ピアノの音色 (愛野由美子のブログです)

クラシックピアノのレッスンと演奏活動を行っています。ちょっとした息抜きにどうぞお立ち寄り下さいませ。

ファジル・サイのベートーヴェン

2012年09月17日 | 素敵な曲
ファジル・サイは、私の大好きなピアニストの一人です(というか、本当に好きなピアニストがたくさんいすぎるのですが。)

そのファジル・サイのベートーヴェンのCDを最近よく聴いています。夏の間はベートーヴェンをあまり聴いていなかったのですが、秋になると、ふとベートーヴェンが戻ってきました。


オフィシャルサイトから

ファジル・サイは、「ベートーヴェンは自分のレパートリーとしても演奏法の面でも絶対最高の存在だ」と言いきっています。普通「最高のもののひとつ」なんて言い方をして、断定的に絞ることを避けるものですが、それだけ思いが強いのでしょう。演奏にもそのことが現れているような気がします。彼のベートーヴェンを聴くとしびれます。

そんなファジル・サイのベートーヴェンを生で聴いてみたいです。日本には何度も来ているようですが、大分には来たことありません 今年は6月に来日しています。すぐに完売になったという人気ぶり。生で聴いたらきっと動けないくらい圧倒されるのではないかしら?と想像しています。今度はいつくるのかしら? 今度こそ是非、東京でもどこでも出かけて行って、生で聴いてみたいと思っています。

才気あふれるファジル・サイ、この人の頭の中はどうなってるのだろう?。精確で切れ味鋭い高速演奏を通して、熱いハートと頭の良さがガンガンあふれてくる感じです。

ベートーヴェンの言葉には「耳が聞こえないことよりも、心の耳で聞くことのできない方が厄介だ」というのがあるそうですが、ファジル・サイは、自分の心で感じ、心の声で歌いあげ、演奏していると言っています。この人のベートーヴェンからは、もしかして本当にベートーヴェンはこう、感じていたかも?と共感する部分が多いです。また私では到底なし得ないことを音として実現しているということにあこがれを持って、聴いています。

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グリーグピアノ協奏曲

2011年04月16日 | 素敵な曲
今、グリーグのピアノ協奏曲の譜読み、練習をしています。

あの有名な曲。遊びでぽろぽろは弾いていましたが、この夏、オケとの共演の話を頂き本気でさらっています。

グリーグは、ノルウェーの作曲家です。ノルウェーのあたりではグリッグと発音するらしいです。1843年生まれ。小柄な人だったそうです。トロルハウゲンという町の小高い崖の上に家を建て、小さなカエルなどをかわいがりながら、奥さまと仲良く暮らした作曲家です。カエルや豚のぬいぐるみと一緒に寝るなど、とてもかわいらしいところがあったらしいですよ。本番で緊張する時は、ポケットにしのばせたお守り代わりの小さなぬいぐるみを、ギュッとにぎりしめていたというエピソードもあります。心温まるかわいい人だったんですね。

ドドドドドというティンパニのクレッシェンド(だんだん大きくなる)の音の後に、ピアノがドラマティックなコードを響かせながら、曲はスタートします。悲劇を思わせるセンセーショナルな始まりです。

クラシックファンでなくても、この曲のことをチャン!チャチャチャン!というと、わかりますよね?もう一つおまけに脱線すると、ジャジャジャジャーンは、運命です。・・・という具合に有名な曲です。

このドラマティック過ぎる始まりの後、ずっと弾き進んでいくと彼の抒情的な極めて美しい旋律が甘く切なく現れ、心優しいグリーグが感じられます。彼の、抒情的なパートは、壮大な美しい自然を感じます。それが、とても切なく本当に涙が出そうになります。

ドラマティックな場所と美しい旋律の場所、それに加えて民族調のリズムとハーモニー、この三つがポイントとなると思っています。このポイントを抑えつつ練習に励みます。

今日も、グリーグに恋してしまいそうです。


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楽譜のダウンロード

2011年03月05日 | 素敵な曲
昨日のエントリーで、セヴラックの楽曲を取り上げましたが、多くの皆さまから「ほんとに素敵な曲」、「私も弾いてみたい」という反響をいただきました。中には、楽譜のダウンロードの方法を教えて欲しい、というリクエストもありましたので、昨日、私が楽譜を入手したサイトをご紹介いたします。

ネットを通じた楽譜の入手方法には、大きく分けて有料のものと無料のものがあります。新しい作品の場合は著作権が活きているので、有料が普通だと思いますが、クラシックの場合、ほとんどの作品がすでに著作権切れなので、探せば結構、無料版を手に入れることができます。

