ピアノの音色 (愛野由美子のブログです)

クラシックピアノのレッスンと演奏活動を行っています。ちょっとした息抜きにどうぞお立ち寄り下さいませ。

日下紗矢子Xマーティン・ヘルムヘン

2015年07月31日 | レッスンメモ
日下紗矢子×マーティン・ヘルムヘン」のコンサートに行ってきました。実は私はヘルムヘンの隠れファン。これまでにも何度か大分での公演に足を運んでいます。前回の彼のコンサートのときは私の本番が重なって逃してしまい、今回は久しぶりに聞けるということで、とても楽しみにしていました。心ワクワクして聴きに行ったのですが、やっぱり本当に良かった!

毎回、聴くたびに益々素晴らしく充実した美しい音。もうしびれました。引き込まれそう!とはこのこと。特にモーツァルト、ベートヴェンやシューベルトといった、かっちりしたドイツものを、かっちりしたスタイルのまま、こんなにワクワクする音楽で満たしてくれて、しかもたくさんの言葉(詩)がギュッと詰まったような音楽でした。日下さんのヴァイオリンとの掛け合いも見事で、一分のスキもなく、最後までぐいぐい引きつけられたままコンサートが終了したという感じでした。帰り際、ついつい嬉しくなってCDも買ってしまいました。家に帰ってからもヘルムヘンの音が忘れらず、昨夜はその音に囲まれて癒されて、とても幸せな気分で眠れました


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頭の中で音をならす

2015年07月28日 | レッスンメモ
コンペの本選が近づいてきたこの時期、実は、生徒の大半は、もうその課題曲に飽きてきているような気がします。これまで、もうほんとにたくさん練習したもんね~、と思っているあなた。

その考えは甘ーい!! どんな曲でも、一つ一つの曲には、弾くたびに、必ず新しい発見や気づきがあって、進化出来るんです。もうこれ以上どうしたらいいか、やり方が見当たらない、どうしてもそんな風に思ってしまう時。そんな時は、弾かずに頭の中でその曲を追っていきましょう。頭の中で理想の音で曲を弾いてみましょう。自分が実際に出せるかどうか分からないけど、理想の音。理想の流れ。これを頭の中で最初から最後まで鳴らしてみるのです。弾かないで頭の中だけで曲を通すことは、意外と面倒くさい、我慢のいることだったりします。だって、じっとして頭の中で鳴らしてるより、弾きたいですもの。その方が手っ取り早いし。

でも、頭の中で理想の音を鳴らした後に、いざ、現実に自分で弾いてみると、「え?」と自分の出す音にギャップを感じるはずです。「いかん、いかん」、という「気づき」が大事です。この「気づき」がない練習は「繰り返し練習」に過ぎません。「繰り返し練習」が必要な時期ももちろんあります。ただひたすら繰り返して練習することによって身につくことがたくさんあります。しかし、この時期はもはやそれでは済みません。最後の仕上げに向けて、理想の音に近づくために、「これじゃいけない」、という「気づき」、そしてそれを改善するための丁寧な練習。これに取り組んで欲しいのです。そのためには、頭の中で理想の音を鳴らすこと、これを是非やってみてください。


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「譜読み」?「音符読み」?

2015年07月26日 | レッスンメモ
楽譜には音符だけではなく、楽語や速度記号など色々なことが書き込まれています。まず始めに、速度記号(アレグロなど)や、その曲の特徴を表すための作曲家のメッセージ(コンブリオ「活き活きと」など)が書かれてあります。そして五線譜に最初に書かれているのは、音部記号(ト音記号など)、調号(#や♭など)それに拍子記号(四分の三拍子など)です。楽譜の始まりに、音符が現れてくる前に、もうすでにこれだけの指示やメッセージが書かれているのです。こうした細かい指示で、まずこの曲の性格を決定づけておいてから、それからようやく最初の音符が始まります。譜読みにとりかかる際に大事なことは、この、音符が始まる前に書かれてある最初の指示(メッセージ)をきちんと確認して呑み込んでから、音符にとりかかることです。譜読みといえばもう、次々とおそいかかるおびただしい数の音符を追うことにばかり気をとられて、音符以外の大切な指示を見逃してしまう生徒さんの多いこと! 

