ピアノの音色 (愛野由美子のブログです)

クラシックピアノのレッスンと演奏活動を行っています。ちょっとした息抜きにどうぞお立ち寄り下さいませ。

クラーマー=ビューロー

2013年03月31日 | レッスンメモ
私たちが、ピアノの練習曲として使っている「クラーマー=ビューロー 60の練習曲」。ピアノ教育に広く使われている練習曲で、私も子供の頃よく練習しました。コンクールの課題曲になることもしばしばあります。

この「クラーマー=ビューロー」は、イギリスのピアニスト・作曲家のクラーマーが作曲したたくさんの練習曲の中から、ドイツの指揮者ビューローが選択・改訂して出版されたもので、この両人の名前をとって「クラーマー=ビューロー」と呼ばれています。


ヨハン・バプティスト・クラーマー (1771年 - 1858年) はドイツ生まれのイギリス人ピアニストで作曲家です。音楽一家に生まれ、ピアニストとして頭角を現しました。クレメンティに師事したこともあり、1770年生まれのベートーヴェンとはわずかに1歳違いの同時代人です。二人は当時、超一流ピアニストとして並び称され、親交も深かったそうです。当時、ピアニストとしてのベートーヴェンはその解釈と表現力に優れ、クラーマーはその完璧なテクニックで優れていると評されていたそうです。後に出版事業にも進出したクラーマーはベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番をイギリスで出版しました。この曲に「皇帝(Emperor)」という異名をつけたのはクラーマーだと言われています。

一方、ハンス・フォン・ビューロー(1830年 - 1894年)はドイツの音楽家で、指揮者、ピアニストとして活躍しました。ピアノについてはリストにその才能を見いだされて指導を受けており、リストの娘コジマと結婚しています(後に離婚)。指揮者としてはワーグナーの影響が大きく、ワーグナー譲りの近代的指揮法の創始者として後世に名を残しました。

私の手元にある音楽之友社版の楽譜には編者であるビューロー自身が書いた「序言」が載っています。その日付が1869年ということですからクラーマーの死後ほぼ10年経ってこのビューロー版が出版されたようです。その当時すでに大変評価の高かったクラーマーの「練習曲」はクラーマー自身の版に加えて他の編者による改訂版がすでに何種類か世に出ていたそうです。そうした中でさらにビューローが自身の選択と注釈とで新たな改訂版を出版する気になったのはなぜか? その理由がふるっています。

当時出版されていたクラーマーの練習曲の二巻本(全84曲)をビューローは大変高く評価しています。それが教則本としてすでに幅広く世に用いられていることももちろん良しとしています。しかし、ビューローは言います。

「この練習曲に提示されている教材は(一般に普及している割には)徹底的に使用されることが少ない(中略)。何と言う皮相さ、何と言う無思慮な練習ぶりで生徒及び教師はこれを扱っているだろう。多かれ少なかれ、杓子定規に第一冊をざっと『おさらい』し、それからおそらくはまた、第二冊も当然まえ以上に速成に卒業することで、この教育は事足れりとしている」

ビューローさん、怒っています。憤懣やるかたないという感じがひしひしと伝わってきます。「こんないいものを、みんなどうしてもっとちゃんとやらないんだー! 」

これが動機になってクラーマーの練習曲の改訂版を作ることにしたんですね。世のピアノ教師そして生徒ともども「クラーマー=ビューロー」に取り組む時にはこのビューローさんの熱い思いに応えるよう真面目に取り組むべきでしょう。

ちなみにビューローの改訂版の主な特長は①多すぎる曲数(元は84または100)を減らす ②首尾一貫していなかった曲の並べ方を変える ③指使いの指示の変更(ピアノの構造の変化も踏まえて)などです。また全体を通しての編集方針としては、「クラーマーの中でも未来を目指している側面を擁護して、過去に目を向けているクラーマーの方を無視するのが自分の義務と考えた」と記しています。こうした方針をもって編纂したからこそ時代を超えて親しまれているのでしょうね。

