記してみます。

1)暗譜できたと勘違いしない
あんまりちゃんと弾けないうちから、音だけはさっさと覚えてしまう生徒さん、たくさんいますよね。ピアノを習ってない人でも、全然知らない歌がどこかから流れてきて、それを耳コピで歌えたりします。それと同じ。でもピアノの場合、音数も多くて中身も複雑なので、そう簡単に耳コピできるものではありません。あちこち、とりこぼしがあって完全なものにはなっていません。でも何となく最後まで通せてしまうので、本人は暗譜したと思い込んでしまう。これが危険なんです。どこからどこまでスラーだとか、一つ一つの楽語を全部覚えているわけでもなく、指使いも適当だったりします。まず第一は、こんな状況の時にすでに楽譜を放してしまう(暗譜できたと勘違いしてしまう)のがとても危険なことだと知ること。

2)暗譜できたからといって、楽譜を放さない
「もう暗譜できた」と早とちりすることがまず最初の危険ポイントです。ここを慎重に進めて、楽譜の中のすべての情報をインプットしたところで第一段階のクリア。次の段階へ進みます。せっかくちゃんと暗譜できたと思ったのに、あな悲し、人間の脳は絶えず変化しているので、先週覚えていても、今日は少しほころびが見えてくる。要するに忘れてしまう。だから一旦ちゃんと覚えてしまった後でも、必ず毎日楽譜には目を通し、楽譜自体を頭の中に何度も映し出させる、複写させることが必要です。それは、必ずしもピアノを弾きながらではなくてもよいのです。机の上に楽譜を拡げて、指も動かさず、単純に楽譜を頭の中に絵として写し取るという作業。

3)暗譜は頭
暗譜で弾く練習を重ねていると、指を動かしながら(弾きながら)楽譜を覚えているせいか、指を動かさないで脳内楽譜をめくっていると、分からなくなることがあります。これはたぶん、運動機能と記憶がセットになって覚えているんですね。「指が覚えている」という表現もあるほどですから、悪いことではないようにも思えます。しかし、それは、一つどこかをミスすると、ガラガラと崩れていって、何が何だか分からなくなるというリスクがあります。指がミスったら、それを修正できるのは「頭」だけですからね。それから、ピアノのキーと触れながらではないと機能が働かなくなることがあります。特に運指の問題。たいてい、速くて複雑な重音がたくさん連なっているところの運指は、あやふやです。それは、私はエアピアノ(空中でそのパっセージだけ弾く)をやってみます。問題点が一目瞭然になります。

4)曲全体の構造に目配りする
それからどうしても弾いているうちに主旋律を自分の中でうたってしまうので伴奏部などがあやふやになることがあります。特に左手が要注意。だから片手練習はどんなに弾けるようになっても欠かせません。もちろん長い曲は構成がきちんと分かってないといけません。あれれ、前に戻っちゃった、エンドレスになって終われないよ~(笑)。曲の分析をし和声進行などをしっかりとらえ、そして感じていた方が忘れにくいものです。

まだまだ注意点ありますが、これが主な注意点でしょうか。とにかく楽譜をきっちり読み込むことは、とても重要なことですね。

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「みんなで練習しよう会」

2015年08月18日 | レッスンメモ
夏休みもあと少しとなってきましたね。夏休みのある日、「みんなで練習しよう会」というのを企画して、ちょっとハードで楽しい時間を過ごしました。

ピアノを弾く人はいつも一人でピアノに向き合って、一人でピアノと対話しながら練習するもの。ピアノが思うようにいうことをきいてくれない時には、ふと孤独感を感じてしまうこともありますよね。子どもだってそれは同じ。ずっと練習していると、「なんで私だけこんなに一人でピアノかなあ」と行き詰る時もあるはずです。

だからと言って連弾ばかりはできないし、アンサンブルの機会もめったにないし、結局は孤独な練習を積み重ねるしかないのですけど、そんな生徒たちに「自分一人じゃない、みんなで一緒に練習してるんだ!」という気持ちを味わってもらいたくて、「みんなで練習しよう会」というのを初めて企画しました。

