新しい年、皆さまいかがおすごしでしょうか?旧年中は大変おせわになりました。今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
今年のお正月は天気に恵まれて穏やかに過ごすことができました。お休みの間、博多の友人夫婦のお宅へお邪魔して恒例のワイン&お食事会を楽しみました。ワインもお料理も本当に素晴らしかったのですが、今回の訪問で特に感動したのは、超こだわりのLPレコードの演奏を聴かせてもらったことです。
LPレコードですよ。若い人はご存知かしら?見たこともないんじゃないかしら。ここのご主人が随分色んな趣味をもってらして、特にオーディオについては昔からすごい(私にはよくわからないけど)んです。その方がついにこれまでのオーディオ遍歴に「これで終止符が打てた」とたどりついたのが、LPレコードの再生システムなのです。そこで実際に聴かせてもらった中の一枚が、これです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2d/0d/694acf1e883e269f16de602bcada1ee0.jpg)
アルゲリッチとチェルビダッケによるシューマンのピアノ協奏曲 イ短調 Op.54 です。オケはフランス国立放送管弦楽団。録音は1974年。アルゲリッチ33歳のときの録音です。そしてこのLPは当時の古いLPというわけではなくて、昨年発売されたばかりだそうです。元々CDで発売されていたものを後でわざわざLP化したということ。CDよりもLPの方が音がいい、という熱烈なマニア向けの逸品なのでしょう。さて、これを聴かせていただいて、私、びっくりしました。本当に音が素晴らしい! アルゲリッチの若々しくて、新鮮で、みずみずしい音楽が聞こえてきました。アルゲリッチは、本当にピアノの魔術師で自由自在にピアノをどうにでも操れるピアニストとして有名ですね。そして、昨今私が聴く彼女の演奏は、それをもはやご自身も知っているというか認めているというベテランの余裕ある演奏ですが、この若いアルゲリッチの演奏には真摯な、あるいは一生懸命さ!が感じられる演奏でした。それでいて、やはり彼女らしく自信に満ち、あの有名な完璧主義者のチェリビダッケにも臆すること無く、グイグイとアルゲリッチが引っ張っているシューマンでした。チェリビダッケが彼女の若い才能を認め、尊重しているのが分かります。そしてオケ部分になると、ぐいっと自分の世界に引き寄せる、巨匠チェリビダッケと若き日のアルゲリッチがお互いにバトンリレーをしながら駆け抜けていくようで、すごく面白かったです。
ワイン片手に暖かいお部屋でゆっくりくつろぎながら、こんな名演を素晴らしい音で聞くことができて、幸せでした。それにしてもLPレコードとこちらの再生システム恐るべしです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/71/93/f735744400599e775af1dd610f951063.jpg)
我が家ではとうていこうはいかないので、CD版があれば是非それを聴いてみたいです。こんなに感動したのは、元の演奏がいいからなのか、それとも、演奏はもちろんだけど、やっぱりLPとこちらの再生システムが素晴らしいおかげだったのか。とても興味深いです。聴き比べてみたくなりました。それほど素晴らしい演奏でした。
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