譜読みをするときは、いきなり音を拾いにかかるのではなくて、まず最初に、音符の前に、見るべきところをしっかりと見てから、その曲の譜読みにかかりましょう。もちろんこのことは曲の最初だけではなくて、途中も同じです。フォルテやピアノ、クレッシェンド、様々な楽語や、どこからどこまでスラーがかかっているか、指使いなど、楽譜には音符以外の情報がたくさん書き込まれています。音符だけを読んで済むと思ったら大間違い。音符だけを読んでその他の大事な情報をおろそかにするのは「譜読み」とは言いません。それはただの「音符読み」です。

譜読みをするときには、音符はもちろん、それ以外の情報も同時にきちんと読み取っていかなければなりません。時には立ち止まって、「このスラー、ここで切れてるんだから、この指使いでいいか?」とか、「このフォルテ、さっきのところのフォルテとは別口だね」などと感じながら。

譜読みで意外とトリッキーなのが、ペダルの扱い方ですね。それから休符の扱い。休符をどう感じるか。これはなかなか奥が深いです。休符とういのは、まあ、ここだけは誰がやっても同じだろう(弾かなければいい!?)なんて思ってると大間違い。休符というのはちゃんとした音符の一つであり、その前後によって表情といいますか、感じ方が違い、それによって算数では出せない微妙な長さの違い、または、前の音符の切り方、あるいは、後の入り方などが違ってきます。楽譜には考え出したらキリがないほどたくさんのメッセージが込められています。まずは最初に、書かれていいる(見える)ことをちゃんと全部しっかり読んでいきましょう。ついつい音符以外の情報を見逃し易い、ピアノの譜読み。ここで、しっかり、じっくり、最初は立ち止まりながらでも、丁寧に見る習慣を身につけるのが大事です。そうすれば後がずっと楽になります。

譜読みをしっかりやって、何度も何度も弾いてみる、そうするとまた実際に弾いてみて初めてわかる、楽譜からのメッセージが伝わってきます。こうしてだんだん少しづつ楽譜の裏側にある「音楽」の姿が浮かび上がってきます。作曲家の本当に伝えたかった「音楽」の姿が・・・。そこまでたどりつくためには最初が肝心。「音符読み」にならないように気をつけて、丁寧な「譜読み」にしっかり取り組みましょう!

あんまりケーキ食べない私ですが、これはとびきり美味しかったです。パティシエの意気込みと時間をかけた丁寧な仕事が感じられる逸品でした。

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拍と呼吸

2015年07月22日 | レッスンメモ
ピアノの曲は、横のラインと縦のラインを同時にみて弾いていかなければなりません。縦のラインはハーモニー、拍、リズムの刻みなど、横のラインは、旋律、フレージング、曲全体の流れなど。

縦のラインも横のラインもどちらもとても大切なことなので、常に意識して練習しなければいけませんが、まず、どちらの方が大切かといえば、やはり横のライン、音楽全体の流れでしょう。音楽というのはやっぱり流れなんだと思います。横の流れがあってそれをまるでオペラ歌手のように歌いあげる。歌手の皆さんは、息を吸って一つのフレーズを歌い、また息を吸って次のフレーズへと移ります。ここで大切なのが呼吸であり、フレージングです。歌手にとって(フレージング)というのは、いかに美しく歌うかということに直接かかわる一番基本的なことなのではないでしょうか。

でも、ピアノという楽器は管楽器などと違って、呼吸とは無関係に弾こうと思えば弾けてしまいます。この呼吸(フレージング)とは関係なしにピアノは弾けてしまうというところが、実は、危険なことです。「歌うようにピアノを弾いて」と言っても、息を止めちゃう生徒が少なくありません。弾き手である自分は人間なので当然呼吸なしでは弾き続けることはできないのですが、その自分の呼吸とピアノを通じて奏でる音楽との呼吸が合っていない。これではフレーズ感のない音楽になってしまいます。出てくる音楽に生き生きとした「表情」が出てこないのです。

