ピアノの音色 (愛野由美子のブログです)

クラシックピアノのレッスンと演奏活動を行っています。ちょっとした息抜きにどうぞお立ち寄り下さいませ。

夏こそピアノ

2016年07月26日 | レッスンメモ
いよいよ夏休みに入りましたね。子供たちが待ちに待っていた夏休み、私も楽しみに待っていました! 普段学校があるときは毎日なかなか時間がとれなくてピアノの時間を確保するのにヒーヒー言っている(言ってないかも)生徒さんたちが、やっと、たっぷり、思う存分、ピアノに時間を回せるのが、夏休みなのです。私は夏休みのことを勝手にこういう風に解釈しています!

でも、まあ、昔はですね、夏と言えば、小学生も中学生も、外で汗びっしょりになりながら遊んで、昆虫採集や海水浴などに興じていたものでした。もちろん、今もそんな子もいると思うけど、この暑さ、この暑さは昔と違います。昔みたいに外で遊んでいたら熱中症で倒れてしまいます。これは本当に心配です。地球温暖化がますます進む中、夏休みは外で遊ぶのはほどほどにして、家の中で、しかもエアコンをしっかり効かせて過ごすに越したことはありません。そこでピアノです。夏休みは一日中ピアノと遊びましょう。

というわけで、最近の日本の夏はピアノ練習にはむしろ最適の環境ではないかとすら思っているくらいです。コンペ真っ最中で一生懸命の子、秋にコンクールを控えている子、発表会の曲に大きなチャレンジングな曲をもらった子、基本をこの夏にしっかりと思っている子、それぞれにやるべきことをたっぷり抱えて夏休み突入です。教室のみんなが夏の想い出に、夏休みはピアノを夢中でやったなあと思ってくれるように、そのくらい一生懸命取り組んでもらいたいと切に願っています。

世の中は「ポケンモンGO」というゲームがブームで、やたら外を出歩くのが大はやりのようです。くれぐれも交通事故や熱中症に気を付けてほしいですね。一方、教室の生徒たちは「ピアノでGO」に夢中です。ピアノっ子たちの身体はピアノ部屋でじっとしているかもしれませんが、その感性と想像力はピアノの音色とともに、時代と国境を越えて、クラシック音楽のカラフルな世界を、自由自在に飛びまわっているのです!

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ウララ・ササキ先生のセミナー無事終了

2016年07月19日 | レッスンメモ
昨日はグループ・アイ主催の「ウララ・ササキ先生公開レッスン・セミナー」の日でした。公開レッスンというカタチをとりながら、どういうポイントでピアノ指導をしていくかということを会場の皆さんにも具体的に解説していくというレッスン・セミナーです。

この日レッスンを受けたのは小学生3人、高校生2人、そして大人1人の合計6人の方々たちでした。それぞれの年齢やレベルに応じて幅広い指導法を見せていただいて、とても勉強になりました。例えば小さなお子さんには、ピアノの大きさを感じてもらうためにピアノの周りをゆっくり歩いてみてもらったり、ピアノの音をもっとダイレクトに感じてもらうために音響板のそばにしゃがんで耳を近づけて聴いてもらったり、身体全体でピアノを感じる工夫をとりいれていました。

そのほかにも、ハーモニーの流れ、アーティキュレーションのとらえ方、タッチの具体的なアドバイスなどなど、たくさんのポイントを教えて頂きました。ウララ・ササキ先生は気さくなお人柄で、言葉遣いもとても穏やか。決して大きな声であーだこーだと一方的に決めつけるような指導スタイルではありません。それなのに説得力抜群! それは指導ポイントの一つ一つが的を射ていて、しかも相手に伝わりやすい言葉選びにとても気を配っていらっしゃるからだと思いました。この辺は私も日ごろから大事だと思っているところなので特に見習いたいですね。さて、そうした指導の合間に先生ご自身がちょっとだけお手本でフレーズを弾いてみせてくださるときがあります。するとどうでしょう、そのなんとも美しい音色! ウララ先生のコンサート聴きたいなあと心底思いました。

会場に足を運んでくださった皆様、レッスンを受けてくれた生徒の皆様、そしてウララ先生、本当にありがとうございました。


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嬉しいサプライズ

2016年07月14日 | レッスンメモ
今年教室に入って1年半のAさん。最近、あるコンクールに向けて頑張っています。

彼女自身が自分から「これに出てみたい」と言って挑戦することにしたコンクールです。私としては正直いってまだこの生徒さんには課題曲が難しいのではないかと思っていたので、出場を勧めていたわけではありません。そうは言っても本人が「やる気」を見せているわけですから、そこは大事にしたい。(正直私はちょっとたじろぎましたが)あなたにはまだとても難しい曲だと思うけど、本気で挑戦してみる? 大変だけど、大丈夫? と念を押して、その上で、やってみることにしました。