現代の私たちから見れば「クラーマー=ビューロー」は古典派を中心にしたテクニックを磨く重要な練習曲集の一つです。生徒たちも苦戦しながら頑張ってくれています。レッスンしながら、自分自身が苦戦した頃を思い出します。あの頃やってもやっても分からなかったことが今はこうすればよかったんだと思えることがあったりして、それが嬉しくて、そうしたことを生徒に伝え、苦戦を乗り越えられるように、手助けしています。ビューローさんにお叱りを受けないよう真剣に取り組みたいと思います。とはいえ、我々はさらにそれから時を経て、ロマン派や近現代の作品も大量に目のあたりにし、ビューローさんの言うようにしっかりこの一冊全部を完璧に全うするというのは至難の業というのが正直なところですが・・・。

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ただただ音楽を

2013年03月30日 | レッスンメモ
もうピアノと50年以上お付き合いしていますけど、そのお付き合いのあり方は決して平たんな単調なものではなかったように思います。ものすごく情熱的に寝ても覚めてもピアノに向かっている時期もあれば、無理をしてピアノに向かうことも。漫然と惰性でピアノに触る日もあれば、うまく行かなくて頭に来てひどく扱ってみたり、ピアノを抱きしめたいくらい嬉しい気持ちになることも・・・。

ピアノ自身に何か感情や考えがあるわけではないでしょうから、これらは全部こちらの独り相撲ということですね。そういう意味ではピアノというのは自分の気持ちを自分でもびっくりするくらい正直に映し出してくれる鏡だと思います。

ピアノに向かうと自分が分かるのです。



佐渡裕さんのこの言葉、ほんとにいいな~と思います。「ただただ音楽をやれることの喜び」、これは絶対みんな経験しているはずです。これがあるからみんな頑張れるんです。もちろん私もその喜びをよく知っています。でも、これ、結構忘れやすいんですよね。いつのまにかこれが「音楽を続けることの苦しみ」にとってかわってしまうことがあるのです。歳は取りたくないものです。

もう一度感性を研ぎ澄まして、ただただ音楽をやれることの喜びを感じながらピアノに向かいたいと思います。


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教室アンケート

2013年03月29日 | レッスンメモ
先日、保護者の懇談会をしました。色々なことが分かり有意義な会だったと思っています。保護者の方々がどんなことをお子様にのぞんでいらっしゃるか?お子様自身はどうなのか?懇親会で語りつくせないことも多々あるでしょうから、皆さんにアンケートもお配りしておきました。

日頃のレッスンの際にゆっくりお話出来る保護者の方もいれば、なかなかお話する機会が得られない保護者の方もいらっしゃいます。こうしてアンケートに書いてもらえたら、もっとお互い分かり合えると思います。

本人と先生と保護者の3者でピアノを伸ばし、楽しんで行く方向にしていきたいと思っています。特に小学生までの間はこの3者ががっちりスクラムを組むことが大事です。ピアノのレッスンでは本人が中学、高校とだんだん大きくなると本人の気持ち次第という割合がぐんと大きくなってきますが、それまでの間は私たち大人の影響が大きいです。先生と親の両方がきちんと共通の理解の上に立って見守り、導いていくという姿勢が大切です。これによって生徒の伸びが大きく左右されます。

アンケートの結果が少しづつ返ってきています。なるほどそうだったのねと腑に落ちることがたくさんあります。子供の前ではなかなか言いにくいこともあるだろうし、こういうコミュニケーションも大切だなと実感しています。今後のレッスンに益々役立てたいと思います。

今月もあとわずか。来週からは新しい年度のスタートですね。私も気持ちを新たにすっきりと新年度を迎えようと思っています。

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弱気の時間

2013年03月28日 | レッスンメモ
今年の3月は、寒い日が多かったですね。もうすぐ春、もうすぐ春と何度も書いてはみたものの、こう寒くては気持ちも沈みます。いつも頑張りますって書いているブログですが、私も人間ですからマシンガンのように頑張り続けることはできません。たくさんの弱気と闘いながら、何とか前を向いて自分を鼓舞する意味も含めてこのブログを書いています。

昨日は一日雨でした。まさに花冷えの一日で、一気にドンと気持ちも曇ってしまい、弱気モードを追い出すパワースイッチを押せませんでした。朝からテンションあがらず、どうにかしなきゃと思いながらどうにもできず・・・。

そこで、もう無理しないで弱気モード全開で行くことに決めました。自分の今の状況に、こうではいけない、しかしどうにもできない、でも打破したいというもどかしさや自分の無力さをとことんみつめ、自分をくさし、自分をダメダメとさげすみ、ずぶずぶと落ち込んで行く・・・。自分ではどうにもできないことも含め悲しいことを思っては、またずぶずぶ・・・