一番大切なのは楽譜の中に作曲家がどんな「音楽の流れ」を書き込んでいるか、これをよーく読み込んで理解すること。曲全体をながめてその中にあるフレージングの構成をきちんと把握すること。そのフレージング一つ一つに合わせて、少し声を出しながら弾いてみましょう。そうすると自然とそれに合わせた呼吸ができるようになってきます。そうした後には、今度は逆に自分の呼吸をきちんとコントロールすることによって、流れのあるフレーズ感が身についていきます。

さて、そうは言ってもやはり縦のラインも大事。音楽にはフレーズとは別に、一定の一つずつの縦のくくりが存在します。それが拍子。音楽には一小節単位でくくられたある一定の拍感があって、その秩序にのっとって流れていくものです。それだから心地良い。ここで拍感がきちんとしていないと、フレーズを一人よがりで勝手に歌って、音楽全体の秩序を壊す危険性があります。拍感をきちんと整えて一定の秩序のもとで、一つずつのフレーズを歌うのです。

ピアノというのは一台で同時に、歌い手そのものと、歌い手を支えている伴奏や、オーケストラの役をこなさなければばりません。要するに一人でオーケストラから歌手まで、全部やってのけようとしているのがピアノです。ですからほかの楽器演奏者や、歌い手さんたち以上に、横のラインであるフレーズによる呼吸と、縦のラインである拍をきっちり理解していなければなりません。そもそも曲の中での呼吸と拍の位置関係は、必ずしも一致していなくて、そこが難しく、それだけにおもしろいところです。是非ここの醍醐味をエンジョイできるようになってほしいです。

縦と横の絶妙なバランス感覚。息をするように自然にこれができて、センス良く音楽を奏でていく、これができれば最高だなと思いながら、私も練習に取り組んでいます。

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わ~い、夏休みだ!

2015年07月19日 | レッスンメモ
いよいよ夏休みが始まりました。子どもたちはみんな「わ~い夏休み!」と喜んでいることでしょう。一方、お母様達は「う~ん、がんばらねば!」と気合いを入れ直しているかも・・・。

私も自分の子ども達の夏休みが始まるときは、それまでのペースが乱れるので「いよいよ来たか、がんばらなきゃ!」なんて思ってました。自分の子どもたちが育ち上がって、もうそんな心配もなくなった昨今、実は私も、教室に通って来る子どもたちと一緒になって「わ~い、いよいよ夏休みだー!」と喜んでいます。ただし、しっかり休暇を取って遊べるから、というわけではありません。その逆です。夏休みは子どもたちの練習時間がたくさんとれて、ぐんと伸びるチャンスだからです。

とにかく最近の子どもは普段ものすごく忙しいでしょう?毎日学校が終わった後に、ピアノ、塾、その他の習いごと、そして部活。まあ、とにかくみんな忙しい。そんな中でギリギリの時間を使ってピアノの練習をしてくれているわけです。私はピアノ教師ですから、もちろんみんなにもっともっとピアノの練習して欲しい。そのための時間を確保してほしい。これもあれも弾きたいと思っている生徒、あれもこれも弾いてもらいたいと思っている私。そうなんです。いつも以上にたっぷり練習時間のとれるこの夏休みがチャンスなのです! これから先、コンペもあるし発表会もあるし、ソロだけではなくて連弾もどんどんやってほしいし、コンペとは関係なく弾きたい曲や弾かせたい曲がたくさんある・・・。自分の時間がたくさんとれるこの夏休みこそが貴重なチャンスなのです。

さあ、いよいよやってきました夏休み。私は手ぐすねひいてこの時を待っていました。これから譜読みの嵐ですよ~。皆さん、たくさんたくさん譜読みして、びんびんしびれるような曲をどんどん演奏しましょうね。先生は夏休みを迎えてやる気満々ですよ


