ピアノの音色 (愛野由美子のブログです)

クラシックピアノのレッスンと演奏活動を行っています。ちょっとした息抜きにどうぞお立ち寄り下さいませ。

ソナチネのプログラム

2014年01月31日 | レッスンメモ
あるミニコンサートにお招きされてソナチネを何曲かまとめて弾いて欲しいというリクエストをいただきました。ソナチネと言ってもたくさんありますので、どれを弾こうかとあれこれ考えています。ソナチネという言葉はソナタの簡易版というくらいの意味で、比較的短くて弾きやすいものが多いので生徒のレッスン用の教材としてよく使われています。私の教室でも色んなソナチネを教材にして生徒にやらせています。今回はそれを生徒の指導のために弾くのではなくて、曲自体の魅力をお届けできるように弾いてみたいと思っています。そんな観点から改めていくつかのソナチネを弾いてみると、これが楽しい! ソナチネといえば練習曲という印象が強すぎて人によってはつらい思い出や怖い先生の記憶と一緒になってしまうこともあるようですが、そんなことは忘れて曲を曲として純粋に楽しむことも大切ですね。

私はソナチネが大好き。可愛いソナチネ。心温かい素晴らしい作品。どれを弾こうか、どんな組み合わせにしようか、時間はいいかな、などとストップウォッチとにらめっこしながら弾きまくりました。ソナチネは長いものではないので結構たくさん弾いても時間がまだある・・・という感じで、これもあれもとどんどん追加していきました。どれもいいなあ。昨日はすっかりソナチネの日となったのでした。本当にピアノって楽しいです~。そんなに楽しいことを仕事にしていて、本当に幸せ者です。みんなに感謝しています。

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何度やめても

2014年01月30日 | レッスンメモ
今年になってから一応1ヶ月はまともに続いているウォーキング・ジョギング。昨年の暮れに帰省した娘とおそろいのジョギングウェアを買って、新年からお互いに始めようと約束しました。娘は東京で、私はここで、それぞれ時々連絡しあってちゃんと続いているか確認し合って励まし合って続けようと約束したのです。これまでに何度も挑戦しては三日坊主だったり10日間で終わったり、いつも挫折していたものです。もちろん今年も出張で朝早くから出かける日や、仕事が立て込んで一日中時間が取れない日はお休みしています。問題はそれがきっかけで翌日もついつい休んでしまうこと。今年はそこのところをきちんと切り替えて、昨日は昨日、今日からまた続ける!と頑張ってるわけです。

ピアノも色んな理由で嫌になったり辞めたりすることがあります。この点、大人も子ども変わりありません。でも、心のどこかにピアノへの思いがくすぶっている人が大半。そしてそのもやもやがはっきりした形になって、またピアノへ向かう時がやってくるのです。

私は高校の時に自分の下手さに嫌気がさして、そしてそれを克服するための努力に疲れ果てて、自分を追い詰めて自分を嫌いになって結局ピアノを辞めると決心したことがあります。「もう私には本気でピアノをやることはできない!」でも、やっぱり心の奥底で何かがくすぶり続けていました。灰の中に埋もれた炭火のように、一見何事もないようにしているけれど、実は決して火が消えたわけではない。そんな状態だったのでしょう。ピアノの練習にあてていた時間がぽっかりと空いて、その時間にあれもしようこれもしようと思っていたのに、何をやっても身が入らず、時間が経つのが遅く感じられました。そして結局、「ピアノをやりたい。下手でもやっていきたい!」という思いに至り、ピアノに戻ったのです。埋もれた炭火の灰をどけて息を吹きかければ瞬く間に再び真っ赤に燃えだしてくるはず。受験前の大事な時期に2ヶ月もピアノを放り出したことをものすごく後悔しながら無我夢中で練習に取り組んだことを覚えています。

たとえ何回挫折しても、また何回でも始めたらいいと思います。一度身に付けたピアノの炭火は決して消えてしまうことはありません。いつでもまた上にかぶさった灰が取り除かれるのを、そしてあなたが息を吹きかけてくれるのを待っています。何度辞めてもピアノは待っています。また辞めなくても気持ちが折れそうな時、ピアノは何の文句も言わずにじっと待っています。いつからでもまた再び始められるのです。

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コメント (2)
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後悔しないレッスン