こんな風にして朝から午前中一杯ほんとに駄目な半日を過ごしました。気持ちが治まるまで何にもしないでただとことん落ち込んでやり過ごしました。そうすると、だんだん馬鹿らしくなってきて「駄目だったらどうするのよ」「それならどうしたいの?」ともう一人の自分がささやき始めます。

そして、「ピンポーン」とチャイムの音。生徒のレッスン開始時間です。さあ、シャキン!と仕事モードに戻りました。生徒と一緒にレッスンしていると、それまでの弱気モードはどこへやら、いつものように明るく元気にレッスンできました(プロだわ~笑)。

とことん弱気な自分を、ただなすすべもなく茫然と見つめる時間。昨日の半日はそういう時間でした。おかげで今朝は少しは楽になったような気がします。たまには無理せずこういう時間も必要なのかな。

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たこのほね

2013年03月27日 | レッスンメモ
外食の楽しみというのはコンサートの楽しみと同じで、出かけるときはいつもウキウキワクワクですが、実際にそこで食べてみると、「???」 となることが少なくありません。特にお台所経験豊富な我々女性軍をうならせるほど満足させるというのは、決して簡単なことではないと思います。

というわけで「あそこ美味しいわよ」という口コミ情報は貴重です。そんな貴重な情報、私はいつももらっているばかりなので、今回はこちらからご紹介することにいたしましょう。

大分市は都町の「たこのほね」です。自他共に認める食通(グルメ)の知人に連れて行ってもらいました。オーナーシェフのご夫婦が二人で切り盛りしている小さなレストランです。ジャンルでいえば和風フレンチという感じでしょうか。とにかくその時の季節の素材を様々にアレンジしたものを次々と出してくれます。

ちょっと驚くのはメニューが無いということ。カウンターに座って気さくな店主と会話を楽しんでいると、こちらのペースに合わせてごく自然にお料理がでてくるのです。


これは赤貝とヒラメのカルパッチョ


これは、カキのクリームソースチーズ焼き


美味しいものを食べると幸せになります。皆さまもどうぞ!


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お能とピアノ

2013年03月26日 | レッスンメモ
私の母はずい分昔からお能の稽古を続けています。最近はさすがにお仕舞の方はやめたようですがお謡いの方を続けています。先日の夜、その母からいつになくはずんだ声で電話がかかってきました。「やっと終わったよ。成功した。ちゃんと最後まできちんと無本でできたわよ!」 本当に嬉しそうな母の声、こちらまで嬉しくなって二人で大喜びしました。

「無本」は、むほんと読みます。謀反のことではありません。これはお能の世界で使う言葉です。お能のお謡いのときにその歌詞(詞章)や節回し(節記号)を書いてある本のことを「謡本(うたいぼん)」といいます。音楽の世界でいえば楽譜のようなもの。舞台に立って演じるときにこの「謡本」を見ないで、つまり全部丸暗記してお謡いをすることを「無本」というのです。つまり私たちにとっての暗譜と一緒です。

もちろんプロの能楽師さんは「無本」で演じるわけですが、趣味のお稽古の場合は謡本を見ながら謡うことが多いようです。ちなみに謡本を見ながら謡うことを「見本(けんぼん)」というのだそうです。私の母の場合、いくら昔からお稽古しているとはいえ、もう80歳を超えていてさすがに記憶力も・・・と思うのですが、逆に一念発起して、「今度の会では無本で謡う」と言いだしてものすごく練習していたのでした。そしてそれが上手くいったという嬉しいお知らせだったのです。

私は、ピアノの暗譜で結構苦しむことがありますが、何か母からポンと背中を押された気がしました。お能の事は詳しくないのですが、あの楽譜、じゃなかった謡本というのは、かなりのページ数があります。「ストーリーがあるから覚えやすいのよ」なんて、母は言っていますが、今はもう使わなくなった古語などがたくさんあって意味が分からないし、私にはとても覚えられそうにありません。それがどれだけ大変なことかということは容易に想像がつきます。