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大人の弾き合い会

2015年07月15日 | レッスンメモ
先日、大人の生徒さんたちの弾き合い会をしました。わが教室の大人の生徒さんたちは、皆さんそれぞれ個性豊かで、職業、年齢、ピアノ歴など様々です。そんな皆さんに共通しているのは「ピアノへの思い」。それぞれにお忙しい生活の中で、この「ピアノへの思い」という共通の関心事がご縁になって生まれた仲間たちです。

年に何度か開くこの弾き合い会では、最初の頃ははただ順番に皆さんに弾いてもらって、みんなでそれを聴くというスタイルでしたが、ある時期から、一人づつ弾き終わるたびに、私の講評をはさむというスタイルに改めました。これは生徒さんたちからの要望で、自分以外の生徒さんに対する講評を聞くのが、とても勉強になるからということでした。自分でまだ弾いたことのない曲に対する講評はもちろんですが、自分が弾いたことのある曲でも他の人が弾くのに対する講評を聞くと、これまでとは違った角度でその曲の色んなことを知ることが出来て、とても勉強になるというのです。素晴らしい姿勢ですよね。自分の演奏に対する講評を人に聞かれるのはちょっと面映ゆいということもあるかもしれませんが、それよりも、もっと学びたいという向学心が勝っている証拠です。とてもいいことだと思います。

弾き合い会の後はお茶の時間。ピアノ仲間通しの語らいは楽しいですね。日頃どうやって練習しているか、練習時間の作り方、譜読みの仕方やその工夫など、大人ならではの悩みやその解決策などお話しは尽きません。この語らいを通じて刺激をもらって、「また頑張ろう」と思えるから、弾き合い会はとても貴重な機会ですとおっしゃってます。それにしても、本当にうちの教室のピアノ仲間は、お互い仲がよくていい人ばっかり! これが私の自慢です(私が自慢してどうする!?)。感謝、感謝

さて、先日は恒例のお茶会のあとに、メンバーの一人の結婚祝いを兼ねて、お食事会に繰り出しました。そこでももちろん話題はピアノ中心。皆さんそれぞれ「あれを弾こうか」「これを弾きたい」等々、ピアノへの熱い情熱が飛び交う宴会とあいなりました。生ビールにとり天、そしてピアノ談義。たいへん幸せな一夜でございました。

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みんなで楽しく学ぼうソルフェージュ

2015年07月13日 | レッスンメモ
私の教室では大体、隔週のペースで日曜日の朝にソルフェージュのクラスを開いています。音符に親しむところから、レベルに応じて難しい聴音まで。クラス分けしてやっています。昨日はトランプの七並べならぬ、音符カードを使ったドレミファ並べからスタート。3人で音符カードとにらめっこしながら素早く並べて行きます。子どもはみんなスピード競争大好き。テンションがあがってとても楽しそうに取り組んでくれました。日頃のレッスンではおとなしくて、あまり声を出さないタイプの子どもでも、これをやると自然と声が出てきます。ドレミファ並べは、その「声」を出してもらうための序奏。そしてその次は「新曲視唱」。しめしめ、元気に大きな声を出してくれました。さらに続けて、和音の当てっこ、リズムリレー、楽典(小さな子どもたちには楽譜のルール)、初見、聴音、音楽史の解説などなど・・・。メニューは、日によってレベルに応じて様々ですが、とにかく生徒たちが快活に学べるクラスづくりを心がけています。楽典やソルフェージュというのは教える側が一方的に「講義」してしまうと、これほど退屈なものはないですからね。

いつもは一人で黙々と練習するのが基本のピアノ。真面目に練習する生徒ほど、一人でピアノと対峙する時間は長くなります。孤独との戦いもついてきます。だからこそ、ともに聴いてくれる人やともに演奏する仲間たち、そういう人たちと一緒に音楽を楽しむこと勉強すること、これこそが音楽の醍醐味だと思うのです。だからこそ、こうやってほかのお友達とキャッキャッと大きな声を出して発散しながら、一緒に音楽の勉強を楽しむ機会を大切にして欲しいと思っています。