2014年01月29日 | レッスンメモ
毎日、生徒のレッスンをしていてつくづく思うことがあります。この生徒たち一人ひとりの中に隠れている才能を引っ張り出して、磨くことの責任。

私は小さな頃の自分に悔いがあります。ああ、あの頃もっとこうしておけばよかった。もっと早い時期にあれもやってこれもやっておけばよかった。こんな風に後悔することがいくつもあります。だから生徒たちには将来そんな思いをさせないで済むように、できるだけ幅広くどんどん挑戦してもらうようにしています。ピアノのレッスンは学校の勉強と違って学年(年齢)に応じてカリキュラムを決めていくものではありません。生徒一人ひとりみんな進度が違います。年齢に関係なくその生徒のやる気に応じてこちらが与える課題も違ってきます。そこで大切なのが生徒の可能性を見極めること。そして生徒自身も気づいていない生徒自身の力を引き出すこと。

生徒がどんな力を持っているかは色んな課題を与えてみないと分かりません。色んな課題を色んなスピードで与えていく。どこまでやれるか、何が苦手で何が得意かとにかくやらせてみること。「まだこの子には早いかな」というこちらの先入観が強過ぎるとその子の可能性を見逃してしまうリスクがあります。生徒によってはこちらが驚くほどぐいぐいついてきます。先日コンサートで素晴らしい演奏を聞かせてくれたピアニストのブフビンダーさん。彼がウィーン国立音楽大学に入学したのはなんと5歳の時だったそうです。まさに神童!これは極端な例ですが、とにかく生徒の持つ可能性というのはあなどれない。教える側のペース優先でその生徒の可能性を知らず知らずのうちに制限してしまってはいないか、注意が必要です。

あの頃もっと色んな事を教えてくれてたらなあという思いを胸に置いて、自分の生徒たちにはとにかくできるだけのことをしてあげたい。生徒にとっては大変かもしれませんが遠慮はしません。その生徒が後で後悔するより余程ましだと思うからです。若いうちは本当に、どれだけでも吸収して、力を発揮しますから。まだ小さいからこのくらいで、なんてことは、ないのです。やったらやっただけぐいぐい伸びるものです。原石を磨くことは私の楽しみであり喜びです。深くて広い音楽の森を、生徒たちと一緒に手をつないで散歩していきたいと思っています。

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懐かしい曲たち

2014年01月28日 | レッスンメモ
昨日はバッハのイギリス組曲を弾きました。もう本当に久しぶりの曲です。存在を忘れていたくらい久しぶりでした。弾いているうちに昔のことがあれこれ蘇ってきて、夢中で弾きました。夜はベートーヴェンの後期ソナタをCDで聴きました。アンドラーシュ・シフの演奏です。素晴らしい。本当に大好きです。以前リサイタルで弾いたことのある曲も入っていて、これまた懐かしい。聴いていると当時のいろんなことが思い出されて、じんときました。

マドレーヌと紅茶の香りがきっかけとなって昔のことを思い出すという有名な小説がありますが、私の場合はやっぱり耳から入って来る音楽によって引き出される記憶の方が大きいです。以前心血注いで取り組んだ曲を耳にすると、次から次へと昔のことが思い出されてきます。ほろ苦い思い出や楽しかったことなど、あれもこれも一緒になって目の前に浮かんできます。もちろん、そういう思い出ばかりに浸っているわけにはいきません。バッハのイギリス組曲、これを以前と同じようにではなく、さらに新しい風を入れて弾こうと思っています。

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大人の弾き合い会

2014年01月27日 | レッスンメモ
昨日の午後は大人の生徒さんたちの弾き合い会を開きました。昨年11月に発表会を終えて以来初めての弾き合い会です。その間わずか2ヶ月。しかも何かと忙しい年末年始をはさんでいたのに、皆さんしっかり新しい曲を練習してそれを御披露するところまでいっている。素晴らしいです!