さて練習をやり始めてみると案の定、大変な船出となりました。あまりにもスムーズに行かなくて、本当にこの曲、最後までたどり着くかしら?と不安でした。本人は本人で「ああ、もう、できなーい!」と言って泣きそうになったり、投げ出しそうになったり。そのたびになだめたり励ましたり。牛のように一歩一歩ゆっくりと、時には立ち止まりながら、重い足どりで、それでも前に、少しづつ前に、我慢強く、一緒に進めてきました。そしてようやく、最後の最後まで何とか踏ん張って、やっとの思いで曲の最後までたどり着きました。私は、もう今回はここまでたどり着くだけで良しとしようと腹をくくっていたのです。

それから一週間が経って教室にやってきたA子さん、先週ようやく最後までたどりついた課題曲を、この日は最初から最後まで、まあ、ほんとに、目を見張るほどの出来で弾いてくれました。これには驚きました。ここまで頑張ってきてくれるとは! この子が初めて教室にやってきた頃のことが思い出されます。彼女にとって生まれて初めてのピアノでした。それこそドの位置から何からすべて手取り足取り教えるところからのスタートでした。そこから少しづつ成長していく姿を見てきているだけに、感動もひとしおでした。いつも暖かく見守っていらっしゃるお母さまも「人前に出るのが大の苦手な子だったのに、こんなになってくれて・・・」と感動の涙。

彼女がこのコンクールに出たいと言ったあの時、「大変だけど本当に頑張れる?」と念を押す私に「ちゃんと頑張るから出たいです」と答えたAさん。自分で挑戦しようとする気持ちをはっきりと見せてくれました。そして、つらくても苦しくても、自分が掲げたその挑戦目標に向けて実際に頑張りぬくという実践をしてみせてくれました。この「気持ち」と「実践」があれば大丈夫です。コンクールの本番にはまだ少し日にちがありますが、この調子でうんと頑張って、本番当日は伸び伸びと練習の成果を発揮してもらいたいと思います。

それにしても子供たちの可能性というのはすごいですね。力不足じゃないかなと思って、「今年はちょっと無理ね。来年にしょっか」と言わなくてほんとに良かったと思いました。もちろん、教師としてある程度の専門的客観的見通しを持つことは重要ですが、かなりぎりぎりのラインまで、その生徒の可能性を大らかに信じることが大切だということです。こうして、私の当初の予想をはるかに上回る形で、嬉しいサプライズを連発してくれる教室の生徒さんたち。こういうサプライズがたまらない!!

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ウララ・ササキ先生、公開レッスンセミナー

2016年07月11日 | レッスンメモ
先日ご案内したウララ・ササキ先生の公開レッスンセミナーが近づいてまいりました。皆様お誘いあわせの上、是非ご来場ください。来週の月曜日(7月18日)iichiko 文化センターでお待ちしております!

「ウララ・ササキ先生 公開レッスンセミナー」
日時:2016年7月18日(月・祝)、午前10:05~12:20
場所:iichiko 総合文化センター、地下一階リハーサル室
聴講料:要予約2500円(当日3000円)
主催:グループ・アイ

ウララ・ササキ先生プロフィール


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夢中になる楽しさ

2016年07月05日 | レッスンメモ
長くピアノをやっていると、時期によってピアノに対する情熱や熱意に濃淡が出てくることがあります。年齢を重ねるにつれて環境や状況が変わり、自身の健康状態にも左右されたりして、濃くなったり薄くなったり。誰だってこういう「調子の波」が出てくるのは、これは人間だから当たり前。一年365日、ずっとハイテンションのまま、何年も走り続けることはできないですよね。

先日、体調を崩してしばらくの間レッスンをお休みしていたある大人の生徒さんが、久しぶりに復帰してレッスンにやってきました。「これからは少しずつ、ゆっくりすすめていきたい」ということでしたが、「でも寂しいです。何年も夢中になって取り組んできたピアノへの情熱を、また取り戻したいです」と切実な思いを込めて言葉を続けました。私は「ゆっくりでもでもいいからとにかく続けることが大事。そのうち体がすっかり元気になったら、また意欲もわいてくるから大丈夫よ」と応えました。