年老いた母がこれだけやってくれると私も弱気になっていられません。ここは母に負けじとまた気を引き締め直してピアノに向かうことにします。

※お能の無本の話を検索していてとても参考になる文章を見つけました。お能もピアノもこの点についてはほんとによく似ているなあと感心したのでご紹介します。ご興味のある方は読んでみてください。これを読んだ私は、暗譜に関してほとんどピアノと共通ではないかと思ったのでした。
「見本か無本か」

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保護者懇談会

2013年03月25日 | レッスンメモ
昨日は保護者懇談会を開きました。教室の生徒の保護者の皆さんに集まっていただいて、それぞれのご家庭でのピアノ練習の様子を中心に、親としての悩みや工夫、子供とのコミュニケーションのあり方などについて、ゆっくり語り合ってもらいました。皆さん熱心な親御さんばかりなので、話は尽きません。あっという間に時間が過ぎて行きました。


「親の心子知らず」とよく言ったものです。私みたいに子育てを終了した人にとってはこれはもう当たり前。「子どもは親の思い通りには決してならない」のが当たり前です。その中で、万が一、ほんの少しでも思った通りのことや、期待以上のことをしてくれたら、これはもう大喜びするんです。

皆さん子育てにとても熱心です。どんどん期待も膨らむしその期待と現実とのギャップに、ついつい親の方が焦ってしまう。こんなこと、よくありますよね。「うちの子はどうして言うことをきいてくれないのか」、「うちの子は○○できないんだけど大丈夫かしら・・・」という風に、不満と不安で一杯になってしまいます。「自分の思い通りにならないのが当たり前」だなんて、子育て真っ最中のの親御さんにとっては、とても受け入れられるものじゃない。。。

子育てに万能薬はありません。みんな悩むんです。でもたった一つアドバイスできることがあるとすれば、それは一人で悩まないでということ。色んな人とオープンに話してみましょう。色んな人の話をオープンに聞いてみましょう。そうすればきっと、ほんの少しだけ荷が軽くなったり、先が見えてきたりするものです。

私はピアノのおけいこを通して、教室の生徒一人一人に心豊かに成長してもらいたいと願っています。ピアノは上手くなればなるほど、その楽しみが深くなると思います。たくさん練習をしてもらいたいのは私も同じ。でも、いき過ぎに注意しながら親子でピアノを楽しんでもらいたい。ただ聴いてあげるだけでもいいのです。親御さんがお子さんの練習を、ただ楽しんでいると、やっぱりその子はピアノが大好きになります。そして、親御さんがハッピーだとお子さんもハッピーになるのだと思っています。ピアノを通じて家族みんながハッピーになってもらえば私も本望です。

教師である私と親御さんが協力して、お子さんのピアノがますます伸びていくようにしていきたいと思います。


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うぐいす

2013年03月24日 | レッスンメモ
毎年、我が家に春を知らせてくれるうぐいすが今年も庭でそのかわいらしい鳴き声を聞かせてくれています。最初の数日は「ほほけ、けきょ、けきょ」という感じでなかなかうまくいきません。それが練習を重ねて、次第に上手になっていきます。「ほーほけきょ!」今朝の声はとても上手でした。ようやく花マルですね。

だんだん朝も明るくなるのが早くなってきました。うぐいすは明るくなったらすぐ鳴き始めます。庭にやってきたうぐいすの声で目覚めるなんて本当に幸せだな~と感じながら、ついついベッドの中でまったリしてしまいます。

うぐいすも上手に鳴くために一生懸命練習してるのかと思うと何だか親近感がわいてきます。「うちの子、どうしてもっと上手にできないのかしら」なんて心配している親鳥もいるのかもしれません。

さて今日は教室の「保護者懇談会」の日です。習いごとに取り組むお子さんの姿。そしてそれを見守る保護者の思い。それぞれ色んなケースがあると思います。みんなで話し合い、語り合って、ますますお子さんの成長をサポートしていきたいと思っています。


花海棠(ハナカイドウ)です。いよいよ春も本番です。

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ピティナ課題曲講習会 in 大分

2013年03月23日 | レッスンメモ
昨日は、ピティナピアノコンクールの課題曲セミナーに行ってきました。伊賀あゆみ先生が1曲1曲丁寧に解説しながら弾いてくださいました。先生の音の美しいこと! 右手から音がこぼれるようにして出て行く。指先の使い方がいかに大切かということがよくわかる弾き方でした。