私がよく利用する無料楽譜のダウンロードサイトは「国際楽譜ライブラリープロジェクト(IMSLP)」です。昨日は、ここのトップページから、作曲者名検索をたどって、目当ての楽譜までたどりつきました。

良い曲を聴くと、すぐに弾きたくなることってありますよね。そんなとき、これはほんとにお手軽で便利だと思います。急速に進歩するネットの時代。それを悪用する人もいるようですが、このようにネットならではの便利さを味わうことができるということも忘れてはならないと思います。

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セヴラック

2011年03月04日 | 素敵な曲
とても嬉しい発見がありました。セヴラックというフランスの作曲家のこと、全然知りませんでした。この人、1872年生まれのスペイン系フランス人なんですね。この作曲家の書いた曲というのを初めて聴きましたが、これが素敵なのです。

どうしてこの作曲家の曲に出会ったかと言いますと、それはいつも愛読させて頂いている、glennmie さんのブログで、glennmie さんご自身による演奏がアップされていたからです。これが本当に素敵な演奏で、いっぺんに大好きになってしまいました。

1872年生まれの作曲家ということなので、これはすぐに楽譜をダウンロードできるのではないかと思い、やってみたら、簡単に楽譜を手に入れることができました。


セヴラック : 休暇の日々から 第1集 / En vacances I より、
「古いオルゴールが聞こえるとき / Ou l'on entend une veille boite a musique 」

わずか2ページの楽譜で短い曲ですが、とても上品で可愛らしい曲です。是非、上記のリンクをたどって、glennmie さんの演奏を聴いてみて下さい。きっと気に入ると思いますよ。

クラシックの曲は、新たな供給はないわけですが、有難いことにピアノ曲の数は本当に多いのです。私の知らない、素敵な曲がまだ山ほどあるのかもしれないと思いました。素晴らしい曲に出会うということは、いくつになっても幸せな事です。glennmie さん、ありがとうございました!

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寒波

2011年01月16日 | 素敵な曲
昨日から、ものすごく寒いです。寒波がやってきてここ九州の海岸沿いの我が家でも、こんなに雪景色になっています。ここでこんな状態だから、北国はもう言わずもがなでしょうね。


実際は色々と大変かもしれませんが、景色として見るには美しい光景です。昨晩は、次から次へと雪が舞い降りてドビュッシーの「子供の領分」の中の「雪が踊る」そのものの光景でした。
Debussy: Children's Corner - 4. The snow is dancing


以前、NYに住んでいた頃、青森や北海道と緯度が同じくらいということで、冬の寒さはとても厳しくて、零下10℃の寒さを普通に経験しました。もちろん、毎年たくさんの雪が降り、雪かきもしなきゃならないし、そんな時雪に覆われた道路がどんなに危険かも知っています。寒くなるとすぐタイヤをスノータイヤに換えて備えは怠らいないようにしていました。それでも、子供を乗せて雪道を走っていた時に、スリップしてハンドルをとられ、クルンと回転したまま何メートルか滑って、縁石にタイヤをぶつけて止まったこともありました。もう、ものすごく怖かったです。その他にも、小さくズルっといくのは何回も。だから、雪が降ると私は運転するのが恐怖で、極力運転しないように気をつけています。

皆さん、風邪ひかないように、車の運転には特に気をつけて下さいね。

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冬になると

2010年12月03日 | 素敵な曲
冬になると、どうしてもチャイコフスキーやブラームスの交響曲が聴きたくなります。ちゃんとコンサートで聴くだけではなく、ずっとその曲が流れているところにいて、その分厚い音楽に、包まれていたくなるのです。

「チャイコフスキー:交響曲第4-6番」、レニングラード管弦楽団、指揮、ムラヴィンスキー

チャイコフスキーやブラームスの音楽は、まるで寒さから守ってくれる上等で厚い暖色系のカーテンみたいな気がします。そのカーテンに囲まれて、私自身が感じている寒い事から、身を守ってもらうような感覚になります。だから、とてもほっとするのです。

実際に彼らは寒い場所に暮らし、人生の中で辛いことや悲しみを抱えながら、作曲しました。もちろん、喜びの絶頂も知っていました。生きていくのには、喜びと悲しみがセットですが、その受けとめ方はいろいろですよね。彼らの曲を聴いていると、その受けとめ方が、深く大きな心で受けとめられ、軽く流せない真面目さが隠れていると感じます。