皆さん仕事や家事でお忙しい方ばかりですが、とにかくピアノを好きで続けていらっしゃる方ばかり。音楽関係の大学をご卒業の方もいれば、全く違う畑の方もいるし、ベテラン、初心者と多士済々の顔ぶれです。とにかく皆さん純粋にピアノが大好きで自分の弾きたい曲、大好きな曲に挑戦しています。たとえばショパンのポロネーズ、スケルツォ、リストのため息、ベートーヴェンのテンペスト、シューマンのクライスレリアーナなど。それにムーンリバーやシャボン玉といったポピュラーも。いつものように私からのワンポイントアドバイスをはさみながら、みんなで一緒に楽しみながら勉強しました。

弾き合い会が終わった後は居間に移ってお茶会です。我が家特製のおぜんざいをみんなで食べました。自慢は、おもちです。そう、年末の餅つき大会のときに我が家でついた、あのお餅入りのおぜんざいなのです。あの時のお餅はすぐに冷凍して保存してます。かたちはちょっと不揃いですがきめこまかくてコシがあって本当においしいんです。みんなとっても喜んでくださって、楽しいおしゃべりに益々花が咲きました。

こうして年齢も職業も違うメンバーがピアノを通じて集まって、お互い励まし合いながらピアノと向き合い、和気あいあいと楽しい時間を過ごす。こういうのって本当に嬉しくなりますよね。幸せを感じます。夕方まであっという間の楽しい時間でした。あんまり時間が経つのが早くて写真を撮り忘れたのが残念・・・。

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水仙の似合う朝

2014年01月26日 | レッスンメモ
寒い日にいち早く春の訪れを教えてくれる花に水仙があります。我が家の庭には何種類かの水仙がありますが毎年この水仙が一番に咲きます。今朝、摘んだばかりです。控え目な香りをまいて、和ませてくれます。

どんな花も私を癒してくれますけど、気持ちが滅入った時は派手な香りのする花よりも、ひっそりと寄り添ってくれるような花がいいです。ゴージャスな花は元気が出て気持ちが沸き立ちますが、今朝はこの清楚でまわりの空気を優しくしてくれる、スイセンが似合う朝です。

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レッスンをする側の姿勢

2014年01月25日 | レッスンメモ
私は生徒を愛しています。自分の子どものように一生懸命に思っています。それだけは自信があるので、こう宣言します。では、その生徒を幸せにするために、何ができるか? ただ「愛してるよ~」というだけでは何にもならないわけです。その愛情をもって、ピアノを上手くするという仕事をしなければなりません。

私にできることはまず、とにかくレッスンの内容と精度を上げること。一人ひとりの生徒に応じて、よく考え、集中して、よく聞くこと。生徒の曲の研究をし、生徒が壁にぶつかっている問題をどうしたら解決できるか、これを考える。こういうことを長年自分なりに試行錯誤を繰り返しながら積み重ねてきました。しかし、それだけでは独りよがりになる危険性もあります。自分勝手な思い込みというやつですね。自分の教室という小さな世界に閉じこもっているとそうなりがちなので気をつけなければいけません。常に高くアンテナを張って、もっと視野を拡げて勉強する。セミナーや読書、時には他の先生によるレッスンをアレンジして私とは違う観点から実際に生徒を指導してもらう。ほかにも色々。とにかく思いつくことは何でもやってみようと思っています。

折に触れ、「私のやり方でよかったのかしら? もし、私でなければもっと伸びていたということはないかしら?」と自問自答しています。子どもたちの成長は早いです。時間はあっという間に過ぎてしまって、やり直しができません。こちらの責任重大です。何がベストなのか、結局誰にも分かりませんけど後悔だけはさせたくないし、したくない。私に出来ることはとにかく努力を重ねて、謙虚にしかし自信をもって、素晴らしい生徒たちと毎日ピアノに向かうこと、こう思っています。

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我が家の流行歌

2014年01月24日 | レッスンメモ
ピアノの部屋から出て来たら、夫が、「~~♪」と何やら鼻歌まじりに歌っています。なんと、それは最近私が練習している曲の一つでした。「この曲知ってるの?」と聞くと「え?何だっけ?」 夫は全然自覚がないのです。私はこうやって知らず知らずのうちに家族に曲をインプットしています。まだ子どもたちが家にいた頃、みんな私のコンサートのプログラムの曲を、何の曲とも知らずに、鼻歌交じりに歌っていました。ピアノ部屋から漏れるピアノの音を、一緒に暮らしている家族は本当に何度も何度も繰り返し聞かされるんですね。私の練習を聴きながら育ってしまったあの子たち。時には「ミレミソ、ミレミソ、ミレミソ」などの非音楽的な運動的練習。または、符点の練習「ど~どみ~そみ~どみ~そ」なんていうのもありますが、うちの子どもたちはそういうのまできちんと覚えて口ずさんでいました。これには驚きました。耳コピで符点のまま・・・。昨日は、ほんの少し前までこうだったなあと感慨深く思い出しました。