伊賀先生はにこにこと、とてもフレンドリーにお話ししながら、次々に曲をこなして行かれました。午前と午後に分けて2時間ずつ、A、B、Cのカテゴリーを中心にほとんど弾きっぱなし、しゃべりっぱなしのセミナーです。これにはどんなに体力と気力がいることか、私も似たような経験があるので、想像がつきます。それなのに、最後にもうひとつ「おまけ」と言ってソロの曲を弾いてくださって、これも素晴らしかったです。

伊賀先生の音楽解釈は、どれもとても丁寧でどこかふんわりとした暖かさが感じられます。4時間もの間、綺麗な音のシャワーを浴びたような心地になって会場を後にしました。とても勉強になったし、音楽自体を楽しむことができた講習会でした。ありがとうございました。

演奏、セミナー、執筆等々大活躍されている伊賀先生のブログはこちらです

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ブルグミュラージョイントセミナーのお知らせ

2013年03月22日 | レッスンメモ
4月23日(火)、佐賀県鹿島市でブルクミュラーのセミナーを開くことになりました。今回のセミナーは私と後藤ミカ先生とのジョイントセミナーです。私はブルグミュラーの演奏指導法について、そして後藤ミカ先生はご自身がアレンジなさった連弾曲についての解説を中心に行います。

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「ピアノセミナー ブルグミュラーを楽しもう」

日時: 4月23日(火)、午前10時~12時
場所: 鹿島市生涯学習センター、エイブルホール
受講料: 2000円
使用テキスト: 「ブルグミュラー25の練習曲集」、「ブルグミュラーでお国めぐりお話ピアノ連弾曲集」

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二人の講師によるソロと連弾の演奏つきのセミナーです。皆さんお誘い合わせの上、是非お越しくださいませ。

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プラスアルファの心意気

2013年03月21日 | レッスンメモ
昨日、地元のコンクールに教室の小さな生徒たちが出場しました。まだ椅子によじ登るくらいに小さな4歳の生徒をはじめまだ習い始めて1-2年の生徒たち。

それぞれのカテゴリーで全員それぞれみんな立派な賞を頂きました。出場したのは教室の中でも本当に頑張り屋さんの生徒たちなので、大きい子顔負けなくらい練習を積んでよく弾いてくれました。でもそこには「コンクールだから頑張らなきゃ」という悲壮感は全然ないのです。

いつでもにこにこと教室にやってきて、音楽が大好きっていうのを全身で表しています。もうピアノが楽しくて仕方ないのですね。お母様にきくと「練習も大好きで姉妹で1台のピアノの奪い合いになる」とおっしゃいます。

そもそも「コンクールってなに?」というくらいの年齢なので、多分、幼稚園や学校の運動会か学芸会みたいに、コンクールを楽しみにしてたんだと思います。本番の舞台で弾くのも私のレッスン室で弾くのも全然変わらず、へいっちゃらで、楽しそうに弾いてくれました。ステージの上で、小さなか身体から、ピアノ大好きというオーラが出てました。「この曲を大切にしゅる~(する)」って感じで本当に大切に丁寧にしっかり弾いてくれたのでした。

「ピアノだいすき」これがあると、曲が生きてきます。ただただ練習を繰り返してちゃんと弾けるようになるのも大変ですが、それにプラスしてその曲を愛しているかどうか、この部分の違いは大きいと思っています。見る方、聴く方にはその違いがはっきり分かりますから。

人は皆だんだん成長して大きくなってくると、「ピアノ大好き」「弾くのが楽しい」から、「ちゃんと弾かなきゃ」「失敗したらどうしよう」と気にするようになってきます。かくいう私もその一人。でも、昨日の生徒たちのステージ上の姿を見ていると、みんなの前で弾くのが嬉しくてしかたないという気持ちが伝わってきました。人前で演奏する時はこうでなくちゃいけません。

もちろん日々の練習を人一倍熱心にやっているということがベースにあればこそです。そもそもそんなに日頃から熱心に練習するということ自体、好きでないとできません。特に小さな子はそうです。「やらなければいけない」なんて大上段に構えた理屈は小さな子供には通用しないのですから。大人になってもこのことを忘れてはいけませんね。小さな生徒たちの伸び伸びとした演奏に、ピアノ弾きとしての原点の姿を見せてもらったような気がしてとても嬉しかったです。