寒さにも逃げず、真っ向から立ち向かい、それでいて繊細な心はどうしても忘れることが出来ず、壊れそうな自分を、エネルギーを全力で使いながら保っていく・・・。な~んて、自分の思いを勝手にここまで言い切っていいんだっけ?チャイコフスキーが、「それ、違いますよ」と天国から笑ってたりして・・・

という、具合ですが聴き方も千差万別。結局は、その人の生き方も影響しながら聴いてしまうんでしょうか?とにかく、私は冬になると、この厚みのある、暖かい音楽に包まれたいと思います。今日は、チャイコフスキーの交響曲4番を聴いています。こんな音楽があることに感謝して。

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バラード4番

2010年07月30日 | 素敵な曲
ショパンが残した4曲のバラードの最後の作品が、作品52バラード4番です。1842年から翌年にかけて作られた作品で、ロスチャイルド男爵夫人に献呈されています。

これを聞きながら、朝を過ごしています。アシュケナージの演奏によるCDです。最近では、指揮者として活躍しているアシュケナージの方が、目立っていますが、昔から私は、ピアニスト、アシュケナージが大好きです。

指揮者としての名声も確立したアシュケナージですが、1999年にリリースされたショスタコーヴィチの「24のプレリュードとフーガ」を始め、指揮者として名をなした後にリリースされたピアニスト、アシュケナージのピアノ演奏を、私はとても愛しています。

今聴いているバラードも若い時のではなく、その頃にリリースされたものです。声高にものをいうのではなく、聴き手の心に深く染み入る演奏で、彼の温かさが私たちの心の渇きをいやしてくれるような、そんな演奏です。

すべてのフレーズが丁寧に歌われ、そして、そっと寄り添うようにして語られます。ショパンの晩年にさしかかった作品であり、ショパン自身が陰影のある人生感を感じながら作ったものだと思うので、その陰影感、達観したものの感じ方など、演奏と作風がぴったりで心が落ち着きます。

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ラフマニノフ

2010年07月19日 | 素敵な曲
ラフマニノフの曲が大好きな私ですが、昨日車を運転していたら、ラジオからラフマニノフのピアノ協奏曲第二番が飛び込んできました。

何度聴いても、本当に大好きな曲です。このブログにも毎年この曲に酔っていることを書いているような気がしますが、昨日は、第二楽章でとろけました。第一楽章の途中から聴き始めて、運転している間ずっと幸せに過ごしました。

眠れないほど悲しい思いや悔しい思いをした後で、こんなのを聴くと泣けてきます。第二楽章はものすごくやさしく、甘く、人の心を和らげて、慈しんでくれるような気がします。

途中から聴いたので、「この演奏、誰かしら?」とずっと思いながら聴いていました。そして、全部終わった後、アナウンサーがピアノはキーシン、指揮はロリン・マゼールと告げた時、「ああ、どおりで素晴らしい!」と納得できました。二人とも、私の大好きな音楽家です。と言っても、残念なことにキーシンはまだ生で聴いたことがありません。ぜひ生で聴いてみたいと思っています!!

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『ぐっすり眠れるクラシックZ』

2010年03月10日 | 素敵な曲
クラシック音楽の楽しみ方は人それぞれ。会場に出かけて生演奏を楽しむのが本道だと思わないわけではありませんが、それに加えてCDやDVDがこんなに普及してきているので、それに合わせた楽しみ方、というのも当然あってしかるべきでしょう。そこで、目にとまったのがこれ、「ぐっすり眠れるクラシックZ」です。文字通り、ゆっくり眠りにつくために役立つクラシックの名曲を集めたCDだそうです。

「収録された楽曲の全ては、健常な成人が安静にしているときの心拍数1分間に60から80拍のリズムを刻んでいて、アメリカの医療専門家も『こうした音楽は、リラクゼーション反応を引き出し、体内の回復活動を活発化させることが医学的に確認されている』」ミュージックニュース

クラシックのコンサート会場でぐっすり寝込む人っていますよね。私の夫がそうでした。昔、カーネギーホールで、ポリーニのリサイタルを聴きに行ったとき、開始5分後に爆睡してしまいました。いびきこそかかなかったのですが、私の隣りで大きな船を漕いでとても困ってしまったことを覚えています。

でも、クラシックをBGMにしてゆっくり食事をしたり、暖かいベッドに潜り込んだりというのは本当に心地よいものですね。こんなクラシックの楽しみ方もいいですよね。ただし、このCD、あまりにも眠くなる効果が強いため、「運転中の鑑賞はおやめください」という注意書きがされているんだそうです!