入学試験のためのソルフェージュ対策など、個別にみっちり指導することが必要な場合もありますが、小さい時はとにかくなるべく早い時期から、みんなと一緒に楽しく学ぶのがソルフェージュ・楽典学習の秘訣です。合言葉は、「みんなで楽しく学ぼうソルフェージュ」 それではまた、次回も楽しくやりましょう

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ホール練習でみえてくること

2015年07月09日 | レッスンメモ
コンペに出る生徒たちとホール練習をしました。立派なホールの立派なピアノ。コンペやコンサートでは日頃の練習環境とは全然違う環境で本番を迎えるのですから、少しでも慣れるために、可能な限りホール練習は取り入れたいものです。

先日も多くの生徒たちが参加してくれて、時間に限りがある中、分刻みで次々に交代しながら演奏してもらいました。私はホールの客席に座って、一人ひとりに気付いたことを注意します。ステージの生徒によく声が届くように、マイクを使ってあれやこれや、特に音の響きなどを中心に指導しました。がらんとした広いホールで、マイクを使いながらステージに向かって、時には厳しい指摘をとばす。何だか、昔みた映画「コーラスライン」のオーディションの場面を思い出します。あのシーンのマイケル・ダグラス、とっても厳しかったですね、怖かったですね。私は決してあんなではない、自分で言うのもなんですが、優しい先生だと思っているのですが、「ホール練習の時の愛野先生は、いつもの先生じゃない」なんて言われてしまって・・・反省です。

ホールで弾くフルコンは、もうそれだけで素晴らしく、弾いていて気持ちの良いものですが、それに自分が酔ってしまってはダメですよね。ものすごくポテンシャルの高いスタインウエィのフルコンは、どんなにでも音を出してくれます。それに加えてさらに、広いホールの音響効果が加勢してくれるのですから、誰が弾いてもいつもとは違う響きが出て来て当たり前です。そのピアノが本来持っている力に甘えるのではなく、ピアノの力を全部引き出すように、こちら側も準備したいものです。そしてそこから放たれていく音がホールにどう響くか。耳をホールの真ん中に持っていくような気持ちで、ホール全体の響きをよく聴いてほしいのです。このことは、やはり狭い部屋だけの練習では身につきません。何度も何度もホールでの演奏を経験して初めて聴けるようになるのだと思います。

ホール練習では、その生徒の本当の持ち味がそのまま出てくるなあとつくづく思います。その生徒の強みも弱点も、はっきりとさらけ出しますね。私も自分の教室のレッスンでは見逃していた点に気付くことがたくさんあって、とても良い機会だったと思っています。こうやって積み重ねて、みんなピアノを楽しんで、日々過ごしてくれると嬉しいなと思います。

真っ赤なグラジオラス。この夏は、こんな風に情熱を持って過ごします!

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だんだん弾けるようになるワクワク感

2015年07月07日 | レッスンメモ
先生から新しい曲をもらって練習を始めるときは、まず譜読みをしなければなりません。ピアノを始めたばかりの頃は、まだ単純な練習曲ばかりで、あまり練習しなくてもすぐ弾ける(マルをもらえる)ようになっていたのに、だんだん進んでいって難しい曲になると、よほど初見が強くないと、さっとは弾けません。

ここがピアノの分かれ道。ここで、踏ん張るかいやになるかです。踏ん張るとか頑張るとかいうと、それだけでもう、うんざりの子どもたち、たくさんの音符を読むのは大変ですよね。「ちょっと、まった」「え~っと」「う~ん」こんな風に立ち止まりながら、首をひねりながら、よちよち進んでいきます。だから、どうしてもゆっくり、ゆ~っくりになり、本当は3分くらいの曲なのに、最後までたどりつくのに10分以上かかったりします。でもね、ここで投げ出しちゃあだめなんです。もうちょっと自分に、そしてその曲に期待して待ってみて。休み休みでもいいから、必ず少しづつ、だんだんと、弾けるようになるっていうことを忘れないでほしいのです。