こういうことがあると練習にも気が抜けなくなります。さ、気を引き締めて家族がいやでも覚えてしまうくらい何度も何度も練習しよっと。

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えいや!の心意気

2014年01月23日 | レッスンメモ
大寒も過ぎましたが、寒い日が続きますね。寒いとつい何でも億劫になりますでしょ?例えばこんなこと。
1)まず朝、ベッドから出ること
2)あったかい部屋から出て廊下や階段に行くこと(まるで冷凍庫みたいなんです)
3)ウォーキングやジョギングに出かけること(今年こそ続ける!という決心が揺らぐ・・・)

猫が暖かい日だまりや炬燵で丸くなるっていうのは御存知の通りですが、池の鯉まで寒くなるとみんな寄り添って肩寄せ合ってじっとしています(まるで猫と一緒)。私も猫になりたい、毎年冬になるとそう思います。しかし、それではいけないのです。そんな風にじっとしてしまうと、かえって頭も身体もフリーズしてしまいそうです。雪山遭難の例の場面を思い出してしまいます。「眠るな! 眠っちゃだめだぞ!」ビシッ、バシッ(頬を叩く音)

今年は毎日ウォーキングとジョギングをやると決めています。でも、こう寒いとどうしても悪魔のささやきが聞こえてくるのです。「今日は休もうよ。ほかにしなきゃいけないことたくさんあるよ。練習時間が減るし。ピアノの練習とジョギングとどっちが大事なの・・・。」

この悪魔のささやきに打ち勝つのに一番効果を発揮するのが、「えいや!」の掛け声です。自分の中の悪魔からの甘~い誘惑を断ち切る大きな掛け声。誘惑に負けると必ず自己嫌悪に陥るのは分かっているので、ここで「えいや!」と声を出して誘惑を断ち切ります。このときの声は大きければ大きいほど効果がありますが、ちょっと恥ずかしいなと思う方は声を出さずにその心意気で気合いを入れるといいと思います。同じような効果が得られます。というわけで今年の運動目標はこれまで何とか続いています。身体を動かしていると脳も活性化されるようで、仕事もサクサク進むような気がします。何しろ「ああ、今日もさぼっちゃったなあ」と自己嫌悪に陥らないだけでも気分がスカッと晴れます。「よし、これは済んだ。次はこっちだ」と身も心も切り替えて仕事が進むのです。

「えいや!」の心意気で、寒い時こそ身体を動かして自分をフリーズさせないようにしたいと思っています

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ピアノを弾くにはまず健康

2014年01月22日 | レッスンメモ
寒い日が続きますね。最近インフルエンザが急増しているようです。この時期は受験シーズンでもあり、教室でも気を使います。教室の換気、ピアノの鍵盤の消毒などもこまめにやっています。保護者の方にもちょっと様子がおかしいなと思った時は無理せずに休ませてくださいとお願いしています。

でも、何と言ってもまずは体調を整え体力を作ることが一番大事。たっぷりの睡眠と栄養を取って、あまり無理をしないこと。ピアノを弾くには健康が第一です。身体がはつらつとしていないと、はつらつとした演奏ができません。身体がだるかったり、お腹の調子が悪かったりすると気持ちが音楽に入らず、鍵盤をなぞるだけで精いっぱいということになってしまいます(経験者は語る)。

というわけで昨夜は私もしっかり食べてしっかり寝ました。白菜のお安いシーズン。うれしいですね。夕飯では夫婦二人で馬のように白菜を食べました(笑)。白菜と言えば台湾の故宮博物院にある「翠玉白菜(すいぎょくはくさい)」が有名です。ヒスイの原石を彫刻して白菜に仕立てた美術品で、故宮博物院の三大至宝の一つと言われています。観光客には大人気の逸品だそうです。私は実物は見たことないのですが、夫が観に行ったことがあって、「なんでまた、よりによって白菜なんだろ?」と、なかばあきれておりました。

それにしても夫はそれ以来、白菜を見ると「翠玉白菜」を思い出すそうですから、やはりすごいインパクトだったのにちがいありません。何の変哲もない白菜を芸術品の高みにまで押し上げたその彫刻家の気持ちに想いを馳せながら美味しくいただきました。それでは今日も元気にピアノを弾きましょう!