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2009年 私の選ぶ CDベスト5

2009年12月15日 | 素敵な曲
いよいよ年の瀬も押し迫ってまいりました。今年も一年間、ほん~っとに 色んなことがありました。嬉しいことも、悲しいことも、悔し涙を流したこともあるし、楽しいお酒の席で、つい飲み過ぎて二日酔いに苦しんだことまで・・・!!

そんな毎日の暮らしの中で、いつでもどんなときでも、すばらしい音楽は私の心をなごませてくれて、元気づけてくれて、しっかり支えてくれました。

そこで、年末恒例の(実は今年が初めてですが(笑))「私の選んだCDベスト5、2009年版」を発表いたします。

①川島基(もとい)、「Schubert-Wertbewerb 2005」
今年最大の収穫は川島基というピアニストを知ったこと。コンサートで生の演奏を聴いて衝撃を受けました。そして会場で買ったCDを聴いて、さらに感動しました。彼のピアノは、まるでオーケストラ!

②ピョートル・アンデルジェフスキー、「Mozart: Piano Concertos 17 & 20」
とても男性的なモーツアルトです。 音に潔さがあります。オケを完璧にコントロールして、音楽を自由自在にあやつる力をみせつけられました。

③河合優子、「ショパニッシモ IV ~「ナショナル・エディション」によるショパン集」
深い!とにかく深い!!「この指一本一本に命をかけてるんですものね」というお言葉の意味が、これを聴くとよく分かります。ただ上手に弾くということだけを追い求めてもこの境地には達しないと思います。ショパン、ああ、思わず涙が・・・。

④辻井信行、「debut」
なんて、みずみずしい音でしょうか。はっとするような音です。若さと純粋さがいっしょになった活力のある音です。ほんとに綺麗!

⑤ファジル・サイ、「THE BEST(5)ファジル・サイ【HQCD】」
このスピード感!この人も天才ですね。音楽が楽しくなる秘訣を知っていて、私たちにそれを惜しみなく分けてくれるのです。そして、旧来のクラシックの枠を超えた斬新な取り組み。これにも脱帽です。

以上です。もちろん、全て私の個人的な好みによる選択なので、皆さんに納得していただけるかどうかは分かりません。ただ、こういう仕事をしているとよく、おすすめのCDありませんか、とお尋ねを受けることがあるので、なるべくたくさんのCDを聴くように心がけています。

皆さんのおすすめCDはどんなかしら?何かあれば教えて下さいね。

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川島基(もとい)さんのCD

2009年10月04日 | 素敵な曲


川島さんのコンサート以来、私は川島熱?が続いていています。彼の公開レッスンの時にCDを購入しましたが、これがまたいいんです。

シューベルトをこんな風に弾くなんて、驚きでした。新鮮で飽きのこない、そして楽譜を分析しきった内容でした。その分析したシューベルトが、ストレートに表現されていて、とても素晴らしいと思いました。

後半にチャイコフスキーの「くるみ割り人形」、ミハイル・プレトニョフ編曲のピアノソロ用の中から、7曲を抜粋で入れています。これが、これがすごい!もう、自分の中の音楽を全部出しつくして、表現している感じで、びんびん伝わってきます。もともとオーケストラの曲ですが、一人で、オーケストラやってる感じです。

ある小説家が、「ものを書くときに自分の胃袋からものを吐き出し、掻きだしながら、書いている。まさに自分の身を削りながら、作品を書くんだ」というようなことを言っているのを、対談もので読んだことがありますが、この「くるみ割り」を聞いて、その言葉を思い出しました。

体の中から、泉のように湧き出て溢れる感じを、このCDから受けました。訴える力、曲を制御して自分のものに完全になっている安心感、直接私たち聞き手にズシンと入ってくる音たち。う~ん!しびれます。
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傷んだ心に

2009年09月12日 | 素敵な曲
ショスタコーヴィッチの「24のプレリュードとフーガ」という曲、ご存知でしょうか?何年か前に一度ご紹介したものですが、昨晩久しぶりに聴きました。

傷んだ心に、手を差し伸べてやさしく語りかけるように、始まります。この最初の1番のプレリュードがとても好きです。これが流れると、ふっと力が抜け気持ちがふんわりします。そして、あたたかく、しかし、遠慮がちにやわらかい音楽で包み込まれ、固い気持ちが溶けていくような感じになります。厳しい状況にある時は、涙さえうかんできます。