そう、分かれ道というのは、このときに、もうイヤになって投げ出すか、もう少ししたらもっと曲に近づけると期待できるか、ここなんです。誰でもほんとにもう少しやれば、その曲がだんだん曲らしくなってきます。最初は何の曲を弾いているかもわからないくらいだったのに、それが何の曲かおぼろげに分かるようになり、そしてそばで聴いていても「あ、それ、○○の曲!」と分かるようになってきます。そして、ついには最初から最後まで通して弾けるようになる。そうすると皆その曲が好きになるし、楽しいし、弾けるようになった自分のこともピアノのことも大好きになります。

「う~ん、できないなあ」から、「あ、少し弾けるようになった」「あ、ここんとこ、だいぶ弾ける」という過程を、自分自身がワクワク、しながら楽しんで欲しい。この「ワクワク」が大事。きっと弾けるようになることを信じて(そもそも弾けない曲は渡しません)、少しずつそれに近づいていく。そしてほんとに弾けるようになった自分を発見したときの、大きな大きな喜び!これを何度も何度も味わってもらいたいですね。

その曲へのあこがれ、ピアノへの情熱や大好きという気持ちが根底にあれば、年齢に関係なくたいていの曲は弾けるようになります。壁にぶつかって分かれ道の前に立った時、たとえほんの少しでも一歩前進することのワクワク感を思い出せば、続けられます。こうして、だんだん曲が弾けるようになるのです。

そしてそこから先は、その曲の深い深~いところまで、先生と一緒に音楽の旅をします。研究すればするほど遠いところまで旅ができて、それまで目にしたことのない風景が見えてきたり、驚くような出会いがあったりします。音楽の旅には終わりがないけど、旅をしている間はいつもドキドキ、ワクワクです。

分かれ道に出会った時は「ドキドキ・ワクワク」が待ち構えている方の道をえらびましょう!

湯布院の「こみちカフェ」で、お茶してきました。素敵なお店!

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丁寧に弾く

2015年07月06日 | レッスンメモ
「丁寧に弾きましょう」というのは、皆さん何度も言われている言葉だと思いますが、意外とこれが浸透しないものです。丁寧に弾くためには、まずは、譜読みの段階で丁寧に読むこと。音の間違いはないか、指番号の確認、スラーはどの音からどの音までか、休符はきっちりと等々。こうしたことを一つひとつ丁寧に確認しながら譜読みすることが大切です。この譜読みの段階で丁寧に読んでいるかどうかで、仕上がりのスピードや精度が違ってきます。ここをいい加減にしていると「丁寧に弾く」ことなどとてもおぼつきません。

そして、タッチ。キーに指が触れてから底に落ちるまでの速さや重さなどを、コントロールする。このとき一音一音をよく聴いて一つ一つ丁寧にタッチをコントロールしてほしいのです。「バシバシ叩かない」、「ふにゃふにゃ触るだけにしない」 しっかりと丁寧に音をとらえる指さばき、これを身につけてほしいと思います。大切なのは耳とタッチ。この音がほしいときはこのタッチ。こういうタッチをすればこういう音が出る。この組み合わせのセットを自分なりにできるだけたくさん身につけてほしいですね。

丁寧に弾くというのはなにも技術的なことだけを意味しているわけではありません。どんな曲でもその楽曲の成り立ちや背景をきちんと理解した上で演奏することが大切です。その上で曲の全体的な構成を把握して、フレージングにメリハリをつける。作曲家が指示した様々な楽語の意味を一つ一つ丁寧に深く読み込む。そのようにして読み込んだことを音楽として表現する。これが丁寧に弾くということ。こうして書いてみるとやることが多すぎてなんだか気が遠くなる様な気もするけど、それをコツコツ積み上げていくことによって、そのたびに自分の演奏が素敵に変身していくことを感じとることができます。こういう実感が得られるとほんとに嬉しくて、楽しくなります。それまでの大変さなんて忘れてしまうほどです!

