昨日は地元の声楽関係者が中心になって企画されたオペラ「魔笛」を観に行きました。素晴らしかったですねー! オペラが苦手で仕方なくついてきたという感じだった夫が、最後は驚くほど熱心に拍手して、「来て良かった。楽しかった」と言ったほどです。
「魔笛」はモーツァルトの短い生涯(35年)の最後の作品となった有名なオペラです。私がこれを初めて見たのはもう何十年も前、東京でのことでした。ニューヨークに住んでいるときもオペラにはよく出かけたのですが、残念なことにこの「魔笛」は観ていません。というわけでほんとに久しぶりの「魔笛」、それも「Made in Oita」と銘打った公演ですからとても楽しみにして出かけました。
この作品に限らずモーツァルトの作品はどんなに暗く重苦しいテーマでも、必ずどこかに底抜けの明るさがあります。今回の演出でも道化役のパパゲーノがアドリブ連発で会場の爆笑を誘っていました。ワインの代わりに地元の焼酎「いいちこ」を飲んだり、大分の方言をとりいれたり、極めつけは地元サッカーチーム、トリニータのJ1昇格を決める大事な試合結果を舞台から教えてくれたことでした。この日は大分県民の最大の関心事、サッカーのトリニータがJ1昇格を決める最終決戦の日とたまたま重なっていて、ほぼ同時刻に試合が行われていたのでした。そんな中、パパゲーノが舞台から「トリーニータがJ1に昇格したぞ!」と叫んで観客みんな大歓声をあげました。
夜の女王のコロラトゥーラの部分も良かったし、出演者それぞれの歌も素晴らしかったです。そしてやはり演出が面白かったと思いました。衣装や舞台効果も素敵でしたし、地元バレエ教室のちびっ子たちの愛らしい踊りも含めて、お客さまを楽しませる、ということをはっきり意識したサービス精神のある演出でした。
今回の上演は歌はドイツ語で日本語字幕付き、セリフは日本語ということでとても分かりやすかったです。たとえ予備知識もなく、初めてオペラを観た人だったとしても、たっぷり3時間見終わった後に、「ああ、楽しかった!」、「オペラって面白いんだ!」、という思いを抱いて会場を後にしたことは間違いないと思います。
まさにそんな予備知識ゼロの夫が家に帰って言いました。「いやー、あの女王様のさ、ほら、あれ何ていうの? すごい良かったよね、ハ、ハ、ハ、っていうやつ、何だっけ、コレステロールじゃなくて・・・」
コレステロールじゃありません!「コロラトゥーラ」です。ソプラノの超絶技巧が試される、とっても大事なとこなんです!
Der Holle Rache kocht in meinem Herzen.avi
「復讐の炎は地獄のように我が心に燃え(Der Hölle Rache kocht in meinem Herzen)」
ディアナ・ダムラウさんの迫力ある演技とコロラトゥーラをお楽しみください。
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