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ブフビンダーは素晴らしい!

2014年01月21日 | レッスンメモ
日曜日は、朝早くから電車で出かけて福岡にいる友人達とランチをしました。久しぶりの再会でしたが、益々お仕事で活躍しているお二人と楽しい時間を過ごしました。お互い短い時間で話し足りない感もありましたが、短時間にギュッと楽しさをつめておしゃべりしました。

そして友人たちと別れていよいよブフビンダーを聴きにアクロス、シンフォニーホールへ。ファビオ・ルイージ指揮、N響との共演でピアノ協奏曲。モーツァルトの20番、ニ短調K.466

この曲は有名な曲で色んなピアニストの演奏を聴いてきました。今日はどんな演奏に出会えるのだろうと最初からワクワク。テレビでは何度かみたことがありますが、生のブフビンダーは初めてです。舞台に登場して中央に進む。膝を伸ばしぎみに膝から下をややポンと前に突き出すような独特の歩き方です。いかにも真面目そうで真っすぐにピアノに向かって行ってモーツァルトが始まりました。何と言うか、いらないものを全部削ぎ落としたような、静かな充足感と幸福感が湧いてくるような、あたたかい演奏。テンポも落ち着いていてとても美しいものでした。昔からビルトゥオーゾとしてもかなりの評判の方ですが、そんな技巧をひけらかすところも、てらいもない演奏、聴き手に満足感と落ち着きを与えてくれる演奏でした。彼の紡ぎ出す音を聴いていると自然に感謝の念が湧いてくるような、そんな気持ちになりました。

演奏が終わるとあまりの素晴らしさに聴衆の拍手がなりやまず、何度か引っ張り出された末に、アンコールを演奏してくれました。曲はシュトラウス作曲グリュンフェルト編曲の「ウィーンの夜会」ワルツ主題による演奏会用パラフレーズOP.56。この演奏には本当に驚かされました。軽くておしゃれなウィーンのワルツの雰囲気はそのままなのに、なんと猛烈なスピード。ふつう超絶技巧といえばガンガン、バリバリ、聴く人を圧倒する技巧で押しまくるというイメージがありますが、ブフビンダーがみせてくれたのは全然違います。あくまでも軽くパラパラパラ~と、ものすごく速くて絶対こんな弾き方できないと思えるのに、それをいかにもたやすく、余裕の弾き方でスイスイ先へ先へと誘ってくれるのです。この曲はオーケストラ曲をピアノ演奏用に編曲したものですから音数も多くて決して簡単な曲ではありません。超がつくくらい難度の高いこの曲をこんなにおしゃれに軽々とあんな速さで・・・。これぞまさしくビルトゥオーゾ! いや、驚きました。もう素晴らし過ぎました。

というわけで、会場を出た後、ずっと頭がぼ~っとしていました。あんまり素晴らしいとすぐには感想など言えたものではありませんね。博多に一泊した後、昨日の夕方家に戻ってきて早速お仕事を再開しました。素晴らしい演奏が聴けたこと、そして素晴らしい仲間と話せたことで、また元気にお仕事できます

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ブッフビンダー

2014年01月19日 | レッスンメモ
今日は福岡アクロスで行われるルドルフ・ブッフビンダーとN響のコンサートを聴きに行きます。一度は生で聴いてみたかったピアニストの一人なのでとても楽しみです。

曲はモーツァルトのピアノ協奏曲 第20番 ニ短調 K.466。楽しみです。そして友人との久しぶりのお約束も。そんなわけで今日はいつもより早起きして電車に乗って出かけます。大分からの高速道路は標高の高い山間を通るので冬は雪が多くて危ないですからね。それにしてもブッフビンダーの音、弾き方、解釈、一体どんなだろう? 今からわくわく楽しみです

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エネルギー源

2014年01月18日 | レッスンメモ
私のエネルギーの源は、生徒たちや友人たちの頑張りです。つまりまわりから良い影響をうけることです。世の中には、考えられないほど頑張っている人たちがいて、それを目の当たりにすると、私なんかまだまだと反省して、もっと頑張ることができるようになります。