これがプラスアルファの心意気です。小さなピアニストたちは、それをちゃんと心得ていました。

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掃除は、心の整頓

2013年03月20日 | レッスンメモ
昨日は午前中いっぱいかけて、ピアノ部屋の整理整頓やお掃除をしました。「ピアノの上をすっきりする宣言」をしてから、まだ日が浅いので、今のところ無事にピアノの上はすっきりしています。しかし、楽譜を本棚から出したりまた元へ戻したりするのは、楽譜の数が結構多いので、やっぱり時間と手間の無駄だなあと改めて実感しました。

そこで、もっと手元に近いところに小さな整理棚を置くことにしました。昔、子供が使っていたものを二階から持ってきました。これに日頃よく使う資料や楽譜などを入れて、さっと出し入れしやすいように整頓しました。

整頓の次は拭き掃除です。黄砂やPM2.5 の影響でしょうか、何となく家の中まで埃っぽいので綺麗に拭き掃除しました。こんなことを黙々と一人でやっていると、だんだん頭の中で色んな事を考え始めます。これまでのあれこれの中で、心の中に引っかかっていること、解決出来るかどうか分からない問題などが次に次に浮かんできます。

ピアノとの関わり方についても色々と考えました。これまでやってきたこと、そしてこれからやってみたいこと! そんなことを真剣に考えながらお掃除をしていたら、ちょうどお掃除が終わった時に、スッキリ答えが出たような気がします 壁ができたら、壁にぶち当たってそして一生懸命壁に向かってよじ登ったりするのだけど、その壁を越えた時には、それまで以上にパワーがついているもの。心の掃除はまずほんとの掃除からですね。

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「生徒がやめないピアノ教室」ますこしょうこ著

2013年03月19日 | レッスンメモ
3月23日発売の「生徒がやめないピアノ教室」という本、友人のますこしょうこ先生の著書です。

ますこ先生のピアノ教室は現在「3歳から77歳まで85人」の生徒さんが通っているそうです。この数は半端じゃありません。私もピアノ教師のはしくれなのでこれだけの生徒さんを教えることがどれだけ大変なことか、想像がつきます。とにかく一人で教えるピアノ教室としてこの生徒数は群を抜いていると思います。生徒数がそれだけ多いということはそれだけ経験も豊かでノウハウもたくさんお持ちということでしょうし、何よりもそれだけ生徒の皆さんに支持されているということの証拠だと思います。だとすれば、益子先生の教室って一体どんな教室なんだろう? どんな教え方をしているんだろう? 生徒への接し方、教室運営の方針など、「ますこ先生、一体どんな風にやってるの?」と聞きたくなってくるじゃありませんか。

私はご縁があってますこ先生とは個人的に親しくさせていただいています。ますこ先生のお人柄に触れるとその秘密が分かります。先生のピアノ教育に対する情熱と姿勢、相手の気持ちを思いやる気配りと優しさ、この世界では苦手な人の多い高度な事務処理能力などなど。そんなますこ先生が一生懸命頑張っている教室ですから、たくさんの生徒さんに支持されるのも、私には当然のことと思えるのです。

そんなますこ先生が自身のピアノ教室で実践されている様々なノウハウ、そしてその基礎にある信念などを、体験と実績をもとにして書き綴ったのがこの本です。ピアノ教育についての信念、情熱、そしてそれを効果的にするための様々な具体的な工夫。全部実際に日々実行されていることですから説得力があります。空理空論ではないのです。ますこ先生は「これを全部やってるんだ」と思うと、ただただ頭が下がります。そして、ますこ先生の教室は、単にピアノの弾き方を教える教室ではなくて、ますこ先生が「教育者」としてピアノを通じて人を育てている教室なのだということがよくわかります。

そして、一番言いたいのは彼女の教室がこんなにたくさんの生徒さんになったのは、彼女の生徒さんへの愛情が源になっているということ。生徒さんを音楽を通じて幸せにしたい、音楽を通じて人間として教育していきたいという理念がしっかりしているから、こんなに大きい教室になっているということ。何も経営が先走って出来たことではないということ。