でも実際のところ、丁寧に弾くということは、実は簡単なことなんです。音楽を愛する心。これさえあれば、人は誰でも音楽に対して自然に丁寧に接するようになります。だから私の仕事の一番大切な根っこのところは生徒たちの、音楽を愛する心を大きく育てていくこと。あんまり小難しいことばかり言って、音楽が嫌いになってしまうようでは本末転倒というものです。さあ、今日も生徒と一緒に音楽やっていきます。

ムクゲの花が咲き始めました!

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チーズはヤスリで削る?!

2015年07月05日 | レッスンメモ
シーザーサラダやトマトベースのスパゲッティなどのときに、欠かせないのがチーズのふりかけ。しかし固いチーズを削るのが結構面倒くさい。そんな手間のかかるチーズ削りが超簡単にできる「おろしがね」、ついに手に入れました。

それがコレ

毎週欠かさず録画している「男子ごはん」で、しんぺいちゃんが使っているのを見て、なんか変なカタチだけど簡単に削れてるみたいだなあと、気にはなっていました。そんなある日、チーズ屋さんでチーズの買い物をしていたら、たまたま現物が並んでいるのを発見。早速買ってみました。そしたらこれが大正解。
こんな風に使います。
 
力を入れなくても全然平気。驚くほど簡単に削れてしまいます。今までの苦労は一体何だったのか・・・。しょうがとにんにくもおろしてみましたが、これまた超簡単で楽々でした。

この器具を作ったマイクロプレイン社というのは元はといえば大工用具専門メーカーで、同社の木工用ヤスリをキッチンで使ってみたある主婦のアイデア(経験)がきっかけとなって、この商品を世に出したのだそうです。そうか、これ、元はヤスリだったんだ。道理でよく削れるわけだと納得しました!

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リストの「テクニカル・スタディーズ」

2015年07月01日 | レッスンメモ
ピアノを弾くにあたってテクニックを身につけることは、改めて言う必要もないほど、とても重要なことです。「テクニックだけあっても、音楽(芸術性)がそこになければ何にもならない」というたぐいのことは良く言われることで、私自身も良く口にします。もちろんそれはそうなんですけど、これは必要十分なテクニックを持った上でのこと。この言葉をテクニック軽視と勘違いしてはいけません。

子どもたちはまだまだ指が弱いし、テクニック的に学ぶことがたくさんあります。曲を弾くにあたって言いたいことや歌いたいことをたくさんもっているのに、指が言うことをきいてくれなくて、何となくグチャッと弾いてしまう。これは本人が一番悔しいし、スッキリしないところだと思います。

私の教室ではテクニックを身につけるための指の訓練にも重きを置いています。一人ひとりのレベルや曲に合わせて、おめがねさん体操、グーパー体操などから始まり、スケール・アルペジオ、そして、それぞれの生徒に合うように工夫した私のオリジナルの指体操などを織り交ぜて指導しています。それでも、それでも、指は言うことをきかないものです。その時に使いたいのが、リストの「テクニカル・スタディーズ」です。これは三分冊で出版されている膨大な練習本です。これでもかというくらいの徹底的な指の練習になっています。さすがに超絶技巧の元祖ともいえるリストが作っただけあって、これを全部マスターすればあなたもきっとリストみたいになれるのは間違いなし!?!? まあ、実際にはそうは行きませんので、教室ではこれを全部やらせようなどとは思っていません。時に応じてその生徒にとって一番役に立ちそうなものを選んで取り入れるようにしています。

それにしてもこの「テクニカル・スタディーズ」をみていると、名演奏家であり大作曲家、そして多くの有名な弟子を育てた超一流のピアノ指導者でもあったリストだからこそ書けた「テクニック練習本」だなあ、ということをつくづく感じますね。

曲の練習のたのしさとは違って、テクニック練習は退屈で面白くない。ついついおろそかになりがち。でも生徒のみんなには、テクニックを軽視していたら結局、思うように表現できないんだということに早く気付いてほしいです。自分の指さばきをもっとケアして、技術練習をおろそかにしないで、表現力の向上につなげてほしい思っています。何をかくそう、これは私自身がいつも自分に言い聞かせていることでもあります。さて、私も今日はリストの「テクニカル・スタディーズ」から始めるとするかな


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