会場のいくつかの練習室を借りきって、それぞれみんなでかわりばんこに練習室に入ります。自分のすぐ隣の練習室で自分と同じように練習する仲間がいて、「せえの!」でみんながそれぞれの部屋でピアノに向かっています。そして私の居る部屋ではこれもかわりばんこでワンポイント・レッスン。生徒はレッスンが終わるとすぐまた別の練習室に駆け込んで指摘されたことをその場で練習。これをみんなで繰り返して集中的な練習をやりました。最後は全員集合して「弾き合い会」です。

でも私の本当の狙いは、この後のお楽しみ会。頑張ってくれた生徒たちには息抜きも必要。一生懸命練習した後に、会議室に場所を移してみんなでお食事とお遊びタイム。ママテーブルと生徒テーブルに分かれてそれぞれ交流を深めました。子どもたちはさっさと食べたら、ゲームやったりかくれんぼしたりして楽しそうに遊んでました。学校も年齢も違うみんながピアノを通じて仲良くなって、自分みたいにピアノを頑張ってる仲間がたくさんいるということをぐっと身近に感じる。これがこの先また一つ頑張れる要因になると私は信じています。また、保護者の方々も子どもと一緒に頑張って下さっているので、みなさん例外なく「うちの子はこんな感じでいいのかしら」という悩みや疑問をもっていらっしゃいます。こうした機会を通じて、保護者ならではの、そんなストレスや悩みを語り合って、励まし合う、とても貴重な機会になったのではないでしょうか。「ピアノ仲間」の大切さというのは生徒たちだけではなくて、保護者の皆さんにも当てはまることですよね。

こうして、初めて企画した「みんなで練習しよう会」は大成功でした。子どもたちは、それぞれがそれぞれに刺激を感じ、生き生きと頑張ってくれました。保護者の皆さんには色んなお手伝いをお願いしてご協力をいただきました。本当にありがとうございました。親も子も、そして先生である私ももちろん、みんな同じ方向を向いている「ピアノ仲間」です。さあ、これからも一緒に頑張りましょう

 



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バッハの流れる朝

2015年08月14日 | レッスンメモ
お盆に入ったと思ったら、急に秋めいた香り。昨日は風が乾いていてほんの少し夏の終わりの気配を感じました。まだまだ日中は暑いのですが、こうして確実に季節は巡っているんだなあということを感じます。

そんな朝、窓を開けて朝の冷たい空気を家の中に入れて、バッハのCDを流す。これは、心地良い朝です。自分で弾くバッハとはまた違って、純粋にBGMとして聴くことを楽しみます。子どもの頃、私はバッハの譜読みがとても面倒臭くて、それが苦になっていました。それでもなんとか譜読みをクリアすると、今度はそれを何回弾いてもちっとも飽きない。大好きになります。シンフォニアを初めて弾き始めた頃、一つ仕上げて先生に合格の丸をもらうと、それが嬉しくて曲も大好きになって、何度でもそれを弾いていたいのですけど、すぐに次の曲の譜読みとなって、嬉しい反面またあの苦痛に取り組まなければいけないのかと複雑な心境になったものです。

子どもの頃の私は、例えばショパンやベートヴェンの曲などでは、どんなに時間がかかっても、譜読み自体はそんなに苦にはなりませんでした。曲が出来上がっていくのを自分自身ワクワクしながら譜読みに取り組んだものです。だけど、そうやってその曲をパラパラ弾けるようになると、逆に今度は少しずつ飽きて来てしまう、という傾向があったような気がします。

でもバッハは違うんです。譜読みはほんとに苦痛! だけど、弾けば弾くほど、もっともっと弾きたくなって、飽きるということがありません。私にとってバッハの曲というのはありとあらゆる可能性と表情を秘めた曲ばかりで、「どんな風に弾こうか」という問いに無限の答えが引き出せるような、そんな気がしています。