大人に限らず、子供の場合もこの「調子の波」の問題には頭を悩まされます。学校、部活、塾、他の習い事、ゲームや遊びに宿題とくれば、まあ、ピアノの練習だけは一貫してずっと情熱を維持して毎日バリバリやり続けなさい! なんて、なかなか難しいことですよね

たまにはダラダラしたい時もあると思います。気分の乗らない時や、ほかのイベントで疲れ果ててるときなど。問題はそういう状態からまたどうやって復活していくかということです。

つまりどういう風にして「夢中になって頑張れる情熱」を取り戻すか、ということです。夢中でない期間があること自体が問題なのではありません。原因は何であれ、それはリラックスするための貴重な時間だととらえればよいのです。そこからまた調子を上げて行って情熱を取り戻すにはどうするか、それは何かきっかけがないといけない気がします。とりあえずリラックスして夢中でない期間を通って、そして「このタイミング」と思ったところで背中を押す、これが私たち指導者や保護者の役目だと思っています。

コンクールへの挑戦など人前で弾く本番の機会を持つとか、いつまでにこれを弾けるようになるとか、夢であった曲を与えるとか、具体的で実現可能な課題や目標を締め切り日とともに設定して、やる気を刺激するのです。こういう具体的な方法でピアノへの意欲と情熱を取り戻せると思います。そうした「本気モード」を高めていくためには、その前の束の間の休息は、むしろ必要だとすら私は思っています。もちろんこの休息の時になまけ癖がついてしまって、そのまま辞めちゃうというようなことではいけません。

こうして緩急織り交ぜながら、末永くピアノへの情熱を持ち続けてほしいと思っています。先の大人の生徒さん、「今はゆっくりでいいわよ」と言った私に、帰り際こう言いました「先生、でもね。夢中じゃないと面白くないんです。何とか目標を探して夢中になってピアノを楽しくやりたいと思ってます」。(うん、これはもう、夢中になる準備整ったな!)私は内心嬉しさでいっぱいでした。

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アレクサンデル・ガジェヴ リサイタル

2016年07月03日 | レッスンメモ
昨日は別府市の「しいきアルゲリッチハウス」で行われたアレクサンデル・ガジェヴのピアノリサイタルを聴きに行きました。この会場は去年できたばかりで、私は今回初めて訪れました。入ってみると会場はホールというよりは上質な雰囲気のサロンという感じで、とても素敵でした。ヨーロッパではこんな雰囲気の会場での音楽会が多いんだろうなと思ったりしながら、始まる前から気持ちの良い空間に座っていました。

そして、いよいよ舞台に登場したガジェヴはイタリア生まれの21歳。穏やかなスマイルと、いかにも若者らしい細身のスタイルが印象的です。ガジェヴは去年行われた「第9回浜松国際ピアノコンクール」で第一位となり、同時に聴衆賞も手に入れました。今回の別府での演奏会はこのコンクールの覇者に提供される全国ツアーの一環として実現したものです。

さて、演奏会の中身ですが、まず、プログラムがすご過ぎ! これからどんどん世界で活躍するぞという若いピアニストの意欲がほとばしり出てくるようなプログラムでした。

前半、ベートーヴェンのピアノソナタ31番作品110、ショパンのピノソナタ第2番作品35「葬送」
後半、バッハ/ブゾーニのシャコンヌ、ラフマニノフの「音の絵」から作品39-2と39-5、そして最後はリストのソナタロ短調

これ、すご過ぎませんか! リサイタル二つ分という感じの壮大なプログラムです。

こういうメインディッシュの連続のようなプログラム構成はたまに見ることがないではありませんけど、人によっては消化不良に陥るリスクがあります。だけどまあそんな心配は、この人には全く必要ありませんでした。最初の音から魔法の世界に連れていかれたような感じで、ぐいぐい引き込まれました。ダイナミックレンジがものすごく幅広くて、また音の色彩も豊かで、一体何十色の絵具を使っているのかしらと驚かされました。エネルギッシュ、パワフル、繊細、緻密などが織り交ぜられ、音が色づいてどんどん変わりながらオーロラのようになっていく。そんな幻想的な世界に浸ることができてとても幸せでした。音楽で幸せになるってこんなことなんだと実感しました。

ガジェヴの演奏はもちろん、会場の音響も雰囲気も素晴らしかったです。今回のリサイタルは本当に楽しませていただきました。ガジェヴのこれからもお楽しみです

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