ショスタコーヴィッチは、1906年ロシア、サンクトペテルブルクに生まれます。早くからピアノの腕を磨き、第1回ショパンコンクールにソ連代表の一人として参加しました。同時に作曲を手掛け、多くの作曲はスターリン賞、レーニン賞などを獲得し、ソ連で作曲家として第一人者となりました。しかし、社会主義リアリズムを強制されての作品も多く、彼自身葛藤や苦しみを抱えながら、作曲をします。しかし、スターリン没後、大きく作風が変わり、哲学的で透明感のある、ある意味人生を達観したような作品となります。この曲もそのような、透明感をもっています。

昨晩は、私がこれを聴こうと思ってかけたのではなく、偶然、家族の一人がこれを選んでかけていたのです。思いがけずこの曲を耳にして、突然、手を差し伸べられたような気になって、心が救われました。
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素晴らしい曲たち

2009年07月24日 | 素敵な曲
最近、レパートリーを増やすべく、新しい曲を多数譜読みしていますが、その中で特にベートーヴェンのソナタとショパンにはまっています。

ショパンは、最近ほとんどのコンサートでプログラムに入れているので、絶えず何かは、弾いているのですが、それでもまだ勉強してない曲ややりなおさなければいけない曲がたくさんあります。

ベートーヴェンは、最近あまり弾いていなくて、たまに月光を弾くくらい。そろそろ後期のソナタにとりかからねばと思い、始めました。久しぶりに弾くベートーヴェンは、深く、厚く、整然としていて、そして美しい。深い悲しみを心の底に持ちつつ、肝を据えてきちんと生きていくという感じと、それでも、はかない一生だという気持ちがまざっているようなそんな印象を持ちながら、弾いています。

この1週間は、友人とランチしたり、打ち合わせしたりと人と会って話すことも多い週ですが、私も友人たちもいろんな人生があり、いろんな対処の仕方があるのだと、つくづく思っています。

作曲家にもいろんな生き方や感じ方があり、また弾き手の人生観なども投影されて重なりながら、曲が音として発生し流れ出します。
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CDを聴いて

2009年07月05日 | 素敵な曲
今、ドヴォ8を聞きながら書いています。私は、ドヴォルザークが大好きで、特に有名な交響曲の8番、9番(新世界)は胸がドキュンと射抜かれた状態になります。これを聴いて、ピアノ曲もたくさん残して欲しかったと思います。ないことはないのですが、やはり、オーケストラで作曲しちゃうと、どうしてもそちらにいってしまう気持ちもわかります。

ピアノ弾きをやっていますが、オーケストラを聴くのは大好きで、生まれ変わったら指揮者になりたいぐらいの気持ちです。

今日は、家族でこの曲は誰の何かをあてっこしました。たいしてたくさんあるわけではない我が家のCDの中から、磨り減るほど聴いているものばかりですが、わりと答えられない。

そんなものですね。私も、ソラで全部階名が言えるけど、曲の名前がいえないものがあります。ましていわんや、家族は、ただ、私がかけているものを耳にしている時のほうが多いわけで、知らないけどなっていた状態、聞いたことあるという状態です。

それでも、その効果はあり、娘も息子もけっこう耳はいいのです。私は、コンサートでいくつミスしたか、彼らにきちんと指摘されますし、音色の違いなど見極めというか、聞き耳がすごいです。相変わらず、これは何という曲というのは言えないまま、ソラで歌っていますが。
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ドヴォルザークのチェロ協奏曲

2009年06月06日 | 素敵な曲
今、ドヴォルザークのチェロ協奏曲を聞いています。通称ドヴォコンです。これは、ヴァイオリンの協奏曲もあり、私の大好きな曲の一つです。今日は、チェロは、ヨーヨー・マ、オケは、ベルリンフィルで、指揮は、ロリン・マゼール。もう、これでもか!というくらいのスーパースターメンバーのCDです。

今回は、ブルースペックという、高品質のCDというものを購入し、聞いてみました。ブルー・レイの素材と製造技術を応用して製造されたものだそうで、音のクォリティーをますます原音に近づけさせた高品質のCDらしいです。

難しいことは、わからないのですが、聞いた感想は、「あ、録音のいいCD」と言う感じでした。それよりか、彼らの演奏が見事だから、もうそれで良いです!と言う感じになっています。

しかし、メンデルスゾーンのヴァイオリンコンチェルトは、通称メンコンで、これは、ドヴォコンだけど、ピアノコンチェルトで省略形のものって聞いたことないのですけど、皆さんご存知ですか?グリーグのピアノコンチェルトをグリコンって言わないし(言います?)ベートーヴェンは、5曲もあるから言わないにしても、チャイコフスキーは、チャイコン?・・これも知りません。ピアノの協奏曲は、他にもたくさんありますが、省略形というか、愛称というか、聞いたことがありません。

どうなんでしょうね?
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