そして、最近特にかっこいいなあと思うのが悲壮感が漂ってない感じでスイスイ頑張ってらっしゃる人です。もちろんご本人にしてみれば全然スイスイではないかもしれないけど、はたからはそう見えるのです。とにかく「大変、大変」とは決して口にせず、いつも楽しげにさわやかで笑みを絶やさない。でも、よく考えてみると、とても真似できないというようなことを春風のようにスイスイとやってやってのけているのです。しかも、やさしい心使いというかあたたかな方ばかり。

そんな人たちを見ているると、私も力が湧きます。私もがんばらなきゃ!って思います。そんなお手本になるような方が回りにいて幸せです。刺激を受けて頑張れる気がするのです。そんな空気を今度は私が教室のまわりにふりまいて、いい環境が作っていけたら嬉しいなと思います。

頑張ってる人、大好きです。そんな大事な友人たちが私のエネルギー源です。

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やりたいこといっぱい!

2014年01月17日 | レッスンメモ
昨日は、楽器店さんと朝一番で打ち合わせ。その後、ちょっと練習して友人とランチ。ギリギリまで猛烈におしゃべりして家に飛んで帰り、レッスン、レッスン。その後練習。夜ちょっとネットを開くも沈没してしまい、いつものように早々にベッドいき。

やりたいことがたくさんたくさんあります。生徒のレッスン、生徒への色んな計画と配慮、自分の演奏の準備、練習、健康維持のためのジョギング、友人との語らい、コンサートを聴きに行く、美味しいものを食べに行ったり、作ったりする。部屋の整理整頓などなど。

いつも時間が足りないとこぼしている私は、大体毎晩7時間は寝ています。これって寝過ぎなんでしょうか? どうも話を聞いていると皆さんもう少し睡眠時間が短いような。時間が足りないと感じるのは睡眠時間を取り過ぎているせいかなあ。睡眠時間はこのままで、神様、あと2時間私に下さい!と叫びたい!

ブツブツ言ってないで今日ももう行動します。

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刺激を与えたりもらったり

2014年01月16日 | レッスンメモ
1月ももう中旬。半分が過ぎましたね。最近感じてる嬉しいことがあります。それは、教室のみんなが加速度的に頑張るようになっていること。昨年一年でたくさんの生徒が伸びたり活躍したりしました。そんな生徒の演奏を聴いて「私もあんな風に弾きたいな」とか、自分のレッスンの前後の生徒のピアノを聴いたり様子を見て「あ、頑張ってる」と感じたり。生徒同士お互いそんな良い影響を与えあってるなあと思います。

もちろん音楽は競争するためにあるものではありません。コンクールで良い成績をあげることは本人にとっても保護者にとっても、そして指導者の私にとっても大きな喜びです。しかしだからといって、コンクールで勝つことを最大の目的にするのは間違いです。ピアノというのはコンクールに出る出ないに関係なく、とにかく地道な練習が必要な楽器です。練習して深めないとなかなか楽しめないものです。そして、その練習をするために、本人のやる気を出すきっかけになるなら、コンクールにもどんどん挑戦してほしいと思っています。私はそういうポリシーです。

私がみんなに学んで欲しいことは、突き詰めれば「音楽の森を探検する魅力」です。奥深く、魅力にあふれた音楽の森。そこへ分け入って探検するのに、ピアノという様々な楽器の中でも一番複雑な楽器の道を通って行くのです。見晴らしのいい場所もあるでしょうし、いばらにさえぎられることもあるかもしれません。すいすい歩ける時も、疲れて動けない時も。それでも前へ進めば進むだけ、もっともっと大きな音楽の魅力に出会えるはずです。

一人ひとりの生徒がそれぞれの足どりで道を進み、お互い刺激を与えたり与えてもらったり、そんなのがやっと教室に伝わり始めたなあという嬉しい実感を持っています。この様子をそばで見ている私も影響を受けています。生徒に勉強させられたり、刺激を受けることが増えてきました。生徒がついてきてくれれば私ももっとたくさんのことを勉強してたくさんのことを生徒に伝えたい!と切に思うのです。このようにしてどんどん相乗効果が生まれていると感じています。

今日も生徒たちに感謝してピアノに向かいましょ!

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