バッハのピアノの音、シンプルでクリアに、コロコロと粒立ちの良い音で弾きたいです。しかも今朝のそよ風のように優しく頬を撫でてくれるような・・・。たくさんのペダルを使わず、一つ一つの音を大事にして、大音量ではなく、上品に弾きたいですね。

秋はすぐそこまで。皆さまも夏の疲れが出ませんように。

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PTNA 地区本選を終えて

2015年08月11日 | レッスンメモ
毎日ほんとうに暑い日が続いています。そんな中、PTNAのピアノコンペ地区本選が行われました。教室からは15人のソロと2組のデュオの生徒たちが出場しました。A1からF級まで、E級を除く各クラスに出たので私は三日間ずっと会場に通いづめ。さすがに最後は腰が痛くなりました。

コンペの結果は例によって人それぞれですが、みんな本当に素晴らしかったと思います。それぞれの生徒が、それぞれの生徒なりに、とてもよく頑張ってくれて、表現してくれて、聴きごたえのある演奏をしてくれました。また、献身的にサポートして下さった保護者の皆さんに心から御礼を申し上げたいと思います。舞台で一生懸命演奏したお子さんの姿、みんな素晴らしかったですよね。

教室全体としてはこんなにたくさんの生徒たちが本選に出られたことは初めてで、とても嬉しかったです。今年はホール練習や、合同練習会など、みんなで一緒に練習しよう、という企画を増やしたのも、功を奏したのではと思っています。みんなが楽しそうに同じ目的に向かって気持ちを共有するのは、とてもいいことだと思っています。 一方、全国大会への出場は今年もかなわず、とても残念でした。来年こそは全国大会へ生徒を送り出したいものです。

さて、この夏の経験がそれぞれの生徒に、今後どのように活かされていくか(実はこのことが一番大事)、とても楽しみです。はやく教室でみんなの顔をみたいです


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シュ・シャオメイ 「永遠のピアノ」

2015年08月06日 | レッスンメモ
シュ・シャオメイは1949年、上海生まれのピアニストです。現在はフランスで暮らしており、国際的に活躍しています。「ゴルトベルク変奏曲」をはじめ、バッハの演奏では特に高い評価を得ています。私はまだ一度も彼女の生演奏を聴いたことはありませんが、前から気になるピアニストの一人でした。その理由は彼女についての次の三つの情報。

1)文化大革命で大変な苦労を強いられた
2)ゴルトベルクがすごい
3)本格的にプロとしてデビューしたのは40歳のとき!

なんだか、普通の「ピアニスト」のキャリアとはずい分違っているようではありませんか。それも大昔の人ではなくて、現代でもなお活躍中の、同時代人なんですから、この人、一体どんな人(ピアニスト)なんだろうと気になるじゃありませんか。

そこで手にしたのがこの本です。「永遠のピアノ~毛沢東の収容所からバッハの演奏家へ ある女性の壮絶な運命」。この本は2007年にフランスで出版されたシュ・シャオメイの自伝です。原著の方は2008年に「フランス語で書かれた最も優秀な音楽書籍に贈られる『グランプリ・デ・ミューズ』を受賞」するなど、高い評価を受けているそうです。

さっそく読んでみました。読みだすと止まりません。重い。暗い。がんばれー、と声をあげたくなる。まさに壮絶な運命。まるでドラマのようです。でもこれは実話なのです。読み終わったときには手に汗を握っていました。

文化大革命ではブルジョア文化としての西洋芸術は否定されました。そのような想像を絶する苦難のなかで、それでも、というか、だからこそなおさら、芸術に、ピアノに、生きる希望を見出したピアニスト。それがシュ・シャオメイさんです。

彼女はきっと何かを見つけたんだと思います。絶望の淵に沈んでしまったときに。ふと、音楽が聴こえたのではないでしょうか。それに導かれて、ただそれをもっともっと知りたくて、他の人にも知ってもらいたくて、今もなお、一生懸命努力を続けているのだと思います・・・。

音楽の力で人は強くなれるし、音楽に救われることもあるといつも思っていますが、この本を読んで益々そう思いました。

Bach Goldberg Variationen Zhu Xiao Mei piano



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