しっかり誠実に人と接し、生徒さんや保護者の方と接していることが究極一番大切だということを彼女の姿勢からいつも感じます。

楽しくて愛情たっぷりでものすごく頑張るしょうこさんの書いたデビュー作「生徒がやめないピアノ教室」、お勧めです。皆さんも是非読んでみてくださいね。

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やってみせ、言ってきかせて・・・

2013年03月17日 | レッスンメモ
人を育てるときに指導者が心がけておくとよい言葉にこういうものがあります。

「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ」

これは海軍の軍人、山本五十六の言葉だそうですが、私の大好きな言葉でもあります。すごくよく分かるんですよね、その気持ち。まさに毎日これを教室で実践しているのですから。といっても私の教室が戦前の海軍に似ているというわけではないので、その点は誤解のないように(笑)

たとえばスタッカート。これはただ音を短く切ればよいという、そんな単純なものではありません。そこにはありとあらゆるタッチのバリエーションがあって、実はとても奥の深い技術の一つなのです。レッスンをしていて、ここのスタッカートはもっと余韻の残るようなスタッカートにしたいとします。余韻の残るスタッカートとはどんなものなのか、これを生徒に伝えるには、やはりまず自分が弾いて聴かせて「こんな風に」というのが一番分かりやすいし簡単だと思います。つまり「やってみせる」のです。

やってみせたら真似をしてもらいます。ただ、何でもかんでも毎回「やってみせる」わけにはいきません。いつも私がそばにいるわけではないので、最終的には自分自身で私がやってみせたことをきちんと理解しなければなりません。真似をすることから理解することへと進む過程が「学ぶ」ということだし、そこで大事なのが「言葉」です。

色んなことを言葉に置き換える訓練も大切です。その言葉が何を指しているのかということについての共通理解を積み上げて行くと、学びの効率が一段と高まります。もういちいちお手本を聴かせてもらわなくても、「ああ、あのことか」と理解できるようになるのです。

というわけで、やってみせて、言って聞かせて、させてみるのがピアノのレッスンです。あとはとにかくほめる、ほめる。これも同じですね。帝国海軍の教育方針とピアノ教室の指導法の意外な共通点というお話でした。


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ピアノの上

2013年03月15日 | レッスンメモ
皆様はピアノの上には何にも置かない人ですか?ふた(大きな方)を毎回開け閉めするのなら、少なくともピアノの本体の上には何にも乗っていないということですよね。

私はいつもは大きなふたの方は閉めたままで、小さなふたは開けています。鍵盤側のふただけ開閉をしています。そして譜面台は本番前の自宅リハーサルの時以外は立てたまま。この譜面台の横や周りに今練習している楽譜や生徒たちが練習している曲、コンクールの課題曲などの楽譜がすぐ山積みになります。楽譜に加えて筆箱やノート、メトロノームそして時々ネコ・・・。こうしてピアノの上が知らないうちにどんどん乱雑になってきます。

昨日、2台のピアノを調律してもらいました。とても丁寧にやっていただいたので、今日からまた新しい音で弾けるのが楽しみです。いつも調律師さんが来る日には、まず、ピアノの上に置いているものを大急ぎで片づけるところから始めます。そのたびに自分であきれます。なんでこんなにたくさんピアノの上にものが置いてあるんだろう! 

そこで今回、ついに決心しました。これから新年度に向けて、このピアノの上の乱雑さを抜本的に見直して、ピアノまわりをすっきりさせることを誓います。ここで宣言しておかないとなかなか実行できないので、あえて退路を断つ思いでブログ宣言です(笑) 

皆様はどうですか? 毎日たくさんの楽譜を使った後、その夜のうちに毎回本棚に全部しまう派ですか? 次の日の朝、もう一度同じ楽譜を使うことがわかっていても、きちんと片づけてますか? この問題はどうしても残りますよね。中途半端はよくないようにも思うし、どうせ使うことが分かっているなら、一々しまうのも効率的でない気がするし。私は「しまわない派」だったのですが、これからきちんと一々片づけるということに挑戦してみます。


「この状態をキープするぞ」宣言!

やっと片付け終わってほっとして調律師さんをお迎えしたら、開口一番、「先生、ここ、猫が歩いたでしょ」 見るとランちゃんの足跡がうっすらとついていました。むむ、いつの間に。ただ片づけるだけじゃだめなんですね。拭き掃除もしなければ・・・。

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