ピアノの音色 (愛野由美子のブログです)

クラシックピアノのレッスンと演奏活動を行っています。ちょっとした息抜きにどうぞお立ち寄り下さいませ。

ダン・タイ・ソンとジャン・チャクムル

2019年10月10日 | レッスンメモ
先週の土日は二日続きでコンサート鑑賞に行ってきました。一つ目のコンサートは、ダン・タイ・ソンのピアノリサイタル。ダン・タイ・ソンと言えばご存じの通り、1980年にショパン国際ピアノ・コンクールでアジア出身者としては初の第一位に輝いたヴェトナム出身の世界的ピアニストです。近年では指導者としても素晴らしい実績を誇っており、ショパン国際ピアノ・コンクールなど、国際的なピアノコンクールの審査員なども務めています。

もう一つは、ジャン・チャクムルのピアノリサイタル。ジャン・チャクムルは1997年トルコのアンカラ生まれ。2018年の浜松国際ピアノコンクールで第一位となった新進気鋭の若手ピアニストです。

ダン・タイ・ソンがショパンコンクールで一位になったのは22歳の時。チャクムルが去年浜松で一位になったのは21歳の時。ほぼ40年の年の差のあるこの二人の演奏をたまたま二日で聴き比べることができました。こんな機会、もう二度とないでしょう。

ダン・タイ・ソンの演奏はやはりベテランらしく、全体的に余裕と安心感を感じさせてくれる演奏。秋晴れの午後、マチネのひと時を心地よい音楽の香りに包まれて過ごすことができて、とても幸せな気分にひたれるコンサートでした。一粒一粒の音がホールの中を浮遊して、ふくよかな香りが漂う感じ・・・。

これに対してチャクムルのピアノは、期待通りの若さあふれる、フレッシュでみずみずしい音が縦横無尽に発散する、というものでした。ピアノに向かうその姿から、一生懸命音楽に取り組んでいる、真摯に深くピアノと対峙しようとしている、という感じが伝わってきて、とても清々しく感じました。

二人の演奏を聴いて想うのは、やはりピアノというのは奥が深いなあということ。ベテランにはベテランの、若手には若手の、それぞれの味わいがあります。ダン・タイ・ソンの40年前の演奏はどうだったのかしら、そして40年後のチャクムルはどんな演奏をするのかしら、ということを想像してみるのも楽しいことです。でも、チャクムルさんの40年後の演奏を聴くなんて、私、そんなに長生きできるのかしら?(笑)

さて、芸術の秋、コンサートに出かけましょう! 生の音で聴く名演奏は、その会場の空気と一体になって、身体全体で音楽を感じることができて、聴く人を感動させてくれます。皆さんもぜひ時間を作って、コンサートにお出かけください。

愛野由美子ピアノ教室ホームページ

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