ピアノの音色 (愛野由美子のブログです)

クラシックピアノのレッスンと演奏活動を行っています。ちょっとした息抜きにどうぞお立ち寄り下さいませ。

「奇跡のレッスン」のエッセンス

2021年03月24日 | レッスンメモ
NHKの人気番組「奇跡のレッスン」は私の大好きな番組で、いつも欠かさず録画して見るようにしています。スポーツや芸術、料理や書道も含めて、その道の世界トップクラスの実績をもつ元選手や指導者たちが、一般の生徒たちのもとを訪れて、一週間ほどサプライズ指導するという夢のような企画番組です。

私はピアノ指導者として毎日子供たちと接しています。どうすればこの子たちをもっと伸ばせるか、もっともっと上手に教える方法はないか、やる気を引き出すにはどうしたらいいか、いつもいつもこんなことを考えています。この番組はそんな私にとって、本当に価値あるヒントと気づきの宝庫です。番組で取り上げるのは毎回違うテーマですから、例えばスピードスケートのレッスンの回をみて、それがピアノの指導に何か役にたつのかと思われるかもしれませんが、これがほんとに役に立つのです。なぜかといえば、取り組むテーマにかかわらず「子供たちに指導する」という根本のところは同じだからです。

これまで見てきた一連の番組を通じて、私なりに感じた「奇跡のレッスン」のエッセンスを箇条書きにしてみます。

1)まずは「見立て」。初対面でさらっと練習風景を見ただけで、パっと問題点と課題を見抜く。レジェンド指導者たちはこの「見立て」の能力がすごい。
2)「課題の整理」。見立てから、やるべき課題を整理する。技術的な課題はもちろんですが、やる気がなさそうとか、雰囲気が暗いとか、コミュニケーションが足らないとか、いわゆる「練習以前の問題」も決しておろそかにしない。
3)「豊富で効果的な練習ノウハウ」。一つ一つの課題について、それを改善するための具体的なドリルを一つ一つ練習に取り入れる。ここは個別の競技や習い事に応じてその指導者が提供する一番のノウハウの見せ所です。この番組でみたレジェンド指導者たちに共通して言えることは、課題とドリルの間の関係が明確でしかもものすごく効果的だということです。例えば、Aという課題を克服するために a という練習を一生懸命繰り返してきた生徒に対して、「うん、それじゃ、bという練習やってみて」これでコロッと結果が変わるのです。Aという目的地に行くために、道は一つではありません。a、b、c ・・・といく通りもあります。レジェンド指導者たちはここでそれまで子供たちが経験したことのないような、より効果的で理にかなった指導を次々と展開していくのです。
4)もちろん素直に言うことを聞く生徒たちばかりではありません。相手は世界的な有名人なんですけど、それでも中には自分には関係ないと思ってる子だっているんです。そんなときは「やって見せる」これです。これは効きます。生徒たちはみんな指導者のことを見ています。どこまでこの人の言うことを本気で聞いていいのか? 口先だけのうるさい大人がまた増えただけなのか?レジェンド指導者たちが往年の片りんをチラッと見せるだけで、たいていの子供たちは目を丸くします!

この番組を見ていると、指導者の責任は大きいということを痛感します。子供たちは指導者次第で、その指導次第で、驚くほど変わることができるのです。私はピアノ指導者のはしくれの一人として、縁あって私の教室に通って来てくれている生徒たちのために、もっともっと精進していこうと思っています。
ハナズオウの花が咲きました。

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譜読み三昧

2021年03月15日 | レッスンメモ
PTNAの課題曲が発表されて大急ぎで選曲に取り掛かっています。それぞれの生徒につき四曲ずつ、しかも、幼稚園生から高校生まで各グレードに応じて選んでいくのですから大変です。生徒一人一人の特性に応じて大体の腹案を決めて、そのうえで本人とよく話し合って決めていきます。たくさんの候補曲の譜読みのスタートです。一体どんな曲かな?どんな音楽かな?ワクワクしながら譜読みを進めていくと、少しづつ分かってきて楽しくなります。とはいえ、そこそこ大きな曲になってくると、譜読みに時間がかかって、なかなかすらすらと弾けません。

さあ、ここからが運命の分かれ道です。がんがん譜読みに取り組んで一日もはやく楽しく弾けるようになるか、はたまた、なかなか譜読みが進まず、時間ばかりが過ぎていくのか!?!? 小さな曲を弾いていた頃とは違って、だんだん大きな曲になってくると、時間がかかるのは当たり前です。しかも時間を取られるのはこれだけではありません。私の教室ではコンペの課題曲だけではなく「あれ」も「これ」もとできるだけ多くの曲をやってもらいます。中にはたくさんの曲に押しつぶされそうな気持になる生徒さんもあるかもしれません。でも、そのあとに、きっと弾けるようになったことへの喜びに代わります。大好きな曲、憧れの曲がたくさん弾けるようになると、達成感が盛り上がって本当にピアノが楽しくなります。
譜読みは時間がかかるもの。とにかくあせらず一歩一歩着実に読み進めていきましょう。早く弾きたくて焦って譜読みをすると、雑な読み方になってしまって、後々修正するのが大変になります。じっくり丁寧に、指使いや、スラーやフレーズのくくりを考えながら、慎重に読み進むことが大切です。最初に音の読み間違いや、音抜けなどをそのままにして適当に進んでしまうと、そのくせがなかなか抜けなくなります。最初に脳に入ってきた情報はどこかで覚えていて、訂正したはずなのに、あとでひょっこり、それも本番で顔を出すなんてことも起こるのです。春ももう本番。この春休みは譜読み三昧。しっかりピアノと仲良くなってじっくり譜読みに取り組みましょう!

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季節は進む

2021年03月08日 | レッスンメモ
時間が経つのは早いですね。いつの間にか桃の節句も終わり、おひな様は元通り箱に入ってお休みに入りました。年度替わりの季節は受験の季節でもあります。教室の生徒たちからも次々と朗報が届きました。音楽専門の高校や大学へと進む生徒、一般国立大学をピアノのAO入試で突破した生徒、皆それぞれにピアノを生かして道を切り開いてくれて、とても嬉しく思いす。

さて、先日このブログでも紹介した「PTNAレッスン見学会」ですが、コロナ対策を万全にして無事終了。見学に来てくださった8名の先生方の前で、いつも通り元気に楽しくレッスンいたしました。少しでも皆さんの参考になったとしたらうれしいです。そしてその次の週にはPITNAピアノコンペティションの課題曲が発表されました。いよいよですね。昨年のピティナは中止になったので、生徒たちも私も、今年は去年の分も頑張るぞ! という強い意気込みをもって取り組みます。生徒たち一人一人の顔を思い浮かべながら課題曲選びをして、スタートダッシュです。

山を見ると雪が解けています。

庭にでると馬酔木がほころび始めて、ほかにも小さなつぼみや新芽があちこちに。

季節が進んでいますね。春がもうやってきています。生徒さんたちもそれぞれ新しい環境に希望を膨らませながら、ピアノっ子らしくたくさんの曲を楽しんでほしいです。生徒さんとたくさんの曲たちに囲まれて、私の胸にも希望が湧